あらすじ
通り魔に襲われた高校生の由原尚季は、狩野飛月という男に助けられる。強引な手口により、飛月と一緒に暮らすことになった尚季は、凶暴そうな見た目に反し、無邪気で優しい男に急速に惹かれていく。だが、仕事に行くたび尋常さを失う飛月に、尚季は昼夜を問わず、荒々しく抱かれるようになる。次第に獣じみていく飛月の異変に不安を覚える尚季は、彼が凶悪犯罪者を抹殺するため、秘密裏に造られた「猟獣」だと知り――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
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Posted by ブクログ
初読み異種間交合に度肝を抜かれる。へえ、犬の交尾ちゃそうやってんだな~と。一途でHなわんこ攻めも、仲間うちでノロケる天然攻めも、ニヨニヨして読めた!お風呂でイチャイチャがエロスでした。後半ちょっとシリアス展開。
Posted by ブクログ
ジューカンあり。嫌いな人は嫌いだと思うけど、自分はごちそうさまです。多少ご都合主義的なエンドではあるけれど、ビター&バッドエンドが苦手なのでうれしかったです。
Posted by ブクログ
そういうタイプの作家さんじゃないのは薄々わかってはいたけれど、甘い人外ファンタジーかと思いきや全然違った…うわーん(泣)
時は一応近未来なのかな? 死刑制度が廃止され、刑務所は慢性的にキャパオーバー。犯罪者たちは短い刑期を終えてすぐに社会復帰し、再び犯罪を繰り返す。そうした人間を人知れず始末するため立ち上げられた極秘国家プロジェクト。遺伝子操作によって生まれた人外生物。人間と狼の遺伝子を持ち、時に獣化して法制度では罰しきれない人間を密かに抹殺する。彼らは猟獣と呼ばれている。
ある日高校生の尚季の前に現れた“飛月”という青年。野性味あふれる美しい外見とは裏腹に子犬のような人懐っこさで、一方的につきまとってくる。
困惑する尚季をよそに家に居座ってしまった飛月を訝しく思いながらも、いつしか一心に自分の愛情を乞う姿にほだされ、戸惑いを愛情に変えていく。
飛月にとって尚季は猟獣施設から脱走した折、交通事故に遭い死にかけていたところを助けてくれた命の恩人。みつかって連れ戻されるまで、一緒に過ごした時間は短かったけれど、尚季はありったけの愛情を注いでくれた。それ以来飛月にとって尚季は生きる理由になっていた。再び尚季と会うために、無理を重ねてきた飛月。トップの猟獣だけに許される“自由”を手に入れるために。
人から獣へ、獣から人へと変身を繰り返すうちにかかった負荷は、いつか脳の機能を破壊していく。猟獣たちを待ち受けているは、いつか完全に獣へ堕ちてしまう運命。
終盤、私自身にとってかなりハードルが高い獣姦シーンが登場するが、ストーリー上必要なプロセスだと納得はできる。
最終的に、猟獣を引退し尚季に引き取られることを許された飛月。これまでの過酷な日常を埋め合わせるような安寧で甘やかな生活。
でもなぜだろう。その甘さに浸りきれない。
この先いつか訪れてしまうかもしれない、飛月が獣に堕ちる日。
その時が来たら、自分がこの手で飛月を殺す。誰にも奪わせないという誓い。
その日はいつやって来るのか誰にもわからない。
それはなんて危うい。
まるで薄氷の上に立つみたいな幸せなのだから。