【感想・ネタバレ】母さんごめん、もう無理だ きょうも傍聴席にいますのレビュー

あらすじ

「100歳まで頑張る」と話していた98歳の母の首に、74歳の息子が手をかけた――。
これが自分だったら、一線を越えずにいられただろうか?

記者が見つめた法廷の人間ドラマ29編。
朝日新聞デジタルの人気連載、ついに書籍化!

◇就寝中の28歳の息子の胸を刃物で刺し、命を奪った父。裁判長も認めた「相当やむを得ない事情」とは――。
◇介護が必要になった夫に、長年連れ添った妻が手をあげた。頭によぎったのは、36年前の夫の裏切り――。
◇法律家への狭き門・司法試験。その問題を長年作り続けてきた憲法学の第一人者が、教え子の女性に試験問題を漏らして、被告人席に立った――。

裁判所の傍聴席で日々取材をする記者が、強く心に残った事件の裁判の模様を綴る、朝日新聞デジタル版の連載「きょうも傍聴席にいます」。本書は「泣けた」「他人事ではない」と毎回多くの反響が寄せられる、この人気連載を書籍化。連載開始の2013年5月から昨年末までに掲載された全29編を収録する。介護に疲れはて……。育児に追い詰められ……。恋愛のもつれのはてに……。借金が膨らみ……。法廷はまさに人生と世相の縮図である。一線を越えてしまった被告の、生(なま)の言葉と息づかいに、深く心を揺さぶられる読み物である。

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Posted by ブクログ

読書記録です。

新聞社の記者が、実際に足を運んだ裁判の傍聴記録をまとめています。一件一件淡々と書いていますが、ところどころに法の下でも温かい血の通うやりとりがあって、泣かせようとはしない記録がかえって心に響きます。
ほかの傍聴記録を読んだこともありますが、傍聴席を隔てた向こう側とこちら側の差はそんなにない、ということが一番こわい。同じようなことあったわ…とか、同じ状況になったら…とか、自分が絶対そうならないという保証がない、と。
たぶん、取材している記者もそう感じているんだろうな、と感じる内容です。

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2017年11月19日

購入済み

おもしろかった。

一気読めました。

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2017年07月23日

Posted by ブクログ

こんなにたくさん事件が起きているんだ、わかっていたようなわかっていなかったような気がした

子育てに悩み、介護に悩み、人間関係に悩み、そういう事件がこの中にはすごく多かった
特に子育てに悩み、我が子を手にかける
怖くて震えるんだけど一方で、子供を育てていると何が何だかわからなくなってくる瞬間もあることに気がつく
反抗期、イヤイヤ期、そういうけど
それは人によって度合いがあって
専門家の人が認識している範囲や度合いをかなり超えている場合がしばしばある
こういう時はこうすれば良いというのが、通用しないことが多々ある
それは子供の方も、個性があるということであるし、親もそう、100人いたら100人の反抗期があると思っている

テレビや本やYouTubeなんかで専門家の人が、こうしたら良いんですよ、こうすれば解決する
反対に、こうしたらいけない、こんなことを言うと将来子供がこうなる のようなまだ起きてもいないのに親を縛り付けるような言葉も眼にする

ダメと言われたことをやっていたら、自分はダメな親なんだ、子供は将来こうなってしまうんだ、と思ってしまう
でも実際はどうなんだろう、言ったらいけないことを一回でも言ったらいけないのか、何年にもわたって毎日言い続けたらいけないのか
その程度だって、子供によって違うんだから

この本は事件を傍聴席から淡々と書いていたが、その背景や細かい経緯も知りたいと思う事件がいくつもあった

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

朝日新聞裁判担当記者の裁判傍聴記。老々介護の末の殺人は人ごととは思えない。妻と娘を守るために息子を殺してしまった事件は、どうすればこのような結果にならなかったのか。頼った行政にもたらい回し、命や家族への危険に怯えて暮らせば追い詰められてしまう。

