【感想・ネタバレ】ちみどろ砂絵 くらやみ砂絵~なめくじ長屋捕物さわぎ(一)~のレビュー

あらすじ

江戸は神田の橋本町、貧乏長屋に住まう砂絵かきのセンセーを始めとしたおかしな面々が、わずかな礼金めあてに、奇妙奇天烈な謎を解く異色の捕物帳シリーズ! 四季折々の江戸の風物を織り込み、大胆かつ巧緻な構成で展開する探偵噺は、時代小説のみならず本格ミステリーファンをも夢中にした傑作揃い。その名作が装いも新たに、ボリューム満点の二冊合本で刊行。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

非人という非常に低い立場だが、センセーを中心に
協力し合って犯人を追いつめ、金をせしめる。
まず、キャラクターがとても魅力的。なめくじ長屋の面々がそれぞれの持ち味を活かし、息の合ったコンビネーションを見せるシーンは心が躍る。
そしてトリック、ロジックも超一級品。
魅力的な謎はもちろん、who,how,why,どれも存分に楽しめる傑作群になっている。

高評価の作品。
『よろいの渡し』
服をすり替え、描いた痣も消す。一石二鳥のトリック。

『ろくろっ首』
「首を切ることで、正気の男が狂人に殺されたように見せかける」という首切りのホワイが見事。

『春暁八幡鐘』
「風呂桶を盗んでくれ」という奇妙奇天烈な依頼。
長屋のメンバーの盗みの手際もさることながら、風呂桶を盗ませた理由に納得。

『いのしし屋敷』
蓋が割れた鏡と、畳についた矩形の跡。
これだけから論理的推理によって、犯人を特定するさまは圧巻。ロジック好きということもあり、かなり好きな作品。

『天狗起こし』
偽の解決を挟んだ後の、真の解決。
時代を活かした驚愕のホワイ。

『南蛮大魔術』
まず、序盤に登場するホームズさながらの推理がとても鮮やか。
そして最終的には月の(なわけないが)御殿に連れていかれ、何だったんだ...と思わされてからの、予想だにしない真相。トリッキーな構成も面白い、異色の作品。

『春狂言役者づくし』
とにかくミスディレククションが巧い。
完全に盲点。

『地口行燈』
犯人によって完成するダイイングメッセージ。
無筆の人間が書いた"文字"を消すことによって犯人も無筆であることが分かり、そして消された後には犯人の痣を示す赤い汚れが現れる。
トリックでは本書一。

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2021年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『よろいの渡し』
強盗殺人事件の容疑者・長七が渡し舟の上から消えた。長七を追跡する岡っ引き3人が乗る舟の上で突然服を脱ぎ川を泳いだ女。騒ぎがおさまると消えていた長七。

『』

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2015年10月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2冊分を1冊にして刊行するんだからすごいものだ。それが6冊もあるんだから。なめくじ長屋という大道芸というか、非人扱いされている人達が砂絵描きの“センセー”を中心に謎を解いていくもの。連作短編集。時代物をあまり読みつけないので分かりにくとこもあるけど、当時の文化とかにも触れてあって面白い。しかし輪姦されたり、つくづく女は下に見られてたなと思う。マメゾーが泣いてた非人の姉妹が惨殺されたやつなんか本当ひどい。退職刑事といい、この作者は長い短編連作が多いんだなぁ。

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2013年11月10日

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