【感想・ネタバレ】きょうの日はさようならのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読み始めて鳥肌が立つ。
そうだった、高校生の頃はこんな生活だった。
あまりにリアル過ぎて怖くなる。
どうして覚えていられるんだろう。

物語は、思いもしない展開であっけなく終わりを見る感じ。
だけれども、あの頃の空気を感じたくなって、ついページを開いてしまう。

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2023年07月28日

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ネタバレ

 17歳の夏休み、双子の明日子と日々人は、父から唐突にいとこ・今日子の存在を知らされ、居候として明日から一緒に暮らすことを告げられる。おさげ頭にセーラー服姿の今日子、実は彼女は火事で生き残り低温保存の“冬眠”から目覚めたばかりの30年前の女子高生だったーー。スマホ世代とポケベル世代。言葉や文化に戸惑いながらも明るく前向きに生きようとする普通の女子高生・今日子を、二人は少しずつと好きになっていく。しかし今日子の過去には、本人すらも知らないある悲しい秘密があった…。時代を超えた若者たちが心で通じ合う、不思議で切ないひと夏の奇跡の物語。
 
 気がついたら、作中の人物たちと一緒に笑って、心配して、泣いていた。登場人物たち全員が愛おしい。こんな気持ちにさせてくれる作品は久しくなかったなぁ。
 朝起きたら、自分以外は30歳としをとっていて、自分だけ取り残されていたらどう思うだろう。孤独、喪失、絶望…今日子の置かれた状況をリアルに考えてみると、明日子や日々人の存在にどれだけ今日子が救われたかを感じることができる。
 反対に、明日子と日々人の二人が今日子との出会いによって成長し変わっていく様子も鮮やかに描かれている。不仲だった父親と和解していく場面では、スーパーファミコンが憎い役割を果たす。便利になりすぎた現代社会を客観的に見つめる今日子の言葉は、スマホ世代の二人に心に変化をもたらす。
 若者が成長する姿って、どうしてこんなに美しく輝いているのだろう。未熟さを隠すように膨張した自意識の殻が、一枚一枚剥がされ成熟へと向かっていく。一穂ミチさんはその過程を、なんとも鮮やかに切ない色のスポットライトを当てながら描き出す。

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2021年08月31日

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ネタバレ

その先の話が気になるけど、続編出たらガッカリするから、この終わりは好き。
下校の歌本当にある歌なのかな。知りたいけどすぐ調べて出てきたらこの話に反するよな。
おばあちゃんとは言わず、おばちゃんになるまでに会えたら良いね。

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2023年11月02日

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1995年に女子高生だった今日子が30年の冷凍睡眠から覚めて、明日子・日々人の双子と父の家族に加わる夏休みの話。
今日子のキャラが軽快で良い。
今日子の過去を巡るミステリーの要素、どんでん返しもあり、一気に読みきった。
95年から見た近未来のジェネレーションギャップも面白い。
軽く読めて、ほろっと泣ける。

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2023年01月02日

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ネタバレ

2025年夏、1995年を生きていた従妹が眠りから目覚めて我が家にやってきた

JKの明日子は一瞬戸惑うものの、母は亡く、父は不在がちの家で普段は会話のない双子の弟・日々人と共に30年前のJK・今日子とそれなりに楽しく過ごしていたが…。

ある日過去や未来から見知らぬ人がやってくる、テーマとしては書かれがちなものの、30年前と同じこと、違うこと、どっちがいいの?と自問自答したり、昔の彼氏になりかけの人を見つけたり、と2人の女子高生+男子高生の冒険あり、ミステリあり、一穂さんの筆力が冴えてる作品。

