あらすじ
300万部を超える公式版から主要部分を集約した文庫エッセンシャル版
『人を動かす』と並ぶカーネギーの二大名著。人が生きていく上で誰もが直面する「悩み」の原因を客観的に自己分析し、心の持ちようや習慣を改め、心身の疲れを取り除く等の方法で具体的かつ実践的に解き明かす。苦悩するすべての人を心の闇から救いだし、行動と自己変革への勇気を与え、新しい人生を切り開くための座右の書。1944年の初版刊行以来、改訂が施されてきた現行の公式版である『新装版 道は開ける』から本編28章を収載した。
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Posted by ブクログ
不安に打ち勝つための法則が色々書いてある。 自分はあまり精神を病んだりしないけど、本を読むと結構納得、無意識にそのように過ごしてることが多い。とても最悪な事態の時などの対応も、起こり得る最悪を予測してそれに対処するなど、リスクを考えがちな自分はやって来ていた。 本には何個も泣きそうになる感動するエピソードがある。 自分が持っているものを感謝する。 目がほぼ見えない女性が目が見えるようになった時のエピソードはとても心に刺さった。目が見えることが当たり前の自分では気づくことのできない幸せがそこにはあるのだと。
Posted by ブクログ
【メモ】
・過去と未来を鉄の扉で閉ざし、今日1日の区切りで生きる。小事に囚われるには人生はあまりに短い。未来に対する不安や、水平線の彼方のバラ園に憧れていないか?
・思考力には凄まじい力がある。人は自分で考える通りの人間になる。心の安らぎや喜びは気持ちの持ちよう一つで変わり、外部の条件はほぼ関係ない。起きたことより、起きたことをどう評価するかで変わる。
・欠けているものではなく、備わっているものを考える。人生に対して陽気な態度で立ち向かう。あらゆる出来事の最も良い習慣に目を向ける習慣は、年間1千ポンドの所得より価値がる
・どんな場面でも、他人の真似をせず、いつも自分らしく振る舞う。自己を発見し、自己に徹する。自分の肉体と精神を捨てて別の人間になりたいと思う人間が最も悲惨な人間
・運命がレモンをくれたら、レモネードに変えよう。人生で最も大切なことは、利益を活用することでなく損失から利益を生み出すこと。頭脳が必要だし、それこそ人生のおもしろさである。
・悩みは万病の元。悩みに対する戦略を知らないものは若死する。
・意思の力でどうにもならない物事は悩まない。最善を尽くしたら結果は神に任せる。物事をあるがまま受け入れ、避けられない運命には調子を合わせる。90%の悩みは起こらない
・悩みを解決するには、悩んでいる事柄を書く、起こりうる最悪の事態を想像する、自分にできることを書く、やむ得ない場合は受け入れる覚悟を持ち、決断して行動する。決断したら迷わない。
・仕事で悩んだ時は、問題点は何か、問題の原因は何か、いくつ解決策があるか、望ましいのは何か、を考える
・おがくずをひかない。溢れたミルクを悔やんでも無駄。失敗に囚われない。足しにしたら忘れる。ナポレオンでも1/3は負け戦。
・鬱になったら、どうすれば人を喜ばせられるかを考える。相手を1人の人間として認め、興味を持ち、話しかける。
・歴史を見れば世界は常に苦悶の渦中にある。戦争、飢餓、貧困、震災、疫病。必ずいい方向に向かう。少々の悩みなどとるに足らない。自分がいかに恵まれているかを考える。
Posted by ブクログ
「人を動かす」の姉妹書。前書は「人間関係」の機微について述べたものでしたが、本書はあらゆる人間に共通する「悩み」の実態とそれの克服法を述べたものです。1944年の初版から何度か開廷を重ね、本書は1978年に翻訳されたものです。
【悩みを分析する基礎技術を身につける】
①過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の区切りで生きよう。
②「起こりうる最悪の事態とは何か」を自問し、やむを得ない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をする。それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力する。
③悩みに対する戦略を知らないものは若死にする。
④自分が何を悩んでいるかを明確にし、それに対してできることを探し、どういうことをいつから実行しようとしているかを考える。
⑤問題点、原因、解決策を考える。
【悩みの習慣を早期に断つ】
①忙しい状態でいること。悩みをかかえた人間は、絶望感に打ち負けないために、身を粉にして活動しなければならない。
②気にする必要もなく、忘れてもよい小事で心を乱してはならない。小事にこだわるには人生はあまりにも短い。
③記録を調べ、平均値の法則によると不安の種になっていることがらが実際に起こる確率はどのくらいかを考える。
④避けられない運命には調子を合わせよう。
⑤時分が悩んでいることの実際的な重要性を知ろう。
⑥過去の失敗を冷静に分析して何かの足しにする。あとは忘れ去ろう。時間が多くのことを解決してくれる。
【平和と幸福をもたらす精神状態を養う】
①快活に考え行動すれば自然に愉快になる。
②仕返しをしてはならない。敵を傷つけるよりも自分を傷つける結果となるから。嫌いな人について考えたりして、1分間たりとも時間を無駄にしないこと。
③幸福を見つける唯一の方法は、感謝を期待することではなく、与える喜びのために与えることである。
④やっかいごとを数え上げるな、恵まれているものを数えてみよう。
⑤他人の真似をするな。自己を発見し、自己に徹しよう。
⑥運命かレモンをくれたら、それでレモネードをつくる努力をしよう。
⑦他人に興味を持つことによって自分自身を忘れよう。毎日、だれかの顔に喜びの微笑が浮かぶような善行を心がけよう。
【批判を気にしない】
①不当な非難は、しばしば擬装された賛辞である。
②最善を尽くそう。あとは古傘をかざして、非難の雨が首筋から背中へ流れ落ちるのを防げばよい。
③自分の犯した愚行を記録しておいて自分自身を批判しよう。偏見がなく、有益で、建設的な批判を進んで求めよう。
【疲労と悩みを予防し心身を充実させる】
①たびたび休養する。疲れる前に休息せよ。
②疲労の大部分は精神的原因からきている。純粋に肉体的原因で消耗する例は実にまれである。『力の心理学』精神分析医J.A.ハドフィールド
③信頼できる人に悩みを打ち明ける。
④机上を問題に関係のある書類だけにし、重要性に応じて物事を処理する。即刻その場で解決する。組織化、代理化、管理化する。
⑤毎朝自分自身に励ましの言葉をかける。
⑥不眠について悩まない運動し体の力を抜き安心感を持つ。
本書が出版されてから80年近くも経つのに、まだまだ人間の悩みは尽きません。冒頭に「本書から最大の成果を得るための9ヶ条」というのがあり、その中で、毎日本書を精読すべきと書かれています。私は5年前と4年前に読んで、今回が3度目です。たくさんの実例が紹介されており時代も感じますが、どの時代でも大切なことの本質は変わらないのだなと思います。これらの教訓を胸に、穏やかに丁寧に生きていきたいです。