【感想・ネタバレ】ユーコン川を筏で下るのレビュー

あらすじ

75歳、イカダの大冒険!

《ぼくのカヌー人生の中で、ユーコン川は、すべてを放りだして娑婆と縁を切り、漂流し、自由を謳歌する最大最良の場所である》。
1980年代に日清チキンラーメンのCMでカヌーブームを巻き起こした著者が川を旅することになった原点は、1975年『ナショナル・ジオグラフィック』誌に載ったユーコン川イカダ下りの記事だった。ユーコン川は、カナダ北西部からアメリカ・アラスカ州をへてベーリング海へ注ぐ総延長3700キロの大河。75歳を迎えた著者は、2013年8月、仲間とともにイカダを自作し、中流域700キロの川下りに挑戦する。
イカダ上でゴールドラッシュ時代の作家ジャック・ロンドンの伝記を読み、焚き火のまわりでは世界各地の旅人たちと語り合う。初カヌーでユーコンを下る日本人美女。20代の姪に語る昔日の逸話。先住民と仲良くなる方法。ユーコン離婚。シングル・マザーの処世術。若い娘の口説き方。8月のオーロラ…。 2000年前から変わらぬ風景と、120年前のゴールドラッシュの記憶。不思議な歴史感覚の中を散歩しながら、さまざまな人生をユーモラスに語る、野田紀行文学の代表作にして、若き日本人への励ましの書。

※【ご注意】この作品は一部カラーです。
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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者が手づくりの筏で夏のユーコン川数百kmを下る実録。メンバーは合計8人だが野田さんと愛犬2匹以外は既製品のカヌーに乗っている。

そもそも野田さんの生き方に憧れて自分もカヌーをはじめたので、つまらない内容のはずはない。特にメンバーがキャンプ地以外はそれぞれが目が届かないくらい離れて自由に釣りなどを楽しみながら下っているところがいい。自分も仲間とつかず離れずでアウトドアを楽しむのが理想だ(実際にアウトドアに出かけるとリーダー的存在に「おんぶにだっこ」という集団が多いように思える)。それをユーコン川という途方もない大地でやりつくしている様子にワクワクした。

ほかの内容としては、途中で出会った外国人カヌーイストとの触れ合いが多い。そこばかりではなく、釣った魚の手ごたえや料理方法、川の流れの気持ちよさや激しさ、大地の感触など現地の風やにおいをもっと感じることができれば満点だった。

また、「おわりに」の「あることをきっかけに自由に生きることを決めた」といった記述が心に響いた。自分も転職を繰り返したのちにその決断をし、今でも試行錯誤を続けているので共感したのだと思う。ちなみにサラリーマンを続けるのも自由に生きるのも同じくらい難しい。1年に1回は就職活動をしたくなる。でも自由になって胃が痛くなることはほとんどなくなったので、やはりこのままで行こうと思ってしまう。

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2017年01月25日

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