最後がもうやっぱりすごい、ガツンと来ました。切ないなぁ。

発行が2016年。少し前に描かれた2025年、というのも楽しめました。

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2022年07月20日

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ネタバレ

やべえ切ない。でも良かった。
最初は若者ノリのわざとらしさとか90年代ageとかダルって思ったけど、最後の方はマジで今日子を好きになってしまった。
もう少し丁寧に進めてほしいと思うところがなくはなかったが、まあ夏休みのお話なのでね、儚いのもよしということで。
今日子……あまりにも悲しい。ずっと普通に振る舞ってたけど元は普通の高校生なんだし、傷ついて当たり前だよね。沖津くんに気づいてもらえない(と本人は思ってたけど)ところが切なかった。
いざ本人を目の前にしたら彼女が昔の堂上今日子ちゃんに戻っちゃったみたいで、でも時代の隔絶は確かにあって、好きな人は年をとっててもう結婚してて……
自分だけは変わらないまま。周りだけが変わっていく。
こんなのつらすぎるだろ。
おまけに病気って。
今日子の家族も悲しいな。元々は普通に仲良かったはずなのに。
自分の家族がいきなり死んじゃったらどうする?
私は怖くなった。
それでもなお気丈に振る舞うのも健気だった。
日々人の告白を断る(というか告白させてもらえない)のもかなり良かったな。彼女の……あけすけに見えて優しい思いやりのある性格を感じる。そういうところが沖津くんも好きだったんだろうな。
あ〜〜でも最後の……思考が分かるところ本当につらかったよ。
ずっと明るかったけど、怖くないわけないんだよな。冬眠できる肉体でも寒いものは寒いんだよな。
こわいし、ママ助けてって思っちゃうよな。だって普通の女子高生だもん。まだ16?17歳だよ……。
最後のどかんアドバイス泣いた。
全部ひらがななのもなんだか……。
かのじょのあたまからひっしにとけだしてきたさいごのことばみたいでせつないんだ。
でもいい演出だ。

日々人と明日子も可愛い。父親とまた少しずつでいいから仲良くできるといいな。
明日子の人生は切ないんだけど……明日子のおかげであの三人はまた親子をできるようになったんだよな。
三人で明日子のことを待ってるんだろうな。会話の端々に仲良いっていうか、気楽さの名残みたいなのが滲んでたし。

最後の短編マジで良くなかった?
ちゃんと覚えてたんじゃん。堂上今日子のこと。
あんな普通の青春してたのに……堂上今日子……。
沖津くんは普通に、今日子じゃない人と結婚してお父さんやってるけど……たしかに今日子のこと覚えてて……今日子がどこかで元気に生きててくれたらって……思って……。
生きてはいるよ、生きてはいるんだ……。

今度こそ本当に、堂上今日子のことを忘れるだろう。

これはもう沖津くんが高校生のころの沖津くんじゃなくて今の沖津さん(誰かのパパで夫)に戻ったってことなのかな。
彼は未来を生きていくもんな。

さようならを言うごとに、思い出している。

これ本当……。
少しずつ別れを重ねて……とは言ってるけど。
別れ……別れこそが彼女を思い出させるものなんだよな。
これで『きょうの日はさようなら』でしょ?天才か?
誰かに別れを告げるってことは、その人のことを思い出すことなのかな。その人のことを思い浮かべてさようならって、言うたびにその人は頭の中に何度でも現れるんだろうな。
きっといつかの未来、つまり今日子にとっては明日……今日子にとっても、何年後でも何十年後でも明日……に会えるといいな。さようならじゃなくて……また会えたねって言ってほしいな。

この本を読み終えたあとに今日の日はさようならを聞くと、めちゃくちゃな気持ちになる。

けどハッピーエンドを匂わせてくれる物語で良かった。悲しいけどいい話だった。
この小説は人からもらったので、タダでこんなええもん読んでええんか?という気持ちだな。

じゃーん、やったね!

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2022年07月09日

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ネタバレ

30年の冷凍睡眠から目が覚めたら、全く世界は変わっていた。というやつ。未来で治療法が確立されていることを願って自分の生きていたきょうを置いていくか、そのまま死か。
自分だけで判断できたらいいけど、その周りも助けようとする。生きていて欲しいから。もちろん本人も死にたくない。
でも、目覚めた世界は自分の知るきょうじゃない。

辛いです!でも、面白いです!

