あらすじ
大導寺一族の末裔・静音は、幼なじみで新進の推理作家・藤枝直顕の願いで、遠縁の老婆・妙蓮院笑子を訪問した。直顕から静音の“顔”が彼女の話を聞き出すのに必要だと頼まれたからだ。二人を前にした老婆は、静音の顔を見て叫び声を上げた!老婆・笑子は、やがて自身の若かりし頃を語り始める――それは、静音の大叔父・乙音と直顕の祖父・清顕との死に彩られた悲恋の物語だった……。壮大なスケールで語られる絢爛たるミステリー・ロマン!!シリーズ第4弾!
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Posted by ブクログ
ストーリーテラーとしてまさに天才的な
栗本薫さんの、六道ヶ辻シリーズ。
まあ、とにかく栗本さんの筆の勢いが凄いです。こちらも京極堂ほどではないにしろ結構な分量なんですが、どんどん読ませられてしまいます。
以下、少し内容を。
戦前、上海で謎の死を遂げた美青年(←ここがミソ笑)大導寺乙音、その婚約者であった妙蓮院笑子女史にその頃の話、彼の謎の死について話を聞きに行くというところから物語は始まって、ほぼ笑子女史の一人語りで構成されています。
現在80歳オーバーのこの笑子女史、
今で言う超絶なる字書き腐女子です。
彼女の一人語りなので、物語はほとんどが戦前のものということになるのですが、
…いやぁBL文化って連綿と続いているのかもなぁと微笑ましくなりました。知らんけど。
そして物語の終盤、
真実はわからないながらも、
客観的事実を積み上げてみれば実はこうではなかったのか?な仮説が語られます。
これがねぇ、
詳しく書くとネタバレなんですが、
それまでのBL世界をひっくり返す…
しかし、なかなかにロマンティックで切ない真相(?)なんですよ( ⌯᷄௰⌯᷅ )
ささる人にはささる、
ハマる人にはハマる、
そんなオタク好きする作品です。
Posted by ブクログ
六道ケ辻シリーズでは一番好きな話。
話の巧妙さにグイグイ引きこまれて、何度も読み返した。腐向け要素も突飛に感じることなく、むしろ悲恋に耽美な花を添えていていい。
Posted by ブクログ
大導寺竜介の弟・乙音の死にまつわる悲恋の話。彼が恋した藤枝清顕の孫・直顕が、乙音の幼なじみだった妙蓮院笑子の回想を聞き、その死の真相を明らかにしていく。
内容はちょっと回りくどいかな…と思ったけど、スラスラ読める。笑子の「夢子さん」状態にはげんなりしてしまうが、直顕が死の謎を解明していく中で浮き彫りになってくる乙音の姿が潔く高貴で、それ故に哀しくなる。
Posted by ブクログ
親戚で夫をモデルにして、ヤオイ小説書いて、それがばれるエピソードにある意味心が痛みました。
それから、読み終わった後に思ったのですが、後ろの紹介分(?)は読者のミスリードを誘っている気がしてなりません。
Posted by ブクログ
六道ヶ辻第四弾。
大導寺一族の末裔・静音は幼馴染のたっての願いで、遠縁の老婆を訪問した。
彼の顔が話を聞くのに必要なのだという。
彼女の口から語られたのは遠い過去に秘めた想いの欠片だった!!
大正浪漫溢れる恋物語、ここに!!