【感想・ネタバレ】死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日のレビュー

あらすじ

2011年3月11日、福島第一原発事故。暴走する原子炉。それは現場にいた人たちにとって、まさに「死の淵」だった。それは自らの「死の淵」だけではなく、故郷と日本という国の「死の淵」でもあった。このままでは故郷は壊滅し、日本は「三分割」される。使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いをつづけた男たちは、なにを思って電源が喪失された暗闇の原発内部へと突入しつづけたのか。また、政府の対応は……。「死」を覚悟しなければならない極限の場面に表れる、人間の弱さと強さ。あの時、何が起き、何を思い、どう闘ったのか。原発事故の真相がついに明らかになる。菅直人、班目春樹、吉田昌郎をはじめとした東電関係者、自衛隊、地元の人間など、70名以上の証言をもとに記した、渾身のノンフィクション。

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Posted by ブクログ

あのとき、あの場所で何が起こっていたのか。
フクシマ50を見てから読みました。
当時のことはよく覚えているけれど、あの爆発の元、必死に事態収束のために命をかけていた人がいたことを知らなかった。
というか、自分自身も平和ボケをしていて、今の日本で、まさか放射線の危険がある中で作業をするまい、という思い込みがあった。

じつは、このときの福島原発はほんとうにやばかった。すでに起こったことそのものが、やばいのだが、あと少しのところで、避難区域は東京まで及び、日本は分断、首都圏が機能しなくなり、数年は経済的混乱が起こるとされていたらしい。
なんだかわからないけど、最後はうまく行ったのだが、人ができることが、冷却くらいしかないってことが恐ろしい。
自分も仕事となったら、この場に命を預けられるだろうか。

このとき、現場では東電の人々が命懸けで作業をしていて、その詳細を詳らかにしていくのが本書である。
吉田昌郎の人柄も興味深く、なかなかドラマチックにまとめられているので、読みやすい。
映画、ドラマの原作にもなった本書でしか知れない事実もある。

よく、事故は人災というが、最後には安全より利益追求に傾いたトップの判断をしてきする記述もある。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

門田隆将さん著「死の淵を見た男」
3.11東日本大震災、福島第一原発が舞台。そこで生死をかけて原発事故を凌いだ東電の社員さん達のノンフィクション。

当時、14年前になるが自分は東京にいた。
15時Openの自分の経営する居酒屋の仕込み中で、営業開始前の慌ただしさの最中にあの地震が起きた。東京は大混乱に襲われ電話は繋がらず、その後電車も止まり帰宅困難者が溢れかえった。明日からの日常はどうなるのか?という不安が凄かった。

テレビでも再三津波の被害の映像が流れていて、翌日からは福島第一原発の映像が頻繁に流れていた。
その当時、原発事故の恐ろしさを知らなかった自分は調べれば調べるほど恐怖に駆られた。
はっきりと覚えているが、当時東京都知事だった石原慎太郎さんの有名な「天罰」発言、あれは自分に言われた言葉だと今でも思っている。石原慎太郎さんのその発言は都知事としての言葉として不適切だ、亡くなった人の事を考えて物を言え、とメディアから散々叩かれていたが、自分はあれで目が覚めた。
「なめてた」という言葉がピッタリと当てはまるくらい、あんな大震災が来るとは全く想像しないで暮らしていたのだから。

それから政治に関心を強く持つようになったし、震災天災には人一倍意識して気を付けるようになった。

自分自身の意識のきっかけにもなった東日本大震災。その時の福島第一原発。吉田所長をはじめ東電社員さんの方々の正に命がけでの復旧作業が描かれている。

凄まじい…
なんて表現したらいいのか?言葉が見当たらない。

確実に言える事は生死をかけて原発の暴走を止めてくれた方々がいるから今でも自分達国民は生活できているのだということ。
逆にもし被害が拡大していたならば、東京は首都機能を失い、人口の半分くらいの人々が被曝し、東北及び関東圏は放射能汚染地帯となり誰も住めない土地になってしまっていたのだと思うとゾッとする。
自分達の現在と未来を東電の社員さん達が守ってくれたのだと…感謝しかない。

