あらすじ
湘南、ハワイ、ロス……夏の風が吹き抜ける海辺の街で生まれた5つの愛の物語――。小学生の頃、塾の先生から教わったビートルズの曲を2人で口ずさんだ初恋の思い出を切なく綴る「あの日、『ペニー・レイン』を歌ったね」、ひと夏だけ滞在した大学生との恋を明るく描いた「風を見ていたサバ」など、夏のカラッとした爽やかさの中に、ほろ苦さ、切なさが溢れるハート・ウォーミングな物語。ほかに「ノース・ショア・セレナーデ」「敗戦投手に、口づけを」「潮風のパスタ」。大人のための恋愛小説集。
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Posted by ブクログ
・爽やかさ、懐かしさ、温かさを感じさせる夏の恋愛小説短編集
・テンポのいい文体で、頭にスッと入ってくる
・幼少時の淡い恋心に始まり、学生の恋、大人の恋まで幅広いストーリー
Posted by ブクログ
もし、僕と彼女のことを小説に書くとしたら、ラストはどう書くだろうと、ふと考えはじめた。しばらく考える。たとえば……。
〈これはこれで、ひとつのハッピー・エンドといえるだろう。〉と結ぶ。続けて、〈僕と彼女が「ペニー・レイン」を歌ったあの日は、いまも色褪せることなく、僕の中で輝き続けていた。〉と、しめくくるかもしれない。
「あの日、『ペニー・レイン』を歌ったね」より
Posted by ブクログ
夏、と、恋、にまつわる5つの短編小説。
さわやかな装丁に気持ちが惹かれて、手に取ってみた。
ライトな感じの小説だったかな。
さわやかで、さらりとしてて、ほとんど後味を残さない。
タイトルのとおり、浜辺に吹く夏の風みたい。
夏の恋ってこうかもね。
軽くても、衝動的でも、それも悪くないじゃん、って思わせる。
そういうものをお互いが求めるなら、形なんていらない、って。
必ずしもHappy endばっかりじゃなくて
せつない恋の物語もあったけど、
それはそれで少しだけ素敵だった。
(自分はやだけど、せつないのは)
個人的には、3話目の『敗戦投手に口づけを』と、
最後の話、『潮風のパスタ』がお気に入り。
絵になりそうな、夏の場面が浮かぶような、
そんなきれいな物語なんだもん。
『あの日、「ペニー・レイン」を歌ったね』
っていうタイトルも、詩的で好きなんだけど。
これは、ちょっと切なすぎた。
過去にしなきゃいけない瞬間か。
でも、やっぱり、海はいいなぁ。
広くて大きい場所が好き。
水のある場所も好き。
気持ちが落ち着いたり、開放的になったりする、
その心躍る感じが大好き。