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2020年09月23日

Posted by ブクログ

淡々と事実だけを抽出した裁判傍聴記録。
なかなか考えさせられる記事が多かったです。
ここに出てくる被告は私が犯人と聞いて想像するような明らかに社会不適合な人は少なく、どこかで少し間違えてしまえば自分もそちら側になってしまう可能性がある人たちばかりでした。
その共通点として感じたのはどの人も思い込みが強めで考え方に幅がなく、頼る人がいないという点が多くの共通点だと感じます。
私も思い込みは強めの人間なので、様々な人の考え方を知り、友人や気のおけない家族などを今後はいっそう大事にしていきたいと思いました。

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2020年02月10日

Posted by ブクログ

朝日新聞の記者たちが、裁判を傍聴し、デジタル版に配信したものをまとめたもの。
決して大きな事件ばかりではない。
しかしそこには胸を打ち、痛め、悲しみにくれる人間のドラマがある。

ここで描かれるのは、普通の人々だ。
どこかでほんの少し間違えたことが次第に大きく道を逸らしてしまったけれど、「普通じゃない」「おかしな」人たちではない。

特に心苦しいのは親子、とりわけ幼子に関する裁判だ。
冒頭の「おかあが奪った息子の命」は他人事ではない。
叱った後に同じことを繰り返したからーー。
誰だって腹立たしく思う。
それは一回ではないのだ。
「これだけやってあげているのに」その思いを誰かが汲み取ってくれていれば、どこかでガス抜きができていれば、そう思えてならない。
「悩む母はロープを息子の首に」も似たような事件だ。
違いは既遂か未遂か。

これらの事件を見て思うのは、母親にかどのストレスがかかっているのではないかということ。
もちろん中にはそうでない場合もあるだろう。
しかし、一人で抱え込んだ末の犯行が多いように感じるのは、記者が選別した結果そう見えているだけなのか。

本書はただ、裁判の模様を伝えるだけだ。
もちろん切り取る箇所の違い、というバイアスがかかっていることは忘れてはならないし、読んで何を思うかは人それぞれだ。
ただ、これらの事件を知って、どうして起きたのか、どうすれば防げたのか、今後何をなすべきかに思いを寄せなければ、悲劇は減ることはないし、それをなくして事件を語るべきではないと私は思う。

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2018年05月22日

Posted by ブクログ

これはかなり陰鬱たる気分になる。特に子供がらみの話は胸が痛すぎて。
が、さまざまなセーフティネットが掬いきれなかったこういった人たちを紹介することは意味があることだと思う。もちろん個人としては罪をつぐなうべきなんだけど、それとは別の次元で、社会としてどう対処するかってのはみんなが考えないといけないことだよね。

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2018年03月18日

Posted by ブクログ

洗練された文章が心地よく、限られた文字数の中で被告の人生、人間性を感じることができて一気読みした。
子殺しの事件が多いのは時代を通して変わらないことかは分からないが、母親に首を絞められ生き延びた子供の言葉はあまりにもシュールすぎた。怖さを通り越して不謹慎ながら笑ってしまった部分である。webで読むのも良いが書籍化はやっぱりまとめて読むという意味で有意義なものだと思う。続編を望む。

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2017年11月27日

Posted by ブクログ

この連載が読みたくて朝日新聞webの会員になりました。
自分と重ね合わせようとしても想像できないような事件もあるけれど「この状況ならもしかしたら私も…」と思ってしまうような事件も多く、色々考えさせられます。
一人で抱え込んでしまった末に起きてしまった事件も多い気が。
自分もどちらかというとそういうタイプの方なので、どこか他人事に思えなくてそこが読んでいてちょっと辛くなりました。

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2017年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

広告で見てからとっても気になっていました。裁判とかは本当に詳しくないのですが、どうしてこの心情に至って事件を起こしてしまったかが書いてあるこの本は一気に読みました。

個人的に経済関係は疎いので、もっと人情味(?)のある、家族間の殺人、未遂事件が本当に胸に突き刺さりました。

精神病の診断を受けて、暴れる子を”妻とほかの子を守る為に”と殺した父親、老々介護の末母親を”おかゆを食べない”という理由で殺してしまった息子。泣き叫ぶ子供を育てられないと殺してしまう母親。

自分は将来両親の世話をするだろうと言う事は覚悟が出来てます。細かい事はどうしてほしいかなどは両親に「エンディングノート」を渡して書いてくれるよう言っています。なかなか書いてくれませんが、少しでも両親が願う形で見取りをできるように会話に混ぜ込みながらちょっとずつ話を聞いています。メモっとかなければなりません。

