あらすじ
愛妻の死を契機に、残りの人生を謳歌することにした整形外科医の国分隆一郎、73歳。ある夜、愛人とのセックスの最中に突如性的不能となった彼は、絶望と孤独のどん底に突き落とされる。折しも、亡き妻を彷彿させる女性弁護士が患者として来院。強く心を惹かれるが――。高齢者の性の“真実”を赤裸々に描き、新聞連載時から大反響を巻き起こした衝撃の問題作!
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Posted by ブクログ
渡辺淳一氏の作品は医療ものなどが好きで昔よく読んでいたが、最近は恋愛ものが多いので読んでいなかった。これは遺作とも呼べる作品らしいが、文庫のあとがきで林真理子氏が「それほどの傑作ではない」と書かれていたように、そこまで文学としてすばらしいものではないと思う。
しかしこの話は、主人公の気楽堂という男が70歳を超えてある日突然性的不能になってしまうところから始まる。今までの小説で、このように老人の不能を取り扱ったものがあっただろうか?と思うと、その赤裸々なまでの描写に新しいものを感じた。
性的不能に限らず、年を取ってくるといろいろな体の部分がダメになっていくのが悲しいが興味深い。