あらすじ
バリウム検査は危ない!
全国で年間1000万人が受診するバリウム検査。しかし、実際には技術は古くてがん発見率は低く、しかも事故が多く患者を大きな危険に晒すものであると専門医は批判する。それでも制度が改まらないのは巨大な利権があるからだ。厚労省や自治体の天下り組織が検査を推奨・実施し、メーカーや医者・病院も潤う。その利権は600億円に達する。進化の著しい内視鏡検査に加え、最新式の「リスク検診」ならば、発見率向上に加え医療費4200億円削減の効果もある。
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Posted by ブクログ
検査で服用するバリウムの副作用の問題、X線の被ばく量の問題、検査自体の精度の問題などが明らかにされている。バリウム検査は前時代的な検査方法という印象を受けた。実際に、医師たちは自身の胃がん検診にバリウム検査ではなく内視鏡検査を選ぶことが多いとのこと。
費用対効果を考えると、全員一律に年1回のバリウム検査を受けさせる今の仕組みには疑問を感じる。
Posted by ブクログ
上氏のコメントで読む。◆検診ムラというのがあるんだ。朝日新聞系列の協会とか。◆集団検診が結核検査の流れからきている話など。◆◆ルーチンになってしまうと、新たな流れに変えるのに力がいるのだな。◆◆儂はバリウムは飲まない。
Posted by ブクログ
毎年、会社の健康診断で受けているバリウム検査。今年は発泡剤を飲んだ後にゲップをしてしまったので、二度飲まされた。そのせいかわからないが、一日お腹が痛かった。来年はやりたくねえな〜と思っていたら、こんな本が目に留まった。
胃ガン患者の9割がピロリ菌に感染しているらしい。だからピロリ菌に感染しているかどうかをまず調べる(感染していたら除菌すればいい) それと簡単な血液検査で胃ガンにかかるリスクは高い確率でわかる。なにも高い放射線を浴びて、気持ち悪い液体を飲み、ひっくりかえりそうになりながら台の上で踏ん張らなくてもいいのだ。
バリウムが腸の中で固まり、腸に穴が開くという重篤な副作用や、アナフィラキシーショックによる死亡例もある検査方法なんて、もうやらなくてもいい。
ショックなのは匿名で取材に応じた医師の誰もが、バリウム検査なんてしませんよ、と平気で言うこと。じゃあ、彼らはどういう検査をしているかというと血液検査でリスクが疑われた場合は内視鏡検査を受けている。バリウム検査で写る画像なんかより、実際に見たほうがはるかに鮮明で病変を発見できるから。なんか鼻で笑っているような感じで、バリウム検査を全否定している。
じゃあ、なんで今もバリウム検査が主流なんだ?と誰もが思う疑問は、日本ではもうお約束となりました利権が絡んでくる。
まずバリウム検査に係る高い設備投資を回収しないといけない。補助金も潤沢だし、この甘い蜜を手放したくないだけ。人の健康より、金の流れを止めたくないだけ。まさか血液検査で胃ガンのリスクがわかるとは口が裂けても言えない。胸部レントゲンの百数十倍の被ばく量なんて公表したくない。様々な団体や会社が金のなる木に群がっている。詳しくは本書でどうぞ。
幸いにも、この利権の構造に否を唱えて、バリウム検査ではなく胃がんリスク検診を推奨する自治体もちらほら出てきている。横須賀市などの大きな都市でも取り入れている。簡単で効果的だし、なにより医療費の抑制につながる。良いことしかない。
よし!来年から拒否する!