あと、精神病で暴力をふるう子を殺す父親というのも胸に突き刺さりました。精神科の病気で暴れる子を病院に措置入院させることもできず、殺してしまう…。殺すことがいい事とは言えませんが、もっと他にも方法があったのではないかと思ってしまいました。

ノンフィクションとして興味深く読みましたが、読んだ後の読後感は決していいものだけではありませんでした。でも、ちゃんと考えないとな。

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2016年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

身につまされる事件から到底、理解できない事件までその内容は幅広い。
中でも介護によって(親子でも夫婦でも)追いつめられ殺してしまう事件。もし、自分がこの立場だったらと考えずにはいられない。
本書の親切なとこはその章の終わりに刑の確定の詳細が記載されているところ。

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2016年11月08日

Posted by ブクログ

朝日新聞社会部著。
小説のような話ばかりで、まずそのことに驚きました。
裁判でのやりとりは、真実は見えないまでも当事者の発言が新鮮でした。

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2016年07月09日

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浅かった。
新聞紙面と比べて自己満足に浸るくらいなら
本数減らしてもっと切り込んだルポが
読みたかった。
まあ朝日だし…

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2019年01月05日

Posted by ブクログ

世の中には本当に色々な事件が起きるものだと思う。
文面を読んだだけでは、なかなか実際の場面を想像することが出来ない。

インサイダー取引で告訴された事件何描かれているが、なぜこの件が告発に至ったのか、チクリなのか、その辺の経緯が不明で、なんともすっきりしない。

掲載されている事件の件数は多いが、一件あたりの文字数が少なすぎる。
歯がゆいくらいに詳細がわからない。
件数を減らして、もう少し詳しく記述してほしい。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

全国各地の裁判所で取材をする朝日新聞の記者が、様々な事件の内容、背景、量刑など綴った書籍。感想は次の書籍でまとめて記載。

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

いろんな犯罪の裁判傍聴もの。量刑がうーん、ってのもある。中には思考回路がおかしくて、どうしようもないやつもいるが、それはそれで裁判官の反応が面白い。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

記憶に残っている事件もあれば知らない事件もあった。目をつぶりたくなる光景が浮かぶ。被告人の立場になれば仕方なかったなと寄り添ってあげたくなる。介護の末の事件は大好きな相手だからこその結果だと思う。

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2025年04月21日

Posted by ブクログ

事件が起こる前になんとかならなかったのだろうか…と思わせられル事件もちらほら…自分だったらどうだろか。踏みとどまれるだろうか?

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2024年12月13日

Posted by ブクログ

『虎に翼』を少しずつ観ていて、実際の判例が気になって手にとりました!

本書は『朝日新聞デジタル』で連載されていた「きょうも傍聴席にいます。」の2013年5月〜2015年12月までがまるっとまとめたものになる
朝日新聞の記者さんたちが裁判所に行って、実際の裁判を記事にしたものなので、人のさまざまな暗い面に触れるのはやはりちょっとしんどく感じました…
ここに載っている人はどんな形であれ、法を犯し、『一線』を越えてしまった人たちで、事件の内容も窃盗から殺人、インサイダー取引まで多岐にわたる
被告たちも真摯に反省している方やいまいち自分のやったことが分かってないのでは?という方もいた
親が子どもを手にかける事件は読んでいてかなりしんどかった
実際の事件というのは、人生ががらりと変わるものだからずしんと重い

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2024年06月23日

Posted by ブクログ

新聞記事は通常、長くても30行x12文字まで。社会部記者が裁判を傍聴して詳しく書きたくても、書きたいことが書ききれない。それをデジタル化してネットで発表し、記事をまとめて書籍化したもの。

新聞記事よりは詳しいが、法廷で見聞きした事実を中心にしていてそれ以上の掘り下げがないので、もう少し突っ込んだ内容の方が良かった気がする。が、ルポではないので難しいところか。

