あらすじ 疑うことを知らぬ天真爛漫な若い新妻との貧乏暮しを爽やかな筆に綴った名作「暢気眼鏡」。祖父母と父の最期を語る「父祖の地」。胃潰瘍による大出血から辛うじて生還するまでの顛末「こおろぎ」。ほかに「猫」「芳兵衛」「擬態」「玄関風呂」「痩せた雄鶏」「華燭の日」「退職の願い」。生の苦渋と辛酸を、著者の虚飾ない善意と誠実さに巧まずしてにじみ出すユーモアに包んで描いた、ふくよかな心境小説の佳品全10編を収めた。 ...続きを読む \ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります レビューを書く 感情タグBEST3 #癒やされる #深い #共感する すべてのレビュー ネタバレのみ 評価の高い順 新しい順 並び替え 評価の高い順 新しい順 次へ 〉〈 前へ1~1件目 / 1件 Posted by ブクログ ひどい生活の中で芳枝が割に暢気でいることは,現在助かると思いながら私としては一方絶えず追い立てられる気持ちだった。この暢気さが何時まで続くか,ゴム糸が延び切ったらそれでおしまいだ。そうならぬうちにと,平気な顔の奥で焦り続けている私のそばで,暢気な芳枝は暢気なお饒舌りばかりする。殊に好んで幼時の話を...続きを読むする。今の惨めさに追われて意識せぬながら憶いが暢気だった昔に返るのかとも思われ,私は気が沈むのだった。云うことは全でたわいなく,多くの場合相槌ばかりで私は何も聞いてはいないのだが……。 (「暢気眼鏡」本文p40) 0 2009年10月04日 次へ 〉〈 前へ1~1件目 / 1件 暢気眼鏡の作品詳細に戻る 「小説」ランキング 「小説」ランキングの一覧へ