あらすじ
北朝鮮の国家最高機密とともに脱北した女・崔純子。彼女を国境へと導く日本の工作員・蛟竜。中国全土を逃亡する二人の行方を各国の諜報機関が追う。日本を目指す二人が国境で見たものは……。
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未来を信じつつけて、お互いの幸せを想い続けた2人に心打たれ続けました。年月、規模ともに壮大すぎる愛の物語で、読み終わった後の喪失感は過去一かもしれません。大満足です。
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「デッドエンド」「クラッシュマン」などの柴田哲孝さん「国境の冬」、2015.12発行です。スケールの大きい小説です。史実に基づくフィクションです。2010年~2012年の現実に起こった国際政治の裏側を想起させる物語です。(実際の政治家たちが登場します)崖純子という脱北者、執拗に追いかける朴成勇、救出に向かう相楽正明・・・。自由を得るということがどんなに大変で貴重なことか!読んでて、自分も救出者になっていました。読後、横田めぐみさんの救出を強く願います。(今年は拉致されて40年)770ページの大作です。
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1990年代の『中米経済同盟』により、経済実態を無視した人民元の大幅切下げ断行を認めたのは米民主党のクリントン政権。目的は、"日本の経済と輸出企業潰し"そのジャパン・パッシングは、アメリカ経済を脅かすさらに厄介な敵-怪物-を作り出してしまった。可哀想なのは、日本だ。アメリカに散々貢がされ、輸出企業を骨抜きにされ、さらに基地問題では徹底で絞り上げられている。しかも中国には70年以上も前の『南京事件』ーあの事件も人口以上の市民が日本軍に虐殺されたと主張する矛盾と欺瞞の産物だーを種に、ODAが終了した後も、無償援助を威し取られている。
中国がドル国債を売りに転じたら、どこの国がその分を買い支える。EUは破産寸前だし、韓国などものの数にも入らない。そうなると、日本しかないだろう。以前は小泉が日本の郵便貯金と保険金をアメリカに差し出してドル国債を買い支える約束をした。今度は野田が、消費税を差し出す。それが伝統的な日米関係だろう。
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北朝鮮の工作員だった女は国家機密と共に脱北する。
国家機密を巡り、北朝鮮、中国、韓国、アメリカ各国の諜報機関が暗躍する。
国際政治ものは、どうしても現実が先になるので、古くなりがちだが、そこはさすが柴田氏。
時の総理、鳩山政権の時の阿呆さを思い出しました。
やはり、柴田氏はこれくらいの長編が読み応えがあって良い。
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登場人物全員が悪者(^ ^;
もう誰も信用できない...という鬱々とした気分になる(^ ^;
はからずも、二冊続けて東アジアが舞台の
もんのすごいハードなボイルドを読んだことになる。
今回の主な舞台は中国。
本作の特徴は、小説で有りながら、
中国、北朝鮮、韓国、日本、アメリカなどの
当時の政治家が全部実名で出てくる点。
作中の時代背景も、実際に21世紀に世界で起きている
事件や災害、事故、政治の動きなどがそのままなので、
もの凄い臨場感。
っていうか、実名出してこんなこと書いて
作者は怒られないんだろうか...(^ ^;
ストーリーは、日本で生まれ育ったと思われる
諜報員の男と、半日本人の脱北者の女を中心に進む。
そこに上記各国の思惑やら駆け引きやらが複雑に絡み、
陳腐な言い方だが「時代に翻弄される」二人。
文庫版で700ページを越える大作で、
気合い入れて読まないと途中で着いてけなくなる(^ ^;
登場人物が多すぎるし、社会や政治に疎い私は
何度も「戻っては再読」を繰り返し...(^ ^;
ラストを、救いがないと見るか、
やっと救われたと見るべきか...