あらすじ
「次は女の子を産むわ」。そう宣言して産み分けに躍起になる妻。そんな妻の決断にうっすらとした違和感を抱く夫。互いに心揺れる日々を経て、その果てに夫婦が得たものとは――(表題作)。男女の日常に生じたさざ波から見える、人間の愛おしさやつよさ。「心にしみる人間賛歌!」と王様のブランチでも絶賛された傑作短編集。
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Posted by ブクログ
2016.4.19に既読だったが再読。
「憧れの女の子」子どもが増えるごとに結びつきが強くなる夫婦、理想だな。5人目の性別が書かれていないところが気になるが、きっと…
「ある男女をとりまく風景」、なんとなくの違和感がやっぱり。完全にやられた。自分がいかにバイアスをかけて見ているのかを教えられた。
この作品もとても面白い。あと、心の中の嫌なところを出すのがとても上手い。
Posted by ブクログ
女の子がほしい敦子と、男児2人で満足している俊彦。男女として愛し合っていた2人のかたちがどんどん変わっていく作品。女の子を産むための感情のないセックスが生々しい。
Posted by ブクログ
「ある男女をとりまく風景」は種明かしまで勘違いしたまま読んでたからびっくりしたし、無意識でフィルターかけてたんだなということに気がついた。
Posted by ブクログ
表題作は、どうしても女の子の母になりたがっていた妻を見下していた夫が、物語の後半にいくに従い女の子の父になれない寂しさに気持ちが変わっていくのが意外性があり怖くてリアル。
出産前の検査も生み分けも個人の自由だと思うが営みそのものや、命の芽生から神々しさが失われるのは確かかも。
他の短編もどれも身近に感じられる物語で、ラストが爽やかな光が想像出来るのがとても良い。
もがいてあがいて、何かが終わって見えてくるものがあるという事を教えてくれる。