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Posted by ブクログ
鴆-体は人、手はなく美しい翼を持つ鳥。強い毒性があり人と交わるには毒抜きが必要だが翼の色は失われて鴆としての価値は無くなる、って設定がもう悲恋間違いなしですが最後はちゃんとハッピーエンド(*´∇`)。鴆のツァイホンは人を殺したこともある扱い難い性格ですがそうせざるを得なくなった理由が後に描かれていてグッとくる。とにかくツァイホンが美しくゴージャスに描かれていて素敵。
Posted by ブクログ
▼あらすじ
この国には、鴆(ジェン)という鳥人がいる。
有毒の食物を好んで食べ、体内に溜め込んだ"毒"を"色"に変えると、鮮やかで美しい羽根をつくる。
毒の強さは鴆の誇りだった。
しかし、いつしか人々はその羽根の美しさに魅せられ、より美しい鴆を飼うことをステータスとするようになり……。
一番美しい鴆と名高いツァイホンと、かつてツァイホンの毒によって兄を殺されたフェイ将軍。
憎しみと愛が交わる人外BL――!
***
初読みの作家さん。あちこちで絶賛されていたので気になり、元々人外好きなので買ってみたのですが、これが大当たりでした…!!
何でもっと早くに読まなかったのかと後悔したくらい、面白かったです。
まず、”毒”を”色”に変えて美しい羽根を作るっていう発想からしてもう素晴らしい…。天才かと思いました…。
しかも、その美しさがちゃんと絵から伝わって来るから凄い。
モノクロなのに、私の目には鮮やかな色が付いているように見えるんです。
それだけじゃなくて羽一本一本から細かい装飾品に至るまで凄く丁寧に描かれていて、絵の緻密さ、息を飲むほどの美しさにただただ圧倒されてしまいました。目を奪われるとはまさにこの事…。
絵だけじゃなくてストーリーの方も文句の付けようがないくらいしっかりしていて、最後の最後まで楽しく読む事が出来ました。
あらすじだけ読むと殺伐としたお話なのかな?と思うのですが、フェイが意外にも優しい男だった為、そこまで重い感じでもなく、甘々好きな私でも好みだと思うくらい読みやすかったです。
最後の方で兄の死の真相が語られ、全てが明らかになるのですが、これがまた切なく、それと同時に凶器になってしまう自分から人を遠ざける為にわざと攻撃的な態度を取っていたというツァイホンの健気さに心を打たれ、少しウルッと来てしまいました。
なので二人が結ばれた後のお話はとても幸せそうで、ただのキスですら転げ回るくらい萌えてしまいました…!
ああ、何度読み返してもニヤける…!!ツァイホン可愛い…!!(笑)
何より毒が抜け切ると真っ白になる、というのがインパクトあって良かったです。きっと綺麗なんだろうなぁ…。
発想が素晴らしいだけに、この一冊だけで“鴆”を終わらせてしまうのは凄く勿体無いので、続編か、別の鴆をテーマにした作品を出して欲しいと強く願わずにはいられません。先生、出してくれないでしょうか…。
そういえば同時収録されている短編も人外モノ(花と虫の擬人化)でしたが、こっちもなかなか面白かったです。メリバ気味なので正直、萌えはしなかったのですがオチが秀逸で、ゾクッと来るものがありました。
思わず花の詳細をネットで調べてしまったほど…(笑)
とにかく、最近読んだ人外系の作品の中では間違い無くトップレベルの面白さだったので、人外好き、ファンタジー好きなら買って損はないかと思います。特に鳥人が好きならかなり萌えるかも…。
そんな私も鳥人好きなので、ツァイホンの足に思いっ切りフェチ心を擽られました。多分、分かる人は分かるはず…!(笑)
余談ですが、“いつも澄ました顔してるくせに、私相手でも勃つじゃないか”って台詞、フェイじゃなくてツァイホンの台詞だったんですね。