この作品、いくつものエピソードが描かれているのだが、描かれる方々の誰もが命懸けだからこそ心を震わされるし、目元が熱くなってくる。

14年の月日が流れ、被災地の復興もだいぶ進み経済の安定もある。だからといって過去の惨劇とは絶対に言ってはいけない。
多くの方々が命をおとし、多くの方々がその悲しみを胸に生きているのだから。
その中でこの作品に描かれた方々がいたことも同時に知っておくべきだと思う。

地震大国日本、またいつか南海トラフ、他のアウターライズ地震、群発、富士山噴火、色々と想定できるがその都度自分にできる最良で最大の貢献を心がけていきたい、吉田所長みたいに東電の社員さん達みたいに。


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2025年10月30日

Posted by ブクログ

2011.3.11の日に福島第一原発では何が起こっていたか、詳細な内容が書かれていた。
震災から10年以上が経ち初めて知る内容であった。

東電の社員、自衛隊、消防士の方々は命懸けで日本を救ってくれた。いま、日本が、、東北が住める状態なのは、極限の精神状態の中、命懸けで頑張ってくれていた東電の職員や協力会社の人それぞれの勇気ある行動考えのお陰という事が分かる内容の本であった。
いろいろな立場の人の視点でストーリーが書かれていて、それが想像出来る内容であった。
読んでいて何度も胸が熱くなった❗️

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2024年11月04日

Posted by ブクログ

あのときの現場の人達が何を考えてどう行動したのか
文字通り命懸けで闘ってくれたことが分かった
ただただ感謝


以下メモ

地震の揺れを感じている時にスクラム(欣喜停止)すると直感をした
実際に揺れのあとすぐスクラムした
ちゃんとスクラムして逆に安心した

地震による停電で電源がなくなってしまった
しかし 非常用電源があったので活用した
そういう場合の訓練は頻繁に行っていたので 落ち着いて対応できた

非常用電源は海抜10m のところにあった
10m あれば絶対大丈夫と思われていた
なぜなら 過去1000年以上 そんな大津波が来たことはなかったから
しかし 津波はそこに来て なんと非常用電源もなくなってしまった

電源が全てなくなってしまって何もわからなくなってしまった
圧力などの監視システムが全て使えなくなってしまった

原子炉をとにかく冷やす必要がある
電源がないので水を直接入れて冷やす必要がある

消防車のホースを使うことを考えてすぐに消防車を手配した

そして水を入れられるように弁を開けた
すぐに この判断ができたことがとても良かった
なぜかと言うと 数時間後には人間が近づくことができないレベルの線量なったので

格納機の圧力がどんどん高くなっていった
爆発してしまうので軽く ガス抜きをすること つまりベントをすることが必要になった

ベントするために 原子炉に向かったが 線量計が振り切れてしまった

その辺りで水素爆発が起きた

そんなこんなでただでさえ 忙しいのになぜか 菅総理が現場に来ることになって説明しなくてはいけなくてさらに大変になってしまった

さらに 官邸からなぜか海水注入を中止しろと言われた
塩が残る などの影響がありリスクがあるからだという
しかし現場では冷やすためには 海水を入れるしか方法がないことが分かっていた
なので 命令について分かったと言いつつ 実際には海水注入を続けることにした

現場の人は死ぬ覚悟で戦っているのになぜか 官邸には東電が撤退するつもりだと伝わってしまっている
伝言ゲームって怖い

いよいよ 危なくなって現場の建物にいた 600人いたが そこから最低限の人数を残して退避することになった

幹部の人たち など50人ほどが残った
そこで 悲壮感の雰囲気になると思いきや 意外と 和やかな雰囲気になった
死んではいけない人間がいなくなって死んでいい人間だけになったから

自衛隊の協力で遠くから 強力な消防車が来てくれて 水もたくさん来てくれてホースで水をたくさん入れて原子炉の 暴走を止めることができた

もし 暴走してしまえば人間はもう近づくことができない
なので福島原発は10個あるのでチェルノブイリ×10の被害がある

そうなれば 東日本には人は住めなくなり人が住めるのは東北や 北海道 あとは 西日本になるはずだった

実はアメリカでは9.11のテロ 移行 原発が全電源停止することを想定したマニュアルを作った
それは日本にも伝えられたのだが 日本ではテロは起きないと考えられ そのマニュアルは整備されなかった

