あらすじ
電通の現役クリエーティブ・ディレクターが明かす、実践的クリエーティブ思考法。やるべきことを照らし出す「コンセプト」があれば、新商品開発もブランド構築も自由自在。正しいコンセプトを見つけ、イノベーションを実現する方法を解説する。
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Posted by ブクログ
良書 帯に「この本は、まったくもってアナログだ。」と記載されていて、DXの対極にあるのがコンセプト作りとは、まったく安心させられます。アルゴリズムの集合である、人工知能ではまったく歯が立たない分野であり、デジタルに攻め込まれている方々へ強くおすすめいたします。
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「そもそもコンセプトってなんやねん?どうやって作んねん?」という迷える子羊向けの本。
薄い本なので、30分もあれば、読み終わる。
しかし、帯にも書いてあるとおり、これをすぐにできるかというと「そんな簡単にできるわけないやろ、アホか」だ。
できるまでトライ&エラーを繰り返すことが重要。
Posted by ブクログ
コンセプトについて記された素晴らしい一冊。
◾️メモ
・身体的に進むべき方向を実感できることが優れたコンセプトの特徴。
・イノベーションには二つの相互作用が必要。ビジョンと具体策のいったりきたりの客観的論理的なマネジメント軸とターゲットと商品サービス間のいったりきたりの主観的で感覚的なコミュニケーション軸。これを両立させる思考法が身体的思考。
・イノベーションは単なる技術革新でなく、人の気持ちを動かして、行動習慣価値観を変えて初めて成立する。
・ビジョン無くしてコンセプトはできない。単なる金儲けを超えた基本的価値観と目的意識がビジョン。
・一見すると非合理だが、コンセプトからすると一貫した具体策をクリティカルコアという。真似できないのでなく、サーチライトが違うからまねしたくならないもの。
・課題はターゲットはなぜ商品を買わないのだろう?と表面的でなく気持ちとして描かれるようなもの。イノベーションはコミュニケーションの問題でもあるため。
・イノベーションを作る発想プロセス ぐるぐる思考。
感じる、散らかす、発見、磨く。
・ぐるぐるの準備
今の常識ってなんだろうを考えると。新しいサーチライトが欲しいので、まず古いサーチライトを知る。一旦今の常識に意識を向けることが効果的。
・ステップ1 感じるモード
食材を得るようにコンセプトの材料をあつめる。プロジェクトに固有の情報、あらゆる出来事に関する一般的な情報。
こびとの世界。あの人ならああしそうという感覚の集合体をつくる。判断せずになんでもふむふむととりこむ。資料から他人の脳みそを獲得し、自分の身体感覚を組み合わせる。とりあえずふむふむ重要。
・ステップ2 散らかすモード
どうすればターゲットの気持ちを動かせるかを目的に生々しく考え抜く。整理しない。問いをたてまくる。合理的でもなく、素直でもないこびとを口説くことを考える。商品サービスターゲットの間をいったりきたりする。
時代社会、生活者、商品サービス、競合という四つの切り口。
・ステップ3 発見モード
こびとの気持ちが動く身体的な実感を言葉に翻訳する。メタファーが感覚を現実世界で他人に通用する言葉に変換してくれる。空飛ぶバス、芸術は爆発だみたいな。
なお、ここでのコンセプトは複数見つかることも。文脈によって、変わってくる。
・ステップ4 磨くモード
新しいサーチライトに従ってその分野専門家を集め、ゼロベースで全体を構築する。こびとの感覚がコンセプトを通じて共有され常識を覆していく。具体化はプロに任せることが重要。
そこには死の谷が三つある。
理解の谷。脳みそと身体感覚のせめぎ合い
習慣の谷。今の常識を具体策に他の人がまねしたくならなきものを設定して乗り越える。
根気の谷。最後まで粘り強くとりくむ。
・一度これを回すと、情報がさらにふってくるため、再度感じるモードへ。ぐるぐるの連続へ。こびとの精度をあげてゆく。
Posted by ブクログ
曖昧な表現に逃げずに「コンセプトとはサーチライトだ」と明確に定義しているのが良かった。
非常にわかりやすい。
