あらすじ
夜道にうずくまる者、便所から二十年出てこない男、狐に相談した幽霊、猫になった母親など、江戸時代の旗本・根岸鎮衛が聞き集めた随筆集『耳袋』から、怪しい話、奇妙な話を京極夏彦が現代風に書き改める。
※本書は『幽』一号から六号に「旧耳袋」として連載され、二〇〇七年七月にメディアファクトリーより刊行された単行本『旧怪談 耳袋より』を改題のうえ加筆修正して文庫化したものが底本です。
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Posted by ブクログ
「旧談」は江戸時代の怪談本「耳嚢」をベースに京極夏彦さんが現代語にわかりやすく書き換えたもの。
「耳嚢」は当時の随筆又は備忘録であるという。なので正確には怪談本ではなく、作者がつれづれに面白い話・奇妙な話・町の噂話などを集めたもの。
その中から特に不思議な話・怪しい話などを集めたのがこの怪談本「旧談」ということらしい。
説明のつかない話や、不思議だなーなんでかなー?というくらいの話でも読みかたによっては怪談に受け取れないこともない。
江戸時代のことでもあるので、科学的な説明もあるわけはなく全て伝承のお話である。どこまでが本当でどこからが尾ヒレがついた噂話かもわからない。
各話よくわからない怪異現象としてあっさりと話が進み、解決もせず話をほうりだされる事が多いが、想像力が働いて結構怖い。