【感想・ネタバレ】マキアヴェッリ語録のレビュー

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ネタバレ

現実の厳しさ

一部ご紹介します。
・人間にとって、いかに生きるべきかということと、実際はどう生きているかということは、大変にかけ離れているのである。
だからこそ人間いかに生きるべきか、ばかりを論じて現実の人間の生きざまを直視しようとしない者は、現に所有するものを保持するどころか、全てを失い破滅に向かうしかなくなるのだ。
なぜなら、なにごとにつけて善を行おうとしか考えない者は、悪しき者の間にあって破滅せざるを得ない場合が多いからである。
・天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。
・人間というものは、自分を守ってくれない、誤りを正す力も無いものに忠誠であることはできない。
・武力がなければ法を守らせることはできない。
・武力のある者が、武力を持たない者に服従することはありえない。
・結果さえよければ、手段は常に正当化されるのである。
・事が祖国の存亡を賭けている場合、その手段が、正しいとか正しくないとか、寛容であるとか残酷であるとか、賞讃されるものか恥ずべきものかなどについて、いっさい考慮する必要はない。なににもまして優先さるべき目的は、祖国の安全と自由の維持だからである。 
・次の二つのことは、絶対に軽視してはならない。
 第一は、忍耐と寛容をもってすれば、人間の敵意といえども溶解できるなどと、思ってはならない。
 第二は、報酬や援助を与えれば、敵対関係すらも好転させうると、思ってはいけない。  
・中ぐらいの勝利で満足する者は、常に勝利者であり続けるであろう。  
 反対に、圧勝することしか考えない者は、しばしば、陥し穴にはまってしまうことになる。 
・やった後で後悔するほうが、やらないことで後悔するよりもずっとましだ。
・私は慎重であるよりは果敢である方がよいと断言する。なぜなら運命の神は女神なのだから。運命は女性に似て若者の友である。若者は思慮に富んでいないがために後々のことなど考えず、より大胆に、より激しく行動し運命の神に対して主導権を得ようとするからである。

#タメになる

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

君主論を初めとしたマキァヴェリの著作から,君主篇,国家篇,人間篇の3つに分けて名言・名文章をまとめたもの。
特に君主篇・人間篇は刺激的。
ただ,その性質上,体系だった本ではない。

「君主にとっては,愛されるのと怖れられるのとどちらが望ましいであろうか。……ほとんどの場合一方を選ぶしかないとなるのだが,わたしは,愛されるよりも怖れられるほうが,君主にとって安全な選択であると言いたい。なぜなら,人間には,怖れている者よりも愛している者のほうを,容赦なく傷つけるという性向があるからだ。」(87頁「君主論」)

「中傷がはばをきかすのは,告発という形式があまり用いられない場合か,それともその共同体内に,告発を受け入れる体制づくりがなされていない場合か,である。」(153頁,「政略論」)
日本は後者か?特にネット中傷。しかし最近は裁判も増えてきた。

「もしも近隣の諸国が,友好関係を保ちたいがために貢納してくるようならば,その国は強国といえよう。反対に,弱体なはずの近隣諸国であるのに,それらの国々に対し金銭をもって援助する関係である場合,その国家の国力は弱いと思うしかない。……つまり,友好関係を売りつけるのではなく,友好関係を買おうとしたにちがいないのだ。」(177頁「政略論」)
日本から見た日米関係は,やはり後者か。

「なにかを為したいと思う者は,まずなによりも先に,準備に専念することが必要だ。」(206頁「戦略論」)
あちこちで同じことが言われている。引用参照。

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2014年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マキアヴェッリの君主論から、塩野さんがその思想・視点を現している部分を抜粋した蔵言集。個人の価値体系から発言するのではなく、実直なまでの第3者的視点で現実のみを見続けたマキアヴェッリの思想がよく分かります。今の生活・社会にも流用できる言葉・考え方に感銘を受けました。

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2014年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

確かに、マキアヴェッリは、批判されそうなことも言っているとは思う。 けれど、組織を保つためには、厳しいこともしないといけない。組織が死んだらみんな死ぬしね。

でも、この人の言葉って、どの範囲の人達がやることなのかな。 最近、その範囲が狭まっているような。

多分、インターネットで始まったグローバル化が関係している気がするけど、良く分からない^^

まあ、今度考えよう。

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2013年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

塩野さんが本書を書いた目的は「マキアヴェッリの思想を、彼が対象にした人々に近い条件で、現代の日本人に提供したかった」とのこと。
この目的は十分果たせている。16世紀に生きたマキアヴェッリの思想を注釈なしで、生々しく感じ取ることができた。
「自らの安全を自らの力によって守る意志を持たない場合、いかなる国家といえども、独立と平和を期待することはできない(p82)」
「結果さえよければ、手段は常に正当化される(p103)」
「頼れるのは自力のみということに目覚め、運命が自由勝手にふるまうのを牽制する必要がある(p203)」
きれい事ですまない君主(場合によってはリーダー)の行動様式を説くマキアヴェッリの言葉は、現代の政治家はもとより、組織人にも響く。

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2013年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

●君主篇
 ・君主は、人間的なものと野獣的なものを使い分ける能力を持っていなければならない
 ・悪しき行為は一気にやってしまう。恩恵は長く味わわせるために小出しに施す
 ・愛される君主像は捨てざるを得ないが、恨みや憎悪だけは避けねばならない
 ・君主にとっての最大の悪徳は、憎しみを買うことと軽蔑されること
 ・人の恨みは悪行からだけでなく、善行からも生まれる
 ・あなたに意見を率直に述べてもよいことにすると、あなたへの敬意を減じてしまう
 ・常に部下たちに君主は必要だと思わせること。そうすれば忠誠でありつづける
 ・偉大なことを成したいと思うならば、権謀術数を習得する必要がある
 ・必要に迫られてやむを得ずやったことでも、自ら進んで選択した結果のように思わせる
 ・話す能力に長じた者が、良い指揮官になれる

●国家篇
 ・敬愛と恐怖、いずれも人を動かすが、恐怖のほうに服従しやすい
 ・過度の敬愛は軽蔑を生み、過度の恐怖は憎悪を生む

●人間篇
 ・謙譲の美徳は相手の尊大さに勝てると信ずる者は、誤りを犯す
 ・人間は、ひとつの野心が達成されても、すぐ次の野心の達成を願う
 ・人間は、必要に迫られなければ善を行わない
 ・賢明で思慮に富む人物は、他者を脅迫したり侮辱したりしない
 ・人物を評価する最も簡単で確実な方法は、どのような人びととつきあっているかを見ること
 ・人間は、権力を持てば持つほどそれを下手にしか使えない
 ・中ぐらいの勝利で満足する者は、常に勝者であり続ける
 ・やったあとで後悔するほうが、やらないことで後悔するよりもずっとましだ(『デカメロン』)
 ・良い面を残そうとすれば、どうしても悪い面も同時に残さざるを得ない

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2012年03月31日

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