【感想・ネタバレ】日本軍はなぜ満州大油田を発見できなかったのかのレビュー

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Posted by ブクログ 2020年03月11日

【技術とは,ハードだけで成り立つものではない。何のための技術かというソフト面を追求することも重要なのだ】(文中より引用)

戦前の日本のエネルギー政策、特に石油との関係に光を当てながら、意思決定や思考法にまつわる様々な問題点を指摘した作品。著者は、三井物産で一貫してエネルギー関連業務に携わった岩瀬昇...続きを読む

石油というフィルターを通して見た『失敗の本質』といった趣きの一冊。嘘が数字を作り願望が現実に優先する様子などからは、過去の出来事だからと済ませてはいけない教訓が満載かと。

少し硬い文章ですが☆5つ

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Posted by ブクログ 2018年12月24日

そもそも陸軍は石油をあまり使わなかったので関心が薄かったというのが原因。
軍隊というのは保守的なので新しい流れについていけないのでしょう。

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Posted by ブクログ 2017年11月25日

世界最前線のビジネスマンが書いた本は、学者の書いた本とは全く違う面白さがある。
太平洋戦争開戦前に石油の需給や戦況の展開を正しく予想出来ていながら、対米戦を回避できなかった不思議。国民世論が戦争を望んでいたにせよ、東条英機の頭の中を覗いてみたいと思った。

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Posted by ブクログ 2016年04月29日

 本書は、日本の石油史を描いたもので、表題はその一部でしかない。
 明治末期の石炭から石油への変換期、樺太石油のロシアとの交渉、満州や戦時の石油をめぐる政府や軍部、石油会社や技術者などの状況を記してあり、石油から見た日本現代史と言ってもいい。
 石油技術者の意見や提言は、政軍には軽んじられ或いは理解...続きを読むが乏しく、水から作るなどの詐欺に騙されそうになったなど、エピソードも豊富である。
 このように石油というか一次エネルギーは日本は恵まれていないのに、一般には関心が低いように感じられるのだが、それを覆すには、本書のような読みやすくわかりやすい良書が必要であろう。
 著者は、石油事業に長年携わってきた経験があり、引退後は本書のように本を執筆することにも積極的に思えるので、今後の活躍が楽しみである。

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Posted by ブクログ 2016年03月09日

石油探査の専門家の本。

南方の石油を取りに行く話ばかり印象に残っていて、樺太や満洲で油田を探していたことを初めて知った。
例によって場当たり的で陸と海が無益な争いをしていて、頭が痛くなる。

発見できなかった理由を知って学ぶのは意味があるが、当時発見できていたとして、あの場当たり体質では活用できず...続きを読むに終わったのだろう、と思わせられる。

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Posted by ブクログ 2016年02月25日

日本軍が科学技術を軽視した結果きっちり痛い目を見た、というお話のうちの一つ。アメリカの経済制裁が手ぬるいせいで原油が輸入できてしまって開戦できてしまった(大意)、というのは初めて知った

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Posted by ブクログ 2019年07月02日

数字は嘘をつかないが、嘘は数字を作ると言う言葉がでてきたが、嘘で積み上げられた石油の産出量や需要量でWWIIの開戦が決定された。事業計画でも根拠ないが、事業規模ありきで数値目標を積むこともあるとは思うが、責任をもって遂行できる数値目標を立てるべきだと思った。

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Posted by ブクログ 2016年05月14日

日本が太平洋戦争で対米開戦に踏み切ったのはアメリカからの石油の禁輸がきっかけであったことはよく知られています。当時、日本が実効支配していた満州や樺太では現在はかなりの量の石油が生産されています。もしも当時の日本がそれらの地域で石油を生産するに至っておれば、対米開戦のシナリオは違った結果を辿ったかもし...続きを読むれません。
なぜ、石油資源の豊富な地域を手にしていながら石油を手にすることができなかったのかを当時、石油探鉱に携わった軍や民間の記録を辿って検証します。
石油を探す技術や、原油から石油製品を生産する技術の欠如であったり、産油地から日本までの輸送計画のずさんさであったりと、ここでも科学的・合理的とは言いがたい当時の日本の対応が原因となっていました。
著者は商社で石油を扱っていたエネルギーのプロです。原発も含めたエネルギー問題を考える上で、過去の失敗を冷静に検証している貴重な資料だと感じました。

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