あらすじ
「僕にはこの闇が見える。いまからは僕が君の目になる」――この世ならぬものが見える目を持つ小学六年生の山内くんと、呪禁師の少女・紺。神かくし事件の真相に迫る紺の身に迫る危機。そのとき山内くんは――?
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Posted by ブクログ
山内くんの呪禁の夏。後半。
読後の感想は、怖い、そして切ないだった。
山内くんの血統と受難体質に纏わる謎、アオオニとの対決が終わったかと思いきや…。
おぞましいとしか言いようもない闇宮を逃げ惑う少年と少女。
爽やかな夏のボーイ・ミーツ・ガールの物語が、一気に恐怖の舞台へと変わる。
その時、気弱な山内くんを支えるのは傍の少女を守るという意志と、恐怖の中であがきながらも生き延びてきたという慣れだった。
夏が終わりとともにこの物語も終わりを迎えたけれど、ひまわりのような笑顔を見せる紺と、怖がりながらも倒れない山内くんが、あふれるような緑の中で遊ぶ声がまだ耳の中に残っているようだ。
ぜひ、前巻から通してもう一度読み直したい。