特別な凶悪事件というよりは、身近に誰にも起こりうるようなことが多く、その立場だったら自分も被告になるかもしれず、考えさせられる。

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2020年11月15日

Posted by ブクログ

裁判傍聴記録

報道される一片しか知れない事件の
もう少し先が見れる

特にタイトルの事件は
抵抗しなかった母の気持ちが切ない

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2019年02月28日

Posted by ブクログ

2018.12.31

もっと傍聴席で聞いた事件の背景を深く探る本なのかな?と思いきや、淡々と事件の概要を伝え、その背景については深追いしない感じの内容でした。
思っていたより重くなく(重い事件もあるのですが)、これまで読んでいたノンフィクションとはまた違うなぁと。連載で文字数の制限があるからなのかな。
いろいろな事件がありますが、我が子殺しの事件がいちばん切ない…

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2018年12月31日

Posted by ブクログ

「私が同じ状況だったらどうしていたか」
「私にも同じような弱さやおごりがあるのではないか」
記者さんの意見に我が身を振り返る。

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2018年01月16日

Posted by ブクログ

どんなに立派な人でも自らの意志で罪に手を染める可能性があるんだなと思ったし、小人の僕には何だかとても身近に感じた。

んー、、人生サバイバルw

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2017年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真実は小説より奇なり。
他人に対しての犯罪はどれも被告が悪いわーと思うが、家族間だと一概にそうとも言えなくなる。
でも罪は罪だけどね。

「みんなストレスを抱えて生きているんです。どうしてあなただけ、人の犠牲の上に解消していいんですか。」
↑この言葉を全ての「むしゃくしゃしてやった」とほざく犯罪者に言ってやりたい。

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2017年05月15日

Posted by ブクログ

実際の裁判の傍聴席からの記録
朝日新聞デジタルに連載していたものだそうだ

29の事件がまとめられているが
犯罪、犯す人と犯さずに済む人と紙一重だなあとつくづく思う

その時、誰かの顔が思い浮かべられるかどうかにかかっているのだろうか

≪ 生きにくい 重みを誰かと 分け合えば ≫

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2016年11月24日

Posted by ブクログ

裁判所の傍聴席にいた記者が淡々と綴った事件の数々。どれもやりきれないなァと思いますが、特につらいのは家族を手にかけてしまう事件。生活苦で子供と心中しようとした母親、老老介護で長年連れ添った妻を手にかけた夫。三男の暴力に怯え、妻と娘を守るために眠っている三男を刺した父親。追い詰められた人は死ぬしかない、殺すしかないと思い詰めてしまうのでしょう。他に相談する人もいなく、人付き合いが苦手な人も多かったような気がします。今も様々な事件が起きているし、それがなくなることもないのでしょうけれど、それでも救える機会があれば手を差し伸べて、不幸な事件が少しでも減る世の中になってほしいと願っています。

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2016年09月12日

Posted by ブクログ

新聞連載が元なので傍聴席からの裁判の様子をただ淡々と描写しているのだが、読み手には決して無感動には伝わってこない。文章の向こうから事件の裏に潜む当事者の葛藤や欲深さが噴き出してくるかのようだ。連日報道され知っている訴訟や事件もあり、これをきっかけに調べたくもなる。どれもこれも転じれば「ありがちな人間ドラマ?」になるようなものなので、短くまとめられているぐらいがちょうどいい。

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2016年06月06日

Posted by ブクログ

世間を騒がせた事件もあれば、小さな事件の背景を書いています。
それぞれの事情があり、もう少しこうなっていればなど、考えされられる事があります。他人事ではないですね!

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2016年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何かで紹介されてた本。大事件ではないとはいえ、一つ一つが短すぎる。まぁ新聞の限界だわな。デジタル版のコーナーでこれでも長いようだけど。しかし、日本って家庭内殺人に甘いよな。うつ病で追い詰められてとか、老老介護とか、精神病をベースにした家庭内暴力とか、了解可能な理由はあるにせよ。印象的だったのは6人も子どもがいて、食べられないほど貧しいのに、夫は避妊もせず性行為を続けて、結局子どもがまたできて殺しちゃった事件。これで夫が罪に問われないのはおかしい。明らかに夫のDVだし、虐待だろ。中絶しろって言ってるし。知的にボーダーな中年女が10も年上の男を殴り殺したのも身につまされる。うちのお客様たちは将来大丈夫かしら。Nさんは教え子が犯罪者としてニュースになったって言ってたもんな。早くリタイアして裁判傍聴に行きたいわ。ほんと人生を学べることだろう。

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2016年05月19日

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