あらすじ
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地球上にはどのような形態、生態の動物が暮らしており、どれくらいの数の動物種が生息しているのかを明らかにしようとするのが動物分類学である。そして、進化によってつくられた種の系譜「系統」を取り入れ、生命の歴史を含めて研究を進めてきた。本書は分類、系統、進化の観点から、現在の地球上の多様な動物の姿を明らかにすることで、その姿が5億年の間にどのようにして生じてきたのかを解説する。前半では、動物系統分類学の考え方や研究方法をこれまでの歴史を交えて解説し、後半では、それによって、これまでにどのようなことがわかってきたのかを解説する。系統樹の作成や、地球上の動物の多様性の理解を深めたい方にお勧めしたい一冊。
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Posted by ブクログ
4章「動物系統分類学の方法」がこの本の神髄。
最初、なんか小難しいなって流し読みしてたんだけど、いやこれちゃんと読まないとこの本読んだ意味なさそうだなと思ってノートに要約まとめながら読んでみた。
内容をちゃんと理解している優秀な教師が、子どもたちにわかりやすく説明するために、自分用にまとめたあんちょこのような良くできた解説がずっと続いている。
形、位置、状態、方向、違いといったような、箇条書きで誤魔化したくなったり、図でないと説明するのが難しいようなことを、いちいちちゃんとギャップなく、漏れなく、丁寧に文章で説明している。
それの何がいいかというと、まず第一にその文章を読むだけで人への説明になる。第二にわかった気にならせるんじゃなくちゃんとわからせられる。それが優秀な教師のあんちょこと言った理由。
種がどのように分化したのか、それをどういう根拠でどう分析、解析し、系統樹を作り上げたのか、各手法のメリットや問題点がわかりやすく解説されている。
他の章は流し読みしたけど、5章、6章もなかなかにマニアック。体制(ボディープラン)によって分類された34の動物門を全て詳しく解説。w