原子力安全委員会は30分以上の長時間の全電源喪失について考慮する必要はない という指針を取っていた

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2024年08月08日

Posted by ブクログ

当時の現場状況がよく分かリました。
筆者が指摘している慢心、日々の仕事でも教訓としたいと思いました。

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

こんなことがあったなんて。
想定外で済ませてしまうけど、原発は一度事故を起こしたら、国が滅ぶかもしれない。
こんなのはやめなくてはいけない。

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2024年02月07日

Posted by ブクログ

フォローしてる方のお勧めで。Netflixでもやってるドラマの原作。
ただ、ここに描かれてるのは事実、とてつもなく重い事実と言う事で読み進めるのが怖くなる程。
放射能との戦いだけでなく、無策な政府、東電の幹部、、、命を賭して福島を守った男達に感謝。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

とても小説に入り込んで、引き込まれて読みました。特に最終部分の原発にて津波で亡くなられたご家族のお話には涙が出ました。門田さんは本当によく取材されてれいると思う。あの時福島原発で何が起きていたか。必死で原発を守った方々の勇姿が描かれている。
それにしても、政府の対応は良くなかっただろう。

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2023年04月28日

Posted by ブクログ

東日本大震災後に起こった大津波によって福島第一原発は危機に直面した。チェルノブイリの10倍の大事故に発展する恐れのあった原子力のメルトダウンを可能な限り事故を最小化しようとした人たちの生死をかけた仕事ぶり。生きているということは、人は何かに生かされていくこと、何かに引き寄せられるように生きていくこと、その中で自分の志を立て、次の世代にバトンを渡していくのだと思います。

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2022年09月20日

Posted by ブクログ

福島原発事故で、北海道と西日本しか人が住めなくなる事態になるということが、最悪の事態としてあったということをはじめて知った。震災後アメリカが日本はもう終わりだと言ったらしいが宜なるかな。

当時は東京電力の本社の対応の遅さに不信感を覚えていたけど、現場の社員や協力企業の方々、自衛隊員の方々の決死の対応によって、何度も危機を乗り越えられたことを知りました。

大和魂はまだ日本人のDNAに組み込まれているのかな?命を賭けて闘った社員さんたちに敬意を表します。
日本もまだまだ捨てたものではないですね。

簡易便所の便器がずっと血尿で赤く染まっていたというのが印象的だった。

引き込まれて一気に読んでしまった。著者の文章力が巧みかつ読みやすいので、比較的楽に読めると思います。
他の著作も読んでみたくなりました。
オススメです。

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2022年08月12日

Posted by ブクログ

東日本大震災の時の福島第一原発の様子を所長への取材を通して描く話です。次から次へと困難が襲うなか、命懸けで闘った人々の感動のドキュメンタリーです。オススメ!

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2021年12月01日

Posted by ブクログ

映画「FUKUSHIMA 50」を見たので、ノンフィクションのこの本も読んでみる。改めて衝撃だし、こんな事態に命を懸けて立ち向かった皆さんに改めて頭が下がる。しかし、この教訓、絶対に生かされてない国だよな。たとえ30mの堤防があっても絶対に安全なんてことはないし、いつテロの対象にされるかは分からない。過去は変えようがないが、未来は変えられるんだけどなあ・・・

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2021年02月27日

Posted by ブクログ

あの時現地で何が起きてきたのか。
地震、津波、そして原子力を前に、いかに人間がちっぽけな存在かを痛感。
一方で、絶望的な状況下で懸命に働く人々の姿に人間の持つ可能性を感じる。仲間との絆や家族への想い、強烈な使命感には、大きく心を揺さぶられる。
あの事故を風化させないためにも、ぜひ読むべき一冊。

