【感想・ネタバレ】死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

来年2021年は東日本大震災から10年。節目の年を前に原発事故の本を読んでみた。当時の状況はテレビ、新聞で見ていましたがこの本を読んで全然分かってなかったなと感じた。東電の若い社員が二人お亡くなりになった事。その二人に酷い誹謗中傷があったこと。東電の社長が言葉足らずに政府に状況に伝えた為緊急会議が開かれたこと。そもそも政府が良く東電に聴けよとか思い馬鹿馬鹿しいとすら思った。又菅首相の東電への心無い発言。現場で懸命に作業している東電社員の心が折れそうになるかと思う。迷惑このうえない電撃訪問。その結果東電や他の人が被爆したかもしれないこと。それに引き換え吉田所長をはじめとして自衛隊や名もない人々の献身的な作業本当に現場の人々のお陰で今平和な暮らしができているのだと頭が下がる。
これを教訓にしてテロと自然災害に対応できる原発になっているのか?
それについての議論が国会で行われたのか? 行われていないのであれば亡くなられた方に申し訳なく思ってしまう。

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2020年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 当時、私も神奈川近郊の工場で働いており、バスに乗車して出勤中であったが、バスごと揺れる体験をしたのは初めてだった。震源地からそれなりに距離がある場所でもあれだけの揺れが生じたのに、あの未曾有の被東日本大震災による東電の原発緊急停止の現場はまさに修羅場だったと思う。その中で陣頭指揮をとった人が吉田所長であったことはまさに不幸中の幸いだったんだなという事が実感できる本である。
 もし格納容器爆発が起きていたら「チェルノブイリの10倍の放射能被曝」が生じ、関東含めた東日本一帯に人が住めなくなり、日本が三分割される可能性もあったということはこの本で初めて知った事実であるが、それを瀬戸際のところで命懸けで防いで頂いた吉田所長を筆頭とした東電の現場の方々には感謝と敬意で頭が上がらない。
 現場の意見や状況をしっかり把握し、焦らず着実に情報伝達をするという事が危機対策の鉄則であるという事が改めて理解できるし、平時にもっと危機意識を持って、今後の災害・危機対策を検討しなければならない。
 コロナウイルスもまさに世界中で危機的状況に陥っているが、新型インフルエンザの特措法はあったが新型(コロナ)ウイルスは法律上想定していなかった事を考えると、まだまだ危機意識が不足しているということなのだろう。

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2020年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2011.3.11東北地方を襲った巨大地震。

その後の津波により福島原発も大きな被害を受け機能が停止。

その後起こった爆発によりチェルノブイリ以来の放射能漏れ事故を引き起こした。

あの時何が起こっていたのか。

そこで人々は大切なモノを守るために何をしたのか。

緊迫した状況を描いたノンフィクション。

同じ時代を生きた日本人として読んで良かったと思える一冊でした。


説明
内容紹介
その時、日本は“三分割"されるところだった――。

「原子炉が最大の危機を迎えたあの時、私は自分と一緒に“死んでくれる"人間の顔を思い浮かべていました」。食道癌の手術を受け、その後、脳内出血で倒れることになる吉田昌郎・福島第一原発所長(当時)は、事故から1年4か月を経て、ついに沈黙を破った。覚悟の証言をおこなった吉田前所長に続いて、現場の運転員たちは堰を切ったように真実を語り始めた。

2011年3月、暴走する原子炉。現場の人間はその時、「死の淵」に立った。それは同時に、故郷福島と日本という国の「死の淵」でもあった。このままでは故郷は壊滅し、日本は「三分割」される。

使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した男たちは、なぜ電源が喪失した放射能汚染の暗闇の中へ突入しつづけることができたのか。

「死」を覚悟した極限の場面に表われる人間の弱さと強さ、復旧への現場の執念が呼び込む「奇跡」ともいえる幸運、首相官邸の驚くべき真実……。吉田昌郎、菅直人、班目春樹、フクシマ・フィフティ、自衛隊、地元の人々など、90名以上が赤裸々に語った驚愕の真実とは。

あの時、何が起き、何を思い、人々はどう闘ったのか。ヴェールに包まれたあの未曾有の大事故を当事者たちの実名で綴った渾身のノンフィクションがついに発刊――。
内容(「BOOK」データベースより)
吉田昌郎、菅直人、班目春樹…当事者たちが赤裸々に語った「原子力事故」驚愕の真実。

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2021年03月12日

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