【感想・ネタバレ】ヴァイオリン職人の探求と推理のレビュー

あらすじ

ジャンニはイタリア・クレモナの名ヴァイオリン職人。ある夜、同業者で親友のトマソが殺害されてしまう。彼は前の週に、イギリスへ“メシアの姉妹”と言われるヴァイオリンを探しにいっていた。それは一千万ドルを超える価値があるとされる、幻のストラディヴァリだった。ジャンニは友人で刑事のグァスタフェステに協力し事件を探り始めるが、新たな殺人が……。虚々実々のヴァイオリン業界の内幕、贋作秘話、緊迫のオークション、知られざる音楽史のエピソード。知識と鋭い洞察力を兼ね備えた名職人が、楽器にまつわる謎を見事に解き明かす!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初ポール・アダム作品。

ヴァイオリン職人が、殺人事件と幻のヴァイオリンを探すミステリ。随所に語られるヴァイオリンに関する伝説・逸話が時代を超えたロマンを感じる。と同時に、ヴァイオリンの職人、ディーラー、コレクターとその価値(鑑定や贋作など)について、不可解な(何とも言えない魑魅魍魎の)世界観を垣間見せる。
最後、主人公の語る「自分の良心を開放するためです」の真意(良心)には、己の贋作に対する後悔だけに向けられているのでしょうか?親方の贋作の売却や発見した幻のヴァイオリンを猫糞して姪にあげてしまうことは含まれないのでしょうか?あるいは、これは、次回作の伏線?すこし、違和感が残る結末でした。ただ、ヴァイオリンを貸し出す活動には心を打たれた。
私自身は、ヴァイオリンのことは不案内であるけど、「無限に広がっていくヴァイオリン演奏で、そこではテクニックは指ではなく、演奏家の心にあり、それこそがただ音符を弾く者と音楽を奏でる者の違いだった。」の一言にあるように、芸術品のような楽器は芸術家(演奏家)の手にされる(ガラスケースの中に飾られるだけより)ほうが、よいことだとは思うが…。
魑魅魍魎に加担した気がしました。

気になったフレーズは以下:
★どんな職業にもそれぞれの神話、伝承、過去からの物語があり、それがその職業の神秘さを簡潔に伝え、大部分は退屈で単調な仕事にロマンチックなオーラを投げかけているののである
★我々は皆、どこかに自分のしるしを刻み、自分の通った跡を残したいと思う。しかし、どうやってそのしるしをつければいいか?
★本物だと信じられる偽物を持っている方が、その逆よりずっとよかっただろうよ
★きみはあの曲を伝えていた。それが上手なヴァイオリニストと芸術家の違いなんだ
★博物館にて:「釣りだろ、たぶん」…「インスピレーション。…。だから何かが――何でもいいから――ひらめいて、その手がかりをくれないかと博物館へ来てみた」

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2021年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んで良かった。推理の描写はそんなに楽しくなかったのだけど。中盤にあった友人の姪御さんの演奏描画で落涙。読んで良かった。

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2015年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めちゃくちゃ長く感じた。
イタリア人が主人公の小説をはじめて読んだ気がするので、名前などの固有名詞に苦戦しつつ、ヴェネチア人への偏見や各都市への印象など新鮮な気持ちで読めて楽しかった。
ヴェネチアは新しい街だと主人公が言っているシーンがあったけど、それでも街ができたのは四世紀頃?と書いてあり、十分古くて驚いた。ローマを擁する国の人はこの辺の感覚もぜんぜん違ってくるんだろうか?
でも途中で著者がイギリス人と知って驚いた。イギリス人が書いたイタリア人を主人公にした作品を日本人のわたしが読む、という構造に面白さを感じた。
この作品はイタリア人が読んでも違和感がないのか気になる。
というか、老齢の男性が主人公の作品もあまり読まないので、時々出てくる頑固な古い考え方も面白かった(孫たちを縛らずにのびのびと遊ばせたり、アンチマックだったり)。

普段読んでいるミステリが、トリック重視のものなので、それと比べると物語は単調に感じた。イタリアの各都市やイギリスにまで足を伸ばすことにるなるけれど、それぞれのシーン自体の盛り上がりはそんなになく、タイトルの通り探求と推理だなあと感じた。
事件の鍵になっているヴァイオリンの行方を追うことは、時代をさかのぼる壮大な旅にもなってくるのだけど、時代や登場人物が多すぎてよくわからないまま読み終えた…

主人公のジャンニは、わたしと年代は違えど、仕事に誇りを持って取り組んでいるし、尊敬もできるし親しみも湧いた。

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2025年01月30日

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