あらすじ
2007年、京都大学の山中伸弥教授が、ヒトの細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作りだすことに成功した。安全性や倫理上の多くの問題を回避できるiPS細胞は、医療・製薬の研究にめざましい進歩をもたらした。14年には、iPS細胞をヒトに移植する手術が行われ、また、既存の薬が別の疾患にも効くことが判明するなど、臨床研究でも大きな成果を出している。iPS細胞が変える医療の未来に迫る。
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Posted by ブクログ
iPS細胞の生みの親である山中伸弥教授に影響を与えた黒木登志夫教授によるiPS細胞の解説本。
内容は、iPS細胞の開発の歴史を関連するES細胞や核の初期化などの分野ごとに紹介してある他、iPS細胞を使った臨床研究や基礎研究を国内外の様々な事例を通じて紹介しています。
本書の中身は、少し込み入っているため他の山中教授が書いた本でiPS細胞の概要を掴んだ後読むと理解がしやすいかと思います。
【こんな人におすすめ】
iPS細胞の研究に興味がある人
Posted by ブクログ
今更ながら話題のiPS細胞について概要でも理解できればと本書を手に取った。全くの門外漢である私でもある程度理解できるように書かれており、面白いエピソードなども織り交ぜていて読みやすい。(とはいえ難しいところも多々ありましたが)
研究不正等にも触れられており、小保方氏を擁護する方には是非読んでほしい。将来の再生医療への期待も高まる。本書を読むことにより、今後は幹細胞関係の報道を興味深く見ることができると思う。
Posted by ブクログ
iPS細胞が見出された背景について非常に基本的なところから丁寧に解説してくれる上、臨床の場での適用例やその研究・実用段階の記述が極めて豊富。聞き慣れない病変名に有名人のエピソードを絡めたり、Wikipediaなどよりずっとシンプルでキャッチーな図表を用いるなど、専門的な分野への読者の親しみやすさを高める配慮を随所に感じる。
幹細胞に様々な種類がある上互いに相補的な関係にあるものも多く、iPS細胞と他の細胞を切り離して扱うことに全く意味がないことが分かったことが本書を読んでの最大の収穫。iPS細胞を取り巻く「今まで」と「これから」が280頁足らずで一望できる手軽さも良。ただ研究者名や専門用語が頻出し、他所での言及箇所を探す手間が煩わしい。索引が無いのが惜しい。
Posted by ブクログ
いわゆるその分野の大御所が書いた初心者向けの本。突っ走っている人でないだけに抑制と目配りがあるので読みやすい。最後の1章が必要なのが本当にかわいそう。
Posted by ブクログ
iPS細胞について、その誕生の背景となった核移植、ES細胞、組織幹細胞の研究から、その応用的な研究まで、わかりやすく解説。
ただ、ど文系の自分には、iPS細胞等の生物学的な解説部分は、正直十分には理解できなかった。一方、iPS細胞誕生をはじめとする研究史的な部分は、非常に面白く、サイエンスへの興味をかきたてられるものだった。。