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2021年01月23日

Posted by ブクログ

ノンフィクションをちゃんと読むのは初めてだった。自分が小学生の時、故郷、日本を守るために命をかけて闘っていた人たちがいたという事実に気付かされた。原発に関して素人でも読みやすい本だった。

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2020年12月29日

Posted by ブクログ

すでに231人もの方々から感想が書かれている事に現れている通り、私にとっても衝撃の内容でした。
上梓から年月も経っていますが1人でも多くの方に手にとっていただきたい本でした。
著者に、取材に協力された方々に、あの当時懸命に取り組んでくれた方々に感謝申し上げます。

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2020年12月19日

Posted by ブクログ

衝撃・絶望・感動の作品。

東日本大震災により福島第一原発で何が起きていたのか、現場で起こっていたことを生々しく描くノンフィクション。

今まで日本がここまでの危機に瀕していたことを認識出来ていなかった。そして果敢に命を賭して対応した吉田所長以下の現場の人々に焦点を当てた物語に感動。

放射線量が上昇する中、電気が途絶えた中央制御室に踏みとどまった人達。最後の際まで「死」と隣り合わせで踏ん張った人達。

現場で自らの使命の元、仕事を全うする人々。

それと対比して、官邸、東電幹部のやり取りの虚しさ。十分な意思疎通がなされないまま、菅首相の現場に投げかけた残念な言葉。その言葉を振り返ったコメントもあるが、謙虚さと慎重さがあまりにも足りないように感じた。それ故の現場の空虚感と怒りであったように思う。

専門家でない官邸の判断の難しさはよく分かるが、本書に触れられている不測の事態に対する対応についての議論が圧倒的に足りていなかったことは重要な問題であるように感じた。失敗から学ぶべきことは多い。

そして意外なのが、最後の最後に残った人々は死ぬと思って残ってるわけじゃなくて、やることがあるから残っていた、と言う。過酷な環境下で黙々とやらなければならないことをやる。静かな闘志のようなものを感じた。

また津波で亡くなった若手二人に対する心無い情報の拡散に関する話があるが、無知であることの罪深さを思い知らされる。

それに対して彼らの仲間達が壮絶な事実をキチンと両親に伝え、仲間として仕事と責任を全うする姿勢に胸を打たれる。

日本を救ってくれてありがとうございます。

未来に負債を残し、今を生きる仕組み から、SDGs、持続可能な社会を作ることの重要性を強く感じた。

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2020年09月24日

Posted by ブクログ

吉田所長以下福島第一原発の現場でまさしく死を覚悟して最悪の事態(格納容器爆発して放射性物質飛散で北海道、西日本以外居住不可)に陥るのをギリギリのところで食い止めた東電社員、協力業者、自衛隊の人達の知られざる激闘の様子が、本人達の証言を基に時系列で語られていく。不眠不休の対応が続く地震から4日目の3月15日、遂に吉田所長から「各班は、最少人数を残して退避!」の指示が出される。最少人数とは?何の基準も無い中、思い浮かぶ家族や故郷と自らの役割との間で残るべきか退避するか、一人一人が壮絶な葛藤を強いられた筈。残った69人。海外ではこの人達をFUKUSHIMA50と呼んで称賛されていた事を映画「FUKUSHIMA 50」観て初めて知ったけど、この69人に限らない現場の人達の献身の実態はもっと知らしむべきと感じる。

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2020年08月23日

購入済み

感謝

今もって最悪の事態であるとも感じていましたが、今の状況で済んでいる事への感謝。そして今の状況で済んでいるのは多くのヒーローがいる事を初めて知り本当に感謝です。但しこのような事故が起きなければ不要なヒーローです。事故を回避出来なかった事に関しては東電、政府、関係委員会等々猛省し今後の回避に向け対応が必要で、こちらは今もってできているのか不安です。

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2020年05月31日

匿名

購入済み

角川文庫版の方が価格が安いです

 内容は、お勧めなので星5つにしましたが、2016年に再版された角川文庫版「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」の方が、文庫本のため新しく価格が安いです。
 本レビューのPHP研究所版(2012年)が1600円、角川文庫版(2016年)が924円です。
更に値引きで646円(3/26まで)になっています。
 また、ネット情報では「角川文庫版の方が朝日新聞の虚偽報道のあとがき」もあるそうで内容的にも加筆されているかも知れません。
 電子書籍では単行本や文庫本は関係ないのと思うので、特にこだわりがない方は角川文庫版をお勧めします。

