【感想・ネタバレ】PDCAプロフェッショナル―トヨタの現場×マッキンゼーの企画=最強の実践力のレビュー

あらすじ

トヨタの現場と
マッキンゼーの企画から
得た最強の実践力

トヨタとマッキンゼー。
実践力と戦略立案力、一見、2つのまったく異なる志向性をもつ組織のように見える。
トヨタは、主要な実務の精度向上を目的とした、現場での展開がしやすい問題発見の考え方や実践手法のレベルを常に向上させ、それらを全社で使いこなす。マッキンゼーは、依頼主が放置していた、あるいは、見逃していた経営レベルの課題を明確にし、解決策をつくり上げるためのツールや方法論、そしてファームの能力の開発・向上にいそしむ。

この2つの企業に共通するのは、PDCAの精度の高さ、速さ。
PDCAはPlan(企画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(方法論の改善・進化)というあらゆるビジネスに必須のサイクルを精度高く、早く回す。新人研修で教えられる基本中の基本を、2つの優良企業が重んじている。

トヨタのグループ企業の豊田織機製作所、マッキンゼーを経験した著者・稲田将人氏がPDCAの本質的な意味合いと実践的な方法論をまとめたものが本書。最終の第6章には実際に組織としてPDCAを廻す事例を紹介している。実践に即したイメージを知りたい方はぜひ読んで欲しい。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

■PDCA,これほどビジネスシーンで単なる掛け声程度にしか使われていない言葉はない
→トヨタ・マッキンゼーは、高度なPDCAを回して、自らの問題解決能力の追求・方法論を進化させている。

■トヨタ
・現状の課題、問題点について、適切な「見える化」「目で見る管理」をするための工夫に知恵を使う。
・その差異、異常値の理由を「5回のなぜ」で追求し、対策を行う

■マッキンゼー
・フレームワークを使った分析を駆使し、「事実」ベースでことの因果を明確にして、問題解決を行い、経営トップ向けの「提案」を提示する

■仕事のできる人=企画力・実践力のある人
・よく考えて企画を組み立て(Plan)、しっかりと実行し(Do)、結果を検証して(Check)、自分のやり方や考え方を修正し、進化させる(Action)
・DPCAの基本動作を全うに繰り返し、正しく経験を積み、力をつけてきた人
・自身の経験則から学んだことを、自ら法則化し、より高次元レベルとして積み上げていく。
→精度と汎用性の高い経験則になる。

■恋愛とビジネス
・環境や容姿に関わらず、打席数✕打率で決まる。
・女性に対して、一生懸命頭をひねって知恵を使いアイディアを出し(P)、時間を惜しんで行動し(D)、結果から女性心理の考察(C)や、自身の方法論の修正を重ね(A)た人。→魅力がある。

■Checkが機能しない企業=戦略がない会社・思いつき組織→疲弊する
・Cのためには、「見える化」を徹底的に進化させる。
・現状のやり方の課題や問題点を、常に表面化させ、検証(C)できるようにする。
→そして見つかった問題点の改善(A)をする

■Pの基本作法
①現状把握
・事実ベースで「見える化」
(過去そして現状、事業や営業、費用対効果の実態。
 過去に行ったPの結果はどうだったのか)

②意味合いの抽出と「解の方向性」の明確化
・どこにどれだけのギャップが存在するか
・どんどん細分化してみて、原因を明らかにする。

③施策の決定
④実行計画の策定

■D実施

■C 謙虚に、客観的に結果の検証を行う
・ある部署や事業部が、どう考えて、何を実施し、その結果はどうなったか、
 そしてうまく行った場合、いかなかった場合、その因果関係はどうなったか、

■A 方法論を磨き、ビジネスプロセスを進化させる

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2024年12月28日

Posted by ブクログ

PDCAサイクルを回すヒントを知りたくて手に取った本。実践力の観点からは、大変有益だった。トヨタや、クライアントのこぼれ話もちょいちょい挟んでいて、面白い。
PDCAサイクルを回す仕組みを運用する上で大事な点は前半の2章に凝縮されていて、残りの章の迫力がやや落ちるのが、惜しい点ではある。しかし、PDCAのスキルに留まらず、サイクルが機能するためのや心構えや具体例が揃っており、企業で働くリーダーに是非読んで欲しい。

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2017年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何冊か目のPDCA本。著者稲田将人氏は、マッキンゼーを経て行くつかの会社で経営に携わったとのこと。タイトル的にも、発行が2016年で新し目なのもあり、期待大で購入。

感想。
肩透かし感あり。
備忘録を振り返っても、仕事のノウハウばかり。
「PDCAプロフェッショナル」は結局どこへ行ったのか。

忘録。
・トヨタの奥田会長が「私はどこの会社でも経営できます。それは私がPDCAを廻せるからです」と語っているらしい。
・強みの源泉がわかりにくいのは、ある意味で参入障壁。
・「仕事ができる」は単にI.Qの高さや地頭が良いことではない。皆が避けたがる様な修羅場に、他の誰よりも数多く直面した経験があり、難易度の高い着地を成功させてきたひと。
・戦略が機能するのは実行力のある会社。つまりPDCAを廻せる会社。
・見込み違いや失敗を表面化させることを美徳としたい。
・施策の内容よりも、如何にその施策を精度高く実施できるか。
・ウォルマートは日単位でPDCAをまわしているとか。
・良質な仮説を生める場所は現場。
・なぜやるのか、なぜそのやり方をするのかを明確にしたい。
・CはPがあって機能する。
・「理論的に正しく綺麗にできているが、その内容が具体的にわからない」こういう資料をバケツが並んでいる状態と言う。
・よく「それは戦略的に判断してやりました」は、経営判断としての正しさは説明しにくいが、収益性は度外視してやった」と同義なケースが多い。
・見える化、表現、書くこと、は課題構造を明らかにする。

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2017年02月14日

Posted by ブクログ

PDCAの再確認にはなった。
閑話休題が多すぎて、リズム感が途切れてしまうことが絶え間なくあったのが残念。閑話休題は不要か、もっと量を減らす方が読みやすい。

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2016年03月25日

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