あらすじ
18年の歳月をかけ、癌特効薬の開発に成功した医師の鈴木。人体での治験を切望するが、大学病院は時期尚早と認めない。そんな時、鈴木は癌で余命半年の少女と出会い治験への協力を頼むが、彼女はある事件の容疑者だった。法を犯してまでも新薬開発に挑む医師と警察に追われる患者。新薬「パンドラ」を巡る人間の業を描いた衝撃の医療ミステリー。
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Posted by ブクログ
人類悲願の癌特効薬『パンドラ』。
その新薬を巡って、様々な人間の欲がうごめくストーリー。
これまで存在しなかった何かを生み出す時
必ず何かしらの痛みを伴うもので
癌患者にとって、待ち望んだ特効薬にもかかわらず
その薬が例えば手術をする外科医にとっては
また、医療制度にとって、必ずしも100%喜べることではないということ。
光があれば、必ず影が存在し
影になりたくないモノが抵抗すれば
必然的に戦いが発生してしまう。
実際、影の強い力によって
表舞台に出ることなく葬られてしまった
たくさんの発明があったのではないだろうか・・・
そう考えずにはいられません。
『パンドラの箱』
決して開けてはならない禁断の箱を
パンドラという一人の少女が開けてしまったため
この世にはありとあらゆる災難・苦悩が飛び出してしまった。
パンドラは、箱を開けてしまったことを悔いて
慌ててその箱を閉めたという。
しかし、一つを覗いては全ての災いは飛び去った後だった。
最後に箱の中に残った一つは
希望だったという説もあれば、絶望だったという説もあるという。
私は・・・
希望だったと思いたい。
これまで読んでいたミステリーとは
また違った雰囲気の作品で
ドラマのノベライズだからなのか
長編ミステリー小説としては、少々物足りなさを感じてしまいました。
ノベライズの相田冬二さんに今後注目してみたいです。