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2020年03月08日

Posted by ブクログ

福島第一原発事故で、現場で何が起き、現場が何を思い、どう闘ったのかを描いたノンフィクション。当時の吉田所長をはじめ、多くの関係者へのインタビューを通じて、地震直後からの事実が克明に書かれている。電源喪失がわかった時点で消防車による注水を想定した行動や、放射線が強い真っ暗な原子炉建屋の中にベントのために手動でバルブを開けにいく決死隊の行動、二号機の格納容器の圧力が高まる中での決断など、あとから知って驚くと共に、現場の人々の覚悟と奮闘に頭が下がる。官邸の様子も生々しく描かれており、そのお粗末な行動には怒りさえ感じられる。現代社会では極限状況に追い込まれる場面はほとんどないが、人間の素の姿がむき出しにされる場面も多く、興味深いものがある。

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2020年10月26日

Posted by ブクログ

言わずもがなですが、フクシマ50の原作。
映画を見たことがあったけど改めて手に取る。
映画では知り得なかった事実が色々あり、まさに人間の究極の状況における葛藤などの中、揺るぎなき信念で、たまたま私たちは救われたのだと思いました。
吉田所長をはじめ、みなさまの働きに 感動するとともに深く感謝いたします

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2023年07月30日

Posted by ブクログ

映画「Fukushima 50」がなかなか興味深かったので、その原作である本書を読んでみました。

ちゃんと確認できていないのですが、本書の中での原子炉内の圧力の値(キロパスカル単位での表記)は、おそらくすべて間違っていると思いますので(正しくは、もう1桁大きい値になると思います)、原子炉内の圧力については「設計圧力の○○倍」といった記述のみを拾えばよいと思います。

上記の数値の件からも推察できると思うのですが、理系的な観点からは物足りない部分がありますし、この本の内容のすべてが真実だとは限らないものの、東北地方太平洋沖地震により、福島第一原発でどのようなことが起こっていたか(起こった現象とその対応など)を知るには、よい本だと思います。

当時の福島第一原発での出来事を美談にするのは問題だと思いますが、その一方で、吉田昌郎をはじめとして、命がけで対応に当たってくださった方が何人もいたことも事実。

本書は、今後の原発のあり方を考える上では、貴重な資料になりうるかもしれませんし、日本人としては、これぐらいは知っておいた方がよいかも、と思いました。
また、この本を読んで、スリーマイルとチェルノブイリについても、もっと知っておくべきだと反省しました。

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2023年04月13日

Posted by ブクログ

慢心、安全対策の節約
起こらないだろう
でも起こってしまった
誘致で街は栄え立ち入り禁止となった
まだ終わっていない 大きい犠牲と損失
美談ではない

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2021年11月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

来年2021年は東日本大震災から10年。節目の年を前に原発事故の本を読んでみた。当時の状況はテレビ、新聞で見ていましたがこの本を読んで全然分かってなかったなと感じた。東電の若い社員が二人お亡くなりになった事。その二人に酷い誹謗中傷があったこと。東電の社長が言葉足らずに政府に状況に伝えた為緊急会議が開かれたこと。そもそも政府が良く東電に聴けよとか思い馬鹿馬鹿しいとすら思った。又菅首相の東電への心無い発言。現場で懸命に作業している東電社員の心が折れそうになるかと思う。迷惑このうえない電撃訪問。その結果東電や他の人が被爆したかもしれないこと。それに引き換え吉田所長をはじめとして自衛隊や名もない人々の献身的な作業本当に現場の人々のお陰で今平和な暮らしができているのだと頭が下がる。
これを教訓にしてテロと自然災害に対応できる原発になっているのか?
それについての議論が国会で行われたのか? 行われていないのであれば亡くなられた方に申し訳なく思ってしまう。