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2020年09月28日

ネタバレ 購入済み

今日の日はさようなら

とある事情から、コールドスリープで眠りにつき
そのまま2025年へスキップした少女と、
そんな彼女と同居を始める姉と弟、父親、
そして少女自身の物語です。

すっきりとしたソーダ水のような
喉越しの良い文章は、作品の雰囲気や
キャラの年齢とも似合っていて楽しく読みました。
お話は、大きな一山が用意されていて
そこへ向かって収斂していくものでしたが、
家族未満から始まるぎこちない会話や、  
じわじわ親しくなる彼らの空気が心地よく、
もっと長く読みたいと感じました。

この先、もっと分厚い本も読んでみたい、
違ったテーマも楽しみだな、と、
追いかけていきたい作家さんになりました。

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2020年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 今から何年か先の未来の話なのだが、今と世界があまり変わっていなくて、確かにスマホの登場以降それほど劇的な変化はもうないと見込んでのこの設定だったのかもしれない。ネットと携帯が改めて我々の世界を一変させていることを痛感した。30歳年上の同級生みたいな変な感覚で、その時間軸のずれが切なくて感動して涙出た。

 冷凍睡眠の女の子の家が一家心中するのだが、その理由が非常に無難で、どこにも悪意がないのが肩透かしだった。収まりがよすぎて出来すぎだ。

 主人公が双子の兄妹の女の子で、一応三人称で描かれているのだが、半一人称とでも言うほど彼女に寄り添った三人称だった。こんなのありなんだ、と思った。

 女の子がかつて好きだった同級生の男の子が主人公のエピローグ的な章がとても切なかった。過去を過去として心に抱きながらおじさんとして生きている未来みたいな、それに対して女の子は過去からダイレクトに未来にやってきてしまったみたいな、うまく言葉にできないけどそのギャップというか、無常みたいなこと。

 ジャンプの漫画やゲームなどタイトルは明記しないけど、なんとなく想像できるような表現となっていたのだが、それは権利的な配慮なのだろうか。タイトルを書いてもらった方がちゃんと思い描けていいと思うのだが、なじみのない世代はこのようにぼやかした表現の方がいいのだろうか。

 ちょうど夏休みの終わりに読んでよかった。

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2017年09月04日

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ネタバレ

2025年が舞台。出版は2016年なので、少し未来の話、ということになる。ちなみに私が読んだのは2023年。
ネットに接続するのにIDが必要だったり、決済が全て携帯でできたりと、リアルな未来予想図にワクワクする。
そして、1995年からやってきた女子高生・今日子との交流。望まぬ形でのタイムスリップで困惑するかと思いきや、意外とすんなり馴染んでいたのは、若さゆえの柔軟性か。
そんな彼女と生活を共にする双子の高校生たちの、順応性にも驚かされる。
今時の話し言葉や、検索したら何でもすぐに分かる利便性に、「それなに?」「それって必要?」と問いかけてくる今日子の感性に、何かをどこかに置いてきてしまったような寂しさを感じた。
ラストは淡々と流れていく。胸が痛む一方で、あっけらかんな別れに救われる。
願わくば、早く3人が再会できますように。

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2023年08月02日

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現代に対しての皮肉?ディスり?がテーマかなーなんて思いながら、その面白さを感じながら読んでいたが、様子がガラッと変わり、その後、ガラガラっと変わり…ついていけなさそうになったが、どんなにいろいろ進んでも、人の気持ちの奥底は変わらないんだなーと思った。

何年か後、明るい未来が見たい。

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2022年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある事情で、30年間冬眠状態にされていた今日子とのひと夏の生活。ファンタジーなのだからハッピーエンドを期待してしまう。今日子がすごく孤独なのではないか…と切なくなってしまった。不思議と読みやすい物語。

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2022年02月18日

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