あれこれ色々な話を出してくるのではなくて、一本筋の通ったやり方が書かれていて非常に勉強になった。
作ったコンセプトの確認法も載っていたので非常に有用だと思う。
Posted by ブクログ
まず、手にとった感想は、広告業界で、名著と言われている50年前の本、『アイデアの作り方』とページ数といい、判型といい、タイトルといい似ていると思った。本書の中でもこの本が取り上げられているので、意識していると思う。本書は、そのアイデアの手前にくるコンセプトのつくり方について、食べ物の事例を挙げながらていねいに解説している。わかりやすく書いているので、コンセプトワークに取り組み始めた若い人にも、もう一度考えたいベテランにもおススメ。
Posted by ブクログ
コンセプトのフレームワーク(ビジョン、課題、コンセプト、具体策)とペルソナ的視点によるブラッシュアップにより、商品を決めていく過程を説明した本。
盲目的にやると、大概はフェイクコンセプトになるし、ペルソナをしないと嬉しい商品にはならない。
その為に、客観的な視点を何個も持ち、各自が嬉しい事、嫌なこと等の本質を捉える。
その実現方法はある程度プロに任せる。
コンセプトは様々な出会い、体験と人脈があり始めて実現するのだと感じました。
勉強になりました。
Posted by ブクログ
◎要約
⚪︎はじめに
・イノベーション
→人の行動・習慣・価値観にもう元に戻れないような変化をもたらすモノ・コト
・「正解」という幻想
コンセプトは「その手があったか!」と身体的・直感的に進むべき方向を示す言葉だが、脳みそはなかなかそれを許さない。
「本当にそれは正しいの?」「それってデータで証明されてるの?」と問い詰めて可能性を台無しに。
⚪︎コンセプトは「サーチライト」
今までの常識から新しい常識へサーチライトを照らし直す。
⚪︎身体的思考の「十字フレーム」
常識を覆すイノベーション
→主観的な経験や直感までをも盛り込む「身体的思考」が必要
ビジョン
→単なる金儲けを超えた基本的価値観と目的意識
課題
→ビジョンがなぜ解決しないのか、ボトルネック
コンセプト
→課題を解決する新しい視点
具体策
→コンセプトを現実に表現したもの
⚪︎コンセプトのつくり方
準備 : それに関する今までの常識を全て挙げる。
コンセプトつくりスタート↓
①感じるモード
それに関する情報を片っ端から集める。データを100%信じず、精査せずなんでも「とりあえず、ふむふむ」と吸収。
②散らかすモード
×集めた資料をすぐに整理する
ブレインストーミングで“どうやってターゲットの気持ちを動かすのか?”を考える。
③発見!モード
コンセプトが見つかる。
課題はコンセプト発見と同時に見つかる。
④磨くモード
商品・サービスを具体的に形にしていく。
◎所感
一言で述べると、読みながらとてもワクワクできる本だった。
データから統計的に導き出される客観的な結果を嫌い、これまでの常識を覆す自由な思考をする。これは一見、普段の自身の考え方とは反対のように思われた。
ただこれは“コンセプトのつくり方”である。コンセプトをつくる経験に乏しい私にとっては、これが普段の思考法とは違って当たり前である。効率化を求めてはよいコンセプトはできない。
コンセプトは単なる“思いつき”ではない。上記のような発想法に基づいている。
正解がないからこそ苦しいし時間もたくさんかかってしまうが、固くなった頭を柔らかくするためにはよい頭の運動だと思った。
Posted by ブクログ
その手があったか!を開発する方法論を紹介。同じものをいかに異なるコンセプト(サーチライト)で照らすことができるかだが、簡単ではない。紹介されている事例を知るだけでも興味深い。
Posted by ブクログ
電通で使われている発想法の本であり,思ったよりもかなり薄い。文章や内容もそんなに難しくはない。にもかかわらず実行しようと思うのはなかなか大変だ(だからこそ価値がある)。まさに帯に野中氏が書かれているとおり。
特になるほどと思った一文は「課題はコンセプトの発見と同時に確定される」。課題よりコンセプトが上位であり,課題が唯一絶対で確立されていないのであれば,当たり前といえば当たり前である。