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2020年11月29日

Posted by ブクログ

時間が経ったので改めて。
本当にギリギリの状態だったんだなと。現場の皆さんには敬意を表したい。
でも、その一方で津波のリスクについては指摘が事前にあったことも知られている。
私は反原発ではないけれど、どうすればこの事態を回避できたのか、検証がきちんと終わっているのかが気になる。全てを稼働停止にして蓋をするのは、なんだか違うよなと。

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2020年10月11日

Posted by ブクログ

菅元総理が現地に行って批判されたり東電幹部が無能な事や福島原発の所長以下現場社員が頑張っていた事は記憶があるけど、福島のみならず東日本全体が危機に陥っていた事はあまり知られていない。
福島の方には気の毒だけど、よくそれだけで済んだのは東電の現場社員たちのお陰だと思います。

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2020年06月30日

Posted by ブクログ

映画「FUKUSHIMA50」を見て、その原作を読みたくなりました。
読みながら、映画のシーンと当時のニュース映像が頭の中を駆け巡り、あっという間に読み終えていました。
取材力に感嘆です。

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2020年04月12日

Posted by ブクログ

福島原発で震災時にどんなことが起きていたか。想像を越えた極限状態で闘っていた人たちの姿を時系列で教えてくれる。
著者が最後に述べているように、911とスマトラ津波で安全性の見直しをするチャンスを逃したのは大きな悲劇。電源喪失や冷却不能を想定して対策を講じる必要性が明確なのは、後付けの理論などではないように感じる。
ミサイル攻撃やドローンテロなど、想定されるものを全ての対策を講じて始めて原子力のパワーに頼ることができるものと確信させられる

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2020年04月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2011.3.11東北地方を襲った巨大地震。

その後の津波により福島原発も大きな被害を受け機能が停止。

その後起こった爆発によりチェルノブイリ以来の放射能漏れ事故を引き起こした。

あの時何が起こっていたのか。

そこで人々は大切なモノを守るために何をしたのか。

緊迫した状況を描いたノンフィクション。

同じ時代を生きた日本人として読んで良かったと思える一冊でした。


説明
内容紹介
その時、日本は“三分割"されるところだった――。

「原子炉が最大の危機を迎えたあの時、私は自分と一緒に“死んでくれる"人間の顔を思い浮かべていました」。食道癌の手術を受け、その後、脳内出血で倒れることになる吉田昌郎・福島第一原発所長(当時)は、事故から1年4か月を経て、ついに沈黙を破った。覚悟の証言をおこなった吉田前所長に続いて、現場の運転員たちは堰を切ったように真実を語り始めた。

2011年3月、暴走する原子炉。現場の人間はその時、「死の淵」に立った。それは同時に、故郷福島と日本という国の「死の淵」でもあった。このままでは故郷は壊滅し、日本は「三分割」される。

使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した男たちは、なぜ電源が喪失した放射能汚染の暗闇の中へ突入しつづけることができたのか。

「死」を覚悟した極限の場面に表われる人間の弱さと強さ、復旧への現場の執念が呼び込む「奇跡」ともいえる幸運、首相官邸の驚くべき真実……。吉田昌郎、菅直人、班目春樹、フクシマ・フィフティ、自衛隊、地元の人々など、90名以上が赤裸々に語った驚愕の真実とは。

あの時、何が起き、何を思い、人々はどう闘ったのか。ヴェールに包まれたあの未曾有の大事故を当事者たちの実名で綴った渾身のノンフィクションがついに発刊――。
内容(「BOOK」データベースより)
吉田昌郎、菅直人、班目春樹…当事者たちが赤裸々に語った「原子力事故」驚愕の真実。

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2021年03月12日

Posted by ブクログ

福島第一原発事故の発生から、
その収束のための指揮を執った吉田昌郎所長が病気で退くまで、
その原因となったマグニチュード9.0の地震が起こったところから
綴られていくノンフィクション。

どうやって、あの原発事故は最悪の被害を免れたのか、
福島第一の現場の状況は当時どう流れていっていたのか、
そこでどんな人々がどう闘っていたかがわかる本。

どうしても、東電や政府は悪いものだというイメージがあったりする。
10mを越す津波はこないとする想定の甘さといい、
マスコミによる政府や東電側の「対処の遅さや悪さ」
を強調する報道などが一面的になされたからだ。

