あらすじ
【2015年度ノベル大賞受賞作】ルクレツィアは、15歳でアウガルテン王国の皇太子妃となった。しかし皇太子シメオンは一度も彼女の部屋を訪れることはなく、後日、シメオンがマリーという下働きの娘を愛していると判明。ほどなく国王が崩御し、ルクレツィアは王妃となった。そして側室となったマリーが懐妊。それでも王妃としての務めを果たそうと懸命なルクレツィアだったが、隣国に攻め込まれた王国は敢えなく陥落し…? 激動の時代を駆け抜けた少女の、運命と恋の物語!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
『威風堂々惡女』の白洲梓さんのデビュー作、評判も良いようなので読んでみました。
ルクレツィアは王妃となるべく育てられ15歳で皇太子シメオンに嫁ぎますが、シメオンには愛する女性マリーがいて見向きもされません。王が崩御し、王妃となったルクレツィアはシメオンに放っておかれ惨めな思いをしますが、王妃としての務めを果たそうと懸命に努力します。しかし、隣国に攻め込まれ、国王たるシメオンはマリーと、マリーとの間に生まれた王子を道連れに死を選び、ルクレツィアは最後の王妃として隣国の責任者と対峙することになるのです。
賢明なルクレツィアに対しシメオンの王としての無責任さが際立ちます。いくらマリーだけを愛しているとはいえ、もう少し国のことやルクレツィアのことを思いやってもよさそうなのに、最期まで自分のことだけだった気がします。マリーだって本当にシメオンとの死を望んでいたのかどうか…。
降伏したルクレツィアは地方で慎ましく暮らします。彼女が変わっていくのは、彼女の健康を気遣って派遣されたティアナが来てから。
美人ではっきりした物言いをするティアナはくよくよするルクレツィアを叱り飛ばします。
そしてルクレツィアに一目惚れした隣国の皇太子メルヴィンは彼女をずっと見守っていて――。
ハッピーエンドが好きなので展開には概ね満足です。
ルクレツィアには幸せになって欲しいと思いながら読みました。
Posted by ブクログ
前半の王妃の悲劇の連続に目を離せず一気読み。
ヒーローの登場が遅く、ヒロインがヒーローを好きになる過程がいまひとつだった。そこをもっとしっかり出せば、最高だったかも。
恋愛として読めば物足りない。いや、王国攻防記としてもそうかな。
後半詰め込みすぎで中途半端な感じはしたけど、それでも一気読みさせられた作品だ。
おもしろい面があったことは間違いない。とくに前半。ページをめくる手が止まらなかった。
Posted by ブクログ
以下、ネタバレご注意です。
ルクレツィアはアウガルテン王国の有力貴族の娘で15歳。幼少時から王妃になるべく教育を受け、皇太子に嫁いだ。
ところが夫の皇太子シメオンはルクレツィアに指一本触れず、下働きの美女マリーと愛し合っている。
すぐに国王が死去してシメオンが王となるとマリーを正式に側室にしてルクレツィアは名目上の王妃として放って置かれた。
マリーは王妃としての務めを果たし、マリーの教育まで監督するがシメオンはルクレツィアを顧みることなく、すぐにマリーは懐妊して男子を産んだ。
シメオンはマリーや王子を溺愛するが、国王としては無能で国はほんの2、3年で荒れていく。
そこをエインズレイ王国に攻められ、国内の有力貴族の裏切りにもあってあっけなく城は落ち、シメオンとマリー母子は自害。ルクレツィアは城内の者をほとんど逃して、3人だけ残ってくれた城の者たちと一緒にエンズレイの皇太子アルバーンとその息子メルヴィンを城に招き入れて開城した。
取り残されたルクレツィアは田舎の村に軟禁され、数年が過ぎた。。。
王道の欧風ファンタジー。
読みやすかったです。
パターンといえばパターンですが、後半の冒険譚とルクレツィアの恋愛物語が良かったかもです。笑顔の話なども。
ただ違和感が、、、挿絵がすごく可愛らしくて、ルクレツィアがあまりに可愛らしくて二十代の人生の山も谷も知っている感じには見えないということでしょうか。20才以上には少なくとも見えない……(⌒-⌒; )
挿絵自体はとても好きなんだけれど。。。
ルクレツィアの設定も平凡な容姿ということなんだけれど、マリーと同じくらい可愛いらしい。
うーん、あまりリアルに描く訳にもいかないのだろうし(・・;)