【感想・ネタバレ】閻魔の世直し―善人長屋―のレビュー

あらすじ

周囲から「善人長屋」と呼ばれる千七長屋。差配も店子も表向きは堅気のお人好し揃いだが、実は裏稼業を営む悪党だらけ。ある日、「閻魔組」と名乗る三人組によって裏社会の頭衆が次々に襲われ、惨殺される事件が発生する。天誅を気取る「閻魔組」の暗躍は、他人事として見過ごせない。長屋を探る同心の目を潜り、裏稼業の技を尽くした探索は奴らの正体を暴けるか。人情溢れる時代小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「善人長屋」の続編。

前作でお縫たちと知り合った盗人頭・月天の丁兵衛が、野党に襲われるところから、物語は始まる。そこから存在があらわになる『閻魔組』。世直しを大義名分に掲げ、悪党全員皆殺しと言わんばかりの暴虐の限りを尽くす彼らを疎う善人長屋の悪党たち。その中にどこ吹く風の正真正銘の善人・加助。

ある日、千七長屋に訪れた一人の侍・白坂長門。千七長屋で質屋を営む儀右衛門の娘・お縫は、憮然とした侍に、まさかの慕情を抱いてしまう。

しかし、その白坂に「閻魔組の一味ではないか」という疑念が、長屋の衆でうそぶかれる。

混乱するお縫の下に、びしょ濡れの加助に背負われた白坂の姿が現れる。さらに混乱するお縫。

-長屋のみんなも守りたい。長門様も救いたい

そんなお縫の耳に、閻魔組の頭取が白坂に刃を向けたという噂が入る。たまらず駆け出すお縫。

一味にあっさり捕まるお縫。

万事休すの瞬間に、白坂の白刃が一味を斬り捨てる。

前作とは一風変わった、ドラマチックアクションになった今作。まるで時代劇を観ているような感覚が楽しい作品です。

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2024年09月27日

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ネタバレ

結局、みんな各々の立場で、自分が正しいと主張し合うと殺し合いになる、戦争になる、閻魔の世直し、不可能でした、という結論。

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2025年10月21日

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ネタバレ

前作同様、善人長屋の差配と店子たちのキャラクターが良くて楽しい。今作は長編ということもあって、事件も江戸を騒がす大きなもので、ハラハラする場面もあった。お縫ちゃんの恋心もちょっと唐突だった感じはあるものの、うまくストーリーに盛り込まれていた。前作から読んでいると、お縫ちゃんは文吉とお似合いだと思うんだけど、この二人は進展するんだろうか。次の「大川契り」も読みたい。

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2023年06月05日

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ネタバレ

巷では善人ばかりが住む『善人長屋』と呼ばれる千七長屋の住人は、表の顔とは別に裏稼業を生業にしている者ばかり。
善人でいるのは、お上に目をつけられないためだ。
だが、唯一本物の善人である加助が、行方知れずになった父親を探して路頭に迷った6人の子供たちを保護したことから、血なまぐさい事件に巻き込まれていくことになる。

千七長屋の差配である儀右衛門のように、極力罪のない庶民に迷惑が掛からないように裏組織を牛耳っている親分たちが次々と惨殺される事件が起こる。
『江戸の悪党どもは、すべて閻魔組が始末する。首を洗って待っていろ』と言う投げ文に、儀右衛門たちは、この事件の裏を探る。

悪人はもちろん悪い。
しかし、だからと言ってお上の裁きに任せることなく、命を奪うのがいいことなのか?
儀右衛門の娘、お縫は長屋の義理堅くてお人好しな面々たちのことを心配する反面、新しく定廻になった白坂長門に惹かれるものを感じるのだった。

悪人たちが惨殺される傍ら、江戸の人たちの心はすさみ、治安が良くなるどころか物騒な時間が多発するようになった。
悪人を成敗しても世の中が一向よくならないのはなぜか?
閻魔組も一枚岩ではなくなった。

