あらすじ
生まれた子、生まれなかった子、空に還った子、戻ってきた子……
「胎内記憶」研究の産科医が出会った、さまざまな命のかたち。
お産は奇跡の宝庫です。「奇跡」の定義が「めったに起きないこと」「常識では考えられないような不思議な出来事」だとすると、お産の「奇跡」は、あえて奇跡とは呼べないほど、しばしば起きています。
それは、命の誕生そのものが、ほんとうはすべて奇跡なのだということを意味しているのかもしれません。(はじめにより)
産科医療の現場で本当にあった「心温まる奇跡」の物語。
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Posted by ブクログ
池川明氏の著書は、5冊目。徐々に自分の中での死生観が変わりつつあります。死=不幸ではないし、死を含め生きることそのものが、全くネガティブに考えるようなものではないということ。
この世に生まれて死ぬことは旅行のようなもの。天国は、常に満たされていて平穏そのものだけど、その分、退屈でもある。喜怒哀楽でいっぱいな人間界は、刺激的で魅力的。
怖いものみたさで、日帰り旅行でちょっとだけ味わいたい命もあれば、テーマパークやジェットコースターのような刺激敵な人生を求める命もある。ただ、綺麗な景色に囲まれてただただゆっくり漂いたい命もある。自分のたましいが、色々なことを経験したくてこの世に生まれたのだとしたら…。
「基本は、ひとりひとりの感性を尊重することです。全体主義でいっせいに同じほうを向かせるとか、何でも平均的にこなさせようとするのではなく、その子に秘められた能力を見つけて、それを磨くことが求められています。(中略)
表面的な豊かさを追い求めるのではなく、愛ある生き方を実現しようという流れが生まれるはずです。
それは優劣を競ったり、だれかを抑圧したり支配したりする社会ではなく、それぞれが「得意なこと」をもちよって、旧来の価値観を突きぬけた文化をつくっていく、ネットワーク型の社会ではないでしょうか」