あらすじ
中小企業と大企業では、決算書の分析手法が異なります!
書店にあまたあるトヨタやユニクロといった大企業の決算書の分析手法を、中小企業の経営判断に当てはめても、役立たないのです。
たとえば、流動比率(流動資産÷流動負債)を計算すると、200%超の超優良企業になる中小企業は少なくありませんが、そんな企業が倒産することは珍しくありません。
それは、大企業の決算書が財務会計上“正しい”のに対して、中小企業の決算書は節税対策でつくられてしまうこともあるからです。
本書は、企業にお金を貸す立場の銀行員が実践するノウハウを踏まえて、中小企業の「等身大の決算書」を財務分析するポイントを解説。
「銀行の担当者は決算書の何を見て融資先の実力を判断しているのか」を知ることで、自社の課題・問題点も見えてきますし、銀行の態度が豹変する前に、適切な経営改善策をとることだってできるようになります。
経営に不可欠な「決算書の読み方・活かし方」に関する知識を身につけて、会社の数字をビシッと語れる経営者になりましょう。
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Posted by ブクログ
もと金融機関の方が書かれた、銀行員目線での決算書の見方を解説してある本。
とてもわかりやすい表現で書いてあって、とても理解が深まった。特に中小企業の社長は読んでおくと、銀行の担当者と同じ目線で交渉できるので、いいと思う。
「税理士の先生に任せているから数字はよくわからん」って言っている社長は自分の仕事の結果に対して理解してませんって言っているようなもの。
銀行員も呆れますよ。
自分も銀行員なので、読みながら「あー、そういえばこう言うところを意識して読んでるなあ」と思った。とても上手に言語化してあって、銀行員が読んでも「そうそう、あるある」と納得の内容だった。
つまり、融資を利用している中小企業の社長であれば必読の内容。銀行員も当然この程度のことは考えながら話してますよ、ということを共通認識で持っていればとても有利になる。
赤字だからと諦めるのではなく、銀行員目線での説明ができれば、通ることがあるかもしれない。
この本の内容はとても素晴らしいのだけど、残念なのは装丁が地味すぎること。この表紙だと、なかなか他の本との差別化ができず、読んでもらえない。私も他の人からおすすめされなかったら読んでなかっただろう。内容がいいのに勿体無いと思った。
硬そうな内容を想像させる表紙だけど、中身は平易な文章でわかりやすく書いてあるので、とてもわかりやすい。社長たちにお勧めできる良書。
Posted by ブクログ
中小企業の決算書を銀行員がどのように読んでいるかが書かれている本。銀行員として正にこの本に書かれているような読み方をしている上、BSとPLの繋がり、CFの考え方が非常にわかりやすく解説されており、学びもあった。簿記学習者にもおすすめ
Posted by ブクログ
銀行が中小企業を財務面で評価する際の重視するポイントは、大企業のそれとは異なっている。一般的な流動比率などの財務指標などは使われない。特に銀行が重視する5つのポイントは
①本業の利益 営業利益や経常利益
②債務超過の有無 中身の伴っていない資産を控除した「実態バランスシート」で債務超過の有無を判断する
③資金繰り 現金は粉飾できない。PLとBSの動きから資金繰りの状況を推定する
④返済力 PLの利益だけでなく、社長の資産など様々な角度から実質的な返済力をチェックする
⑤成長性 事業内容に成長が見込めるかどうかを確認する
また、借り入れやその返済も重要である。リスケをすると、銀行からは倒産予備軍と思われる。利息は返すものではなく支払うものという考え、当期純利益+減価償却費を活用した収益弁済など、税理士に頼らない社長の借入返済に対する意識が財務体質を決める。