あらすじ
夜見坂少年の生業は、鍋や薬缶を売る金物屋だ。去年他界した先代から引き継いだ店である。そして、もう一つ引き継いだのが「まじない屋」。不本意ながら、こちらの方が繁盛している。ある日、賀川男爵家の家令を名乗る男に屋敷へ連れて行かれた夜見坂は、男爵から息子・千尋にかかった呪いを解くよう命じられる。大学を休み、離れで寝込む千尋に会った夜見坂は…?
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Posted by ブクログ
舞台は架空の日本、明治~大正あたりの時代設定。文体だったり、作品全体に漂う雰囲気がすごく好みだった。第一話は確かコバルト本誌で読んだのだけど、そのときから「これは書籍化したら買おう」と決めていたほど。夜見坂少年の年齢不詳な感じもいいなあ、と思う。現在三巻まで刊行されているのだけど、また続き出ないかなあ、と楽しみにしている。
Posted by ブクログ
タイトルから妖怪ものかなと思って購入したのですが、人間の情を色濃く書いたミステリーでした。
大正時代の日本のような国で、金物屋を営む少年が副業のまじない屋を通じて事件に関わっていくという筋書き。ほとんど異能の力は出てこず、陰鬱でどこか懐かしい世界で生きる人たちの秘密が事件の鍵になっています。
切った張ったも大どんでん返しもない地味なミステリーですが、美しい文章で丁寧に描写された世界にふと迷い込んだような気持になる。そんな話。
Posted by ブクログ
その金物屋の副業は、まじない屋。
よくある事、といえばそうな、1話目。
この頃の女性の地位の低さと身分の上下がすごいです。
そして思い切りの良さも…。
2話目は、それで家族の気が収まって落ち着くなら
やってもいいのでは? と思いますが。
権威の方々は、自分こそが正しい、という判断が
いつ間違っている事に気が付くのでしょう?
衣食住の裕福だけは約束された
不自由な生活のお姫様、な3話目。
こういう場合、のセオリーをきっちりと踏んでいました。
結局、すべては少しずつ全員から漏れていった事。
誰が…というよりも、こうせざる得なかった
原因が一番問題あり、ではあります。
最初から、そういうものだ、と約束して
何か妥協点を出していれば良かったものを…。