閻魔組とは何者なのか。
また、それを後で牛耳っているのは誰なのか。
善人長屋の者たちは、真実にたどり着くことはできるのか。

そして今回の見どころは、お縫の恋だ。
長屋の唐吉に憧れていたのとは違う、考えるだけで胸が苦しくなるような本物の恋。
おやおや、今後はお江戸版『ルパンの娘』になるのかい?
ひとりヤキモキする文吉。
いやあ、若いっていいわねえ。

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2023年01月13日

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ネタバレ

 今回は長編でしたね。

 『閻魔組』を名乗る人物たちがお江戸の悪党を皆殺しにしていくという事件が起こっている状態の中で、お縫は同心見習の白坂の言葉に悩む。『善人を気取る者ほど、胡散臭い』

 それは悪党ばかりの善人長屋を疑っているのではないかと。

 それからも続く人殺し。

 事件を追いかける善人長屋の人々。

 今回はお縫ちゃんが少しかわいそうだったな。

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2022年04月21日

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ネタバレ

話がどんどんでかくなってきて、どうなるかと思っていた、
今回、善人の加助はあまり登場しなかった。

白坂長門とお縫ちゃん 結ばれると面白かったのになぁ。

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2022年03月23日

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ネタバレ

お人好しばかりの“善人長屋”と呼ばれる千七長屋の住人は、たったひとり本当の善人の加助以外は、実は全員裏稼業を持つ悪党揃い。
ある日、的屋の元締を皮切りに、江戸の裏稼業を仕切っていた頭たちが「閻魔組」と名乗る三人組に次々に襲撃され、その場にいた全員が惨殺されるという事件がおこる。
「閻魔組」は“役人が捕まえられない悪党を成敗する”とのふれ込みで、一時は町の人々からも支持されるが…


うかつにも、シリーズものと気付かず、第二作から読んでしまった。
長屋の差配人で故売屋の儀右衛門の娘・お縫が、「閻魔組」のうちの一人と思われる町方役人・白坂にほのかな恋心を抱いたことが、物語に彩りを添えている。

悪党揃いの長屋と言いつつ、誰もが根っからの悪党ではないので、一周まわって人情あふれる時代ものになっている。
店子の面々の得意技の描写があまりないのは、先行の第一作に描かれているからと思われる。

むむ、第一作に戻ろう…

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2021年06月16日

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ネタバレ

2021/1/6
お縫ちゃんが恋は盲目状態になって暴走するのがな。
私苦手なんよな。イラついちゃう。
閻魔組の浅はかさにもな。
若さ故の暴走を鷹揚に受け止められないオバハンは全くもって不徳の致すところ。
あと夜叉坊主の鬼畜ぶりがなんか引く。
目的のためには手段を選ばないだけなら整合性も感じられてまだ意味は分かるんだけど、わざわざ相手を苦しめようとするやり口はなんか引く。
わーこれは私引くんやーと発見しました。
物語に入らないようにバリアをはった。
それでも文吉が怒るのとかかわいかったり、月天の親分のその後がおかしかったりでまた続きを読みたいなと強く思わせる仕上がり。
最終盤まで白坂様に違いないと思わせるのもお見事。

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2021年01月07日

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ネタバレ

2作目はシリアスで目を背けたくなるような
痛々しい物語なのに 目が離せないほどの
考え尽くされた展開…というなんとも悩ましい。。

なんだかこの一冊で 喜怒哀楽すべて放出した感じ。

善人長屋のみんなが全員無事で 何より。
善悪なんて…ひとりの経験や思い込みなどで
決めてよいものではないのだと
つくづく身に染みると同時に

心の中で思うことはできても
言葉にはしにくいそんな正直なこの本音を
これだけはっきりと描けるのは小説の醍醐味。

早く次を読もう。あー完結してしまうのか。。

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2019年06月23日

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ネタバレ

最近お気に入りの西條奈加先生の本
若者はいつでも先鋭化して行動する
が、老獪な悪い大人に気をつけなさ
いという教訓ものがたり(´・ω・`)

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2022年05月16日

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