しかし、本書を取ってみると、
現場で働く東電社員と協力企業や自衛隊の人々の
決死かつ迅速な事故対応を知り、イメージが新たになる。
そこには、平和ボケする僕も含めた大勢の一般人のような日本人はいない。
緊急時に際しても力を失うことなく、
やれることを最大限にやり抜き、知恵を絞り、スピード感を持ち、
そして放射能の恐怖に負けない、強い責任感(なのか、日本を救わなければという気持ちなのか)を
読みながら汲み取っていくことになり、心が打ち震えてくるのである。
まるでハリウッドの奮闘物映画のヒーローのような人たちばかりがでてくるし、
それは脚色でも演出でもなく、生の事実だというそのことが、
彼らへの敬意と感激とねぎらいの気持ちを起こさせるのだ。

そこには数々の人生が交差している。
それぞれに家族がいて、自分の生がある。
大きな、「日本滅亡へのベクトル」というどうしようもない流れに抗して
なんとか最悪の事態になるのには打ち勝った、その頑張りと勇気に
頭が下がってしかたがない。

それにしても、本書の書き方が偏った向きもあるのかもしれないけれど、
当時の首相の管直人さんの言動や行動にはあきれさせられた。
人間、怒りのパワーなどで人や物事を動かそうとしたって、
そんなのは逆によくない影響をもたらしたり、時間を無駄にしたりする。
そういう教訓として、管首相のところは読んだのだった。
「イラ菅」なんて呼ばれるみたいだけど、そんな人だったとはよく知らなかった。

福島第一原発事故はまだ収束しているとはいえないと思っています。
今だって避難している人たちはたくさんいるのだから。
そういう人たちそして、事故そのものを忘れないために、
そして、そこで闘った立派な人たちを知り、忘れないためにも、
(これは、原発推進、脱原発いずれの思想に限らず)
多くの人に読まれるといい本だった。

最近、朝日新聞の吉田調書での虚偽の記事が問題になりましたが、
本書では、そういうことはなく書かれている本だと思います。

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2025年06月27日

Posted by ブクログ

福島第一原発に関する報道で、東京電力のイメージはあまりよくありませんでしたが、前線の社員の方々は、血尿が出るような極限の状態で、死の恐怖と戦いながら、事故を最小限に食い止めようとしていたことを初めて知りました。

その方々の頑張りがないと最悪、青森を除いた東北と関東の全部、新潟の一部という莫大な範囲が避難対象になる可能性があったと知り、そこまで深刻だったのかと、今更ながら、背筋が凍る思いでした。

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2022年07月09日

Posted by ブクログ

震災当時福島第一原発所長だった吉田氏の名前がサブタイトルに含まれているが、登場するのは吉田氏だけでなく、震災直後に現場で奮闘した東電職員のインタビューをもとに構成されている。現場にいた人たちが、津波で電源を失ったあと、どのようにして最悪の事態を回避しようとしていたかが臨場感を持って理解することができる。原発事故については、民主党の福山氏の著書や検証委員会の報告も読んだが、現場の内実を知るという意味では、段違いに理解を深められた。
原発内で津波の犠牲となった、当時21歳の東電職員のご両親のことばも掲載されていたのだが、いたたまれない気持ちになった。原発内にいるに違いないのに、行方不明になってから遺体が発見されるまでに何と3週間も要したとのことだった。そんなにタイムラグがあったことも今になって気づかされたのだが、発見されるまでの間に、行方不明の二人が「現場から逃げた」という心ない情報が流れたこともあったらしい。
以下は父親の言葉。
「ついには、テレビに出演している人が”そんなやつは、捕まえて吊し上げりゃいい”ということを言ったんですよ。私たちはなにも希望のない中にいて、生きて見つかったほうがいいに決まってます。でも、祥希が仕事を放棄して逃げるなんてことがあり得ないことは、親である私たちが一番わかっています。だから、そういう話はショックでした」

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2021年08月08日

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