【感想・ネタバレ】久米正雄伝 微苦笑の人のレビュー

あらすじ

文壇の紳士録に必ず載るような存在でありながら、今日ほとんどかえりみられることがなくなった作家、久米正雄。なぜそうなったのか。その人生と作品分析をとおし、明治大正昭和の、日本における純文学と大衆文学、私小説と通俗小説の成立と相克を描く。

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Posted by ブクログ

著者は「洋行は時に空疎であり、苦痛でもある。…(中略)久米は漱石のように孤独と苦痛に苦しむこともなく、…(中略)碌に報告すべきこともないままに帰国したのであってみれば、これは日本近代文学史上、最も空疎な文学者の洋行として特筆されるべきものかもしれない。」とか「しかしスティーブンソンの書簡集は、英国で出ているのである。二度も英国へ渡った久米が、その程度のことも分からなくなっているのである。芥川賞史上、最も間の抜けた選評であると言っても過言ではない。」などと扱下ろしているのだ。風変わりな評伝であった。

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2011年10月04日

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