【感想・ネタバレ】巨大アートビジネスの裏側 誰がムンクの「叫び」を96億円で落札したのかのレビュー

あらすじ

2012年、ムンクの「叫び」が当時の史上最高落札価格を更新する1億700万ドルで落札された。オークション会社サザビーズの手数料を加えると1億2000万ドル。当時の為替レート、1ドル80円で換算すると96億円!

オークション会場で展開された息詰まる一騎打ち。ただよう緊張感。そして高値を引き出すオークショニアのテクニック・・・。
マドンナ、ディカプリオ、エリック・クラプトン、ビル・ゲイツといったセレブや、ビジネス界の大物、億万長者ならぬ「兆円長者」たちが、しのぎを削る華やかなオークションの舞台裏へ、アートビジネス裏の裏まで知りぬいたサザビーズジャパン前社長で、世界的な富裕層と交流のある著者がご招待。

戦乱やインフレにも強いアートは資産としても位置づけられており、富裕層の「資産の20%はアート」とも言われている。そのためアート市場は巨大化、グローバル化しつづけている。欧米だけではなく、中国、ロシア、中近東など新興国が台頭する一方、日本は大きな遅れをとっている。

日本にいては目の届かない世界のアート産業の今が分かる!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

世界全体で7兆円とも言われる巨大なアート市場では、サザビーズやクリスティーズに代表されるオークションが大きな役割を果たしている。有名な絵画やあるいは一見意味不明な現代アート作品が高額で落札されるとニュースにも取り上げられるので、オークションについてのイメージは誰でも何かしら持っているだろう。でも、そんな華やかさはオークションのほんのひとつの要素でしかない。オークションに至るまでにはさまざまなドラマがある。

本書では、サザビーズジャパンの前社長が、オークションの舞台裏やアート産業について紹介している。本書に書かれたエピソードはどれも面白くて、どんどん先を読みたくなる。アート産業にかんする読み物はたくさんあるけれど、まずは本書を読んでみると良いだろう。

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2017年07月16日

Posted by ブクログ

サザビーズやクリスティーズなどの「オークション」についてから始まり、資産としてのアートについてまでまさに「アートの裏側」を垣間見ることのできる一冊。

自分もここまでのアートコレクションをすることはできないけど、自分の手の届く範囲で「自分の直感」を信じたコレクションをすることが一番良いのだということは改めて実感できたかな。

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2018年04月04日

Posted by ブクログ

・オークションは3Dビジネス
death(死去),divorce(離婚),debt(負債)のタイミングで遺産や資産が処分されるから

・オークションの付加価値は
①匿名性
 出品者は身元を隠したい(持っていることがばれると自分たちが資産家であることがばれるから)
②信頼性
 本物かどうか、ナチスの盗品じゃないかを徹底的にオークション会社がリサーチする
この2つがC2Cのオークション(ヤフオクやメルカリなど)と違うところ


・評価される作家の条件:その作家抜きには後世の美術を語れないか

・爵位のないアメリカでは美術館館長が最高の名誉
→そのために、最初に10億ドルの小切手を用意し、在任中に最低100億円くらいを寄付する

・日本は文化の中間層がない。独創性よりも効率重視になる(だからせっかく一流の建築家がたてた建物にも、張り紙などをばんばんする)
→中間層を増やすにはアートに接する機会を増やすしかない。
ex. MITでは、大学所蔵の3000ドル以下の作品を1年間学生に無償貸し出ししている

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2016年10月24日

Posted by ブクログ

アート市場やオークションに至る流れを紹介してくれる。アート市場は物好きの道楽ではなく、立派な産業であり、ビジネスとなっていることを知らされる。

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2018年10月22日

Posted by ブクログ

オークショニアの仕事はいろんな仕事の混ぜ物のような感じだということ。

売り手としての美術品コレクターに対しては長い年月をかけて関係性を築いて売り物を入手する。相続などのタイミングで売り物が出る ⇒不動産の営業マン

VIPの買い手は入口で顔パスができるようにマネージャークラスが会場の入り口に交代で立つ ⇒高級車ディーラーの販売店と同じやり方

美術品のオーソライズを行う。 ⇒美術員としての知識

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2017年05月26日

Posted by ブクログ

石坂泰三のお孫さんである元サザビーズ日本支店長の美術本。
こんな貧富の差を前提とした世界は滅ぶが良い。、

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2016年11月18日

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