個人的にはこの本を人生のビジョンを探す手助けになればと思ったのだけど,その点については残念。ビジョンは定義されている,その上でどう振る舞うかについてくれる本である。そもそも人生に「常識を覆す」コンセプトが必要なのかというのもある。「常識を覆す」よりも平凡であっても幸せと感じられればそれで良いのかもしれない。この本に非があるわけでは全く無いが。
Posted by ブクログ
購入
何か企画のようなものを考えようとするとき、必ず最初にコンセプトを定める必要があると思っていた。しかしそれがなかなかうまく掴めない。そんなことを悩んでいた時期に手に取った本。
コンセプトは単なる思いつきではなく「ビジョンの実現に向けて課題を解決する新しい視点」という説明にとても興奮した。新しい視点、ということが重要なのだと思う。
これから何かを企画しようとしている人、いま躓いている人にはいい刺激になりそう。
Posted by ブクログ
最近、「数字」や「裏付け」にがんじがらめにされつつあったので新しい武器を得た気がしました。
でもこれで1,000円超えは情報として高過ぎかと。
Posted by ブクログ
解説にもありましたが、デジタルマーケティングとは対極のアナログマーケティングの本です。
良かった点3つ
・難しいフレームワークや、横文字の言葉もなく読みやすい。
・フェイクコンセプトにはなるほど!となりました。自戒です。
・コンセプトを考えるときの思考法が優しい言葉で整理されており、今後の指針に使いやすそう
短くてサクッと読めるのもよかったです。
Posted by ブクログ
メタファーの下りが、一番響いた。考えてみたら、この本で出てくるコンセプトの定義も、「サーチライト」とメタファーを使っている。
コンセプトとは、世界を写し出すサーチライト。
身体的にやるべきことと、やってはいけないことがわかる
コンセプト調査なんかしても、マスがすでに考えている良さを写し出すだけで新しいコンセプトは生まれない
今の僕たちを苦しめていると同時に守ってくれているのが今の常識。
アイディアは行ったり来たりする
メタファーを使う。なぜなら新しい概念は既存の言葉では言い表せないことが多いから。
Posted by ブクログ
アイデア出しに困ったら思い出そう!という本。・「課題」をターゲットの気持ちとして捉える ⇒ターゲットは、なぜその商品・サービスを買わないんだろう? ⇒「脳みそ」と「身体」を両立させる思考方法が必要・マネジメント軸: ビジョン ⇔課題・コンセプト⇔具体策・コミュニケーション軸:ターゲット⇔課題・コンセプト⇔商品 何もしないとターゲットと商品は結びつかない・思考のステップ ?感じるモード 「とりあえず、ふむふむ」 ?散らかすモード 「いったり、きたり」 ?発見!モード 「それならいいかも!」 ?磨くモード 「理解、習慣、根気の谷」"
Posted by ブクログ
・その手があったか!とそりゃそうだよなの間
・コンセプトはサーチライトをずらして新しい場所を照らすこと
・ビジョン→単なる金儲けを超えた基本的価値観と目的意識
・サーチライトがちがうと、いい意味で「真似した
・ターゲットはなぜその商品、サービスを買わないんだろう?は気持ちに入れるいい問い
・古いサーチライトを知らずして新しいサーチライトは産めない
・数多データは偉いとか噂話はあやしいとかいった判断を棚上げしてまずは情報を受け取る(哲学 エポケー)
Posted by ブクログ
成熟化し複雑化している今の世の中で、課題を解決していくためには「その手があったか!!」と常識を覆すイノベーションが必要である。
イノベーションは、正しく論理的に考え正解を探すだけでは起こすことは出来ない。
イノベーションには、優れたコンセプトが必要である。
優れたコンセプトを作るためには、ビジョンから解決策までを一貫して整理するマネジメント軸と顧客と製品を本音でつなぐコミュニケーション軸の2つの思考の軸の相互作用が必要である。
そして、この相互作用を起こしていくためには頭で考えるだけでなく、実際に体感して考える身体的な思考が不可欠である。
身体的思考には、「感じる」「散らかす」「発見する」「磨く」の4つステップがあり、これらのステップを行ったり来たりとぐるぐると回っていくことで、世の中にイノベーションを起こせるコンセプトを作ることができる。