あらすじ
ある中学校で一人の男子生徒Kが自殺した。『菅原拓は悪魔です。誰も彼の言葉を信じてはいけない』という遺書を残して――。 自殺の背景には“悪魔のような中学生”菅原拓による、Kを含めた4人の生徒への壮絶なイジメがあったという。だが、Kは人気者の天才少年で、菅原拓はスクールカースト最下位の地味な生徒。そして、イジメの目撃者が誰一人としていなかったこと、彼らの接触の証拠も一切なかったことなど、多くの謎が残された。なぜ、天才少年Kは自殺しなければならなかったのか。 「革命は進む。どうか嘲笑して見てほしい。情けなくてちっぽけな僕の革命の物語を――」 悪魔と呼ばれた少年・菅原拓がその物語を語り始めるとき、そこには誰も予想できなかった、驚愕の真実が浮かび上がる――。 圧倒的な衝撃、逃れられない感動。読む人全てを震わせ4,580作品の頂点に輝いた衝撃作。
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メリーハッピーエンド
結論
有象無象の敵の中で出会えた温もりに溺れて幸せになれと捉えた結末。確かに主人公は物静かであんなことやることさえ辛かっただろうが、吐き出さなければ心が苦しかっただろう。当作品は臭いものに蓋をして円満を装った終わりだった。だからメリーハッピーエンド。
君を傷付ける家庭も孤独ももう無いから大丈夫とでも伝えたいのか。抉りに抉られた心の傷を流して終わらすな、
以下激情
頼むから死んでくれ。とても酷い終わり。惨たらしいまでに生殺し。こんなに苦しんだ気持ちを認めず断らず飼い殺して腐らせる。
校長への報復が失敗した理由に、主人公の中にある優しさを唱えて慰めたけど、それまでの虐待に劣らないほど非道。校長への叫びだって確かな思いだったのに、ぶつける先を消した。握りしめて上げた手はどうなるのか。当たり散らそうと拭えない悔しさがこびりつくのを思えば、焚書レベルの不快さ。
そうならず、主人公が劇中の一件を過去のものにしたなら、当作品のドラマは親友の自殺さえ塵同然にする所業。
エピローグが終わって、次の日、来年、将来、主人公はどんな思いをするのか、暗い想像が浮かぶ。物語は終わってなく、清算もできなかった主人公はどうなるのか考えたくもない。