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昭和初期の北樺太石油、満洲国建国時の油兆地調査、そして東南アジアの南方油田。
そこには確かに石油があったのに、日本はモノにできなかった。そして石油政策なきまま、戦争へ突入する。
43年間、商社でエネルギー関連業務に従事し、現在はエネルギーアナリストとして活躍、『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?』(文春新書)を上梓した著者が、戦前、戦中の石油技術者の手記を読み込んで明らかにした戦後71年目の真実。そこには現代日本のエネルギー政策への教訓があった。
第一章 海軍こそが主役
第二章 北樺太石油と外交交渉
第三章 満洲に石油はあるか
第四章 動き出すのが遅かった陸軍
第五章 対米開戦、葬られたシナリオ
第六章 南方油田を奪取したものの
第七章 持たざる者は持たざるなりに
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Posted by ブクログ
本書は、日本の石油史を描いたもので、表題はその一部でしかない。
明治末期の石炭から石油への変換期、樺太石油のロシアとの交渉、満州や戦時の石油をめぐる政府や軍部、石油会社や技術者などの状況を記してあり、石油から見た日本現代史と言ってもいい。
石油技術者の意見や提言は、政軍には軽んじられ或いは理解が乏しく、水から作るなどの詐欺に騙されそうになったなど、エピソードも豊富である。
このように石油というか一次エネルギーは日本は恵まれていないのに、一般には関心が低いように感じられるのだが、それを覆すには、本書のような読みやすくわかりやすい良書が必要であろう。
著者は、石油事業に長年携わってきた経験があり、引退後は本書のように本を執筆することにも積極的に思えるので、今後の活躍が楽しみである。
Posted by ブクログ
日本が太平洋戦争で対米開戦に踏み切ったのはアメリカからの石油の禁輸がきっかけであったことはよく知られています。当時、日本が実効支配していた満州や樺太では現在はかなりの量の石油が生産されています。もしも当時の日本がそれらの地域で石油を生産するに至っておれば、対米開戦のシナリオは違った結果を辿ったかもしれません。
なぜ、石油資源の豊富な地域を手にしていながら石油を手にすることができなかったのかを当時、石油探鉱に携わった軍や民間の記録を辿って検証します。
石油を探す技術や、原油から石油製品を生産する技術の欠如であったり、産油地から日本までの輸送計画のずさんさであったりと、ここでも科学的・合理的とは言いがたい当時の日本の対応が原因となっていました。
著者は商社で石油を扱っていたエネルギーのプロです。原発も含めたエネルギー問題を考える上で、過去の失敗を冷静に検証している貴重な資料だと感じました。
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