【感想・ネタバレ】アドボカシー・マーケティング ― 顧客主導の時代に信頼される企業のレビュー

あらすじ

「良い関係」だけでは足りない。顧客を徹底的に「支援(advocate)」せよ!

企業と顧客の力関係は、インターネットの登場によって完全に逆転した――それが今日のビジネス環境変化の本質だ。誇大広告、キャンペーン、ポイント・プログラム、・・・こうした従来のマーケティングは、もはや破綻している。それどころか、逆効果を生みさえしている。

現代の消費者は気まぐれだ。一度は目を向けても、他に良いものがあればすぐに去っていく。押し付けがましいプロモーションには嫌悪や反感を抱く。企業の評判も悪評も即座に広めて、企業の命運に強い影響を与える。

そこで提唱され始めた新たなコンセプトが「アドボカシー(支援)」である。たとえ一時的には自社の利益に反することでも、顧客にとっての最善を徹底的に追求することで、長期的な信頼を得ようとする考え方だ。一見、常識に反するような試みを、事実、幾つもの企業が導入し始めた。まさにマーケティング のパラダイムが大きく変化しつつあるのだ。

「信頼」を基礎とする「アドボカシー・マーケティング」。そのコンセプトは、日本の企業文化に取り入れ、競争優位の構築につなげていけるものに違いない。マーケティング関係者や経営者はもちろん、企業活動に関わるすべての人にとって必読の一冊。

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Posted by ブクログ

■アドボカシー・マーケティング

A.アドボカシー戦略では、顧客にあらゆる情報を包み隠さず提供する。そして、顧客が最高の製品を見つけられるように支援する。それは時に、競合他社の製品を薦める場合もある。

B.アドボカシー・マーケティングの7 つのルール
1. 顧客に全ての情報を公開して、支援する
2. 宣伝や販売活動よりも、優良製品へ重点的に投資する
3. 価値を創造する(価格ではなく、価値の高さを重視する)
4. 顧客とともに製品を作る
5. 顧客との約束を完全に実行して、信頼を獲得する
6. 顧客にとっての優良企業になる
7. 顧客との長期的な信頼関係を測定する

C.顧客の力、カスタマー・パワーが劇的に増大した背景
1.情報へのアクセスの増加
2.選択肢の増加
3.直接取引の単純化
4.顧客同士のコミュニケーションの増加
5.顧客による防衛手段の増加

D.ある調査では、ポップアップ広告について「とても腹立たしい」と答えた消費者は全体の64 %。「腹立たしい」と答えた人を加えると96 %だった。

E.アドボカシーの実践による最高レベルの信頼構築によって、最も大きなメリットを受けるのは、次のような特徴を持つ業界の企業である。
・製品が複雑
・製品に対する顧客の関与が深い
・顧客が間違った製品を選んだ場合の損害リスクが高い
・入手可能な製品の種類が多い
・情報量が多い

0
2015年10月09日

Posted by ブクログ

ネットの普及により顧客と企業の情報の不均衡が消滅した結果、顧客に全ての情報を開示し、顧客のニーズにマッチした商品を薦める企業が信頼され、売上げを伸ばすというもの。
この本を読んでいて、ウチの会社もアドボカシーなのではと思ってしまった。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

「顧客を支援せよ」という話だが、なかなか実践に結びつけることは難しい。場合によっては他社を勧めることもしなければならない。
個人的に行き過ぎな支援はウザイと思ってしまう。

0
2009年10月04日

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