【感想・ネタバレ】初恋の神様【特別版】のレビュー

海野幸 / 金ひかる

神様の前では手も繋いでもらえませんか？

実家の神社で働く環は、向かいにできたチャペルの神父・エリオに一目惚れ。しかし戒律を厳しく守る神父に同性愛はご法度で…。

実家の神社で働く環は自身をゲイだと自覚し、これまで誰とも付き合ったこともないまま三十歳になろうとしていた。そんなある日、よく夢にみる男性と背格好がそっくりな神父・エリオに出会う。エリオは向かいにできた結婚式場のチャペルの神父で、環とは商売敵のような存在。だが、聖職者の鑑のような優しさに溢れ、魅力的な笑顔のエリオに環は切ない想いを募らせていく。しかし戒律を厳しく守る神父に同性愛はご法度で――。

紙書籍発売時、フェア用に書き下ろされたSSを完全収録で登場！

[ブクログ · ★★★★☆]

あらすじを読んで、題材が時代的にだいぶ周回遅れかな？と思っていたら故意犯でした。
全編にわたってちょっと世間に疎めのピュアな受視点で話が進むので、この周回遅れ感がなかなかいい仕事をしてくれました。
ただその分、終盤の展開に置いて行かれたといいますか、この作者さんの本をすべて読んでいるわけではないながら、

無理に最後まで致さなくていいよ…！

…と、思ったのは「理系の恋文教室」以来でした。
あちらとはまたちょっと意味合い違いますが。
攻が手が早くて口のうまい悪い男に見えてしまって…。
せめてもうちょっと日数かけてほしかったです。