【感想・ネタバレ】リカーシブルのレビュー

あらすじ

越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は、弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始める。だが、町では高速道路の誘致運動を巡る暗闘と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ……。大人たちの矛盾と、自分が進むべき道。十代の切なさと成長を描く、心突き刺す青春ミステリ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

違和感が積み重なって確信に変わっていく感じが気持ち悪いけど心地良い
まさかそんなわけないよな...と思ってたことが本当になっていくことで変な意味で爽快さを感じる

にしてもこういう街ぐるみでとんでもないことするっていうのは現実でもあり得るんだろうか
この時代明らかになっていない情報なんてないように思うけど、関係者が全員消されてたとしたら...という想像までしてしまう

自分の知っている世界なんてほんの一部でしかないんだよな

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2023年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

民間信仰の関係してくる小説は問答無用で好きってことに気付いた本
タイトル回収というかタイトルの意味を理解したときは鳥肌立った

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2023年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 名作「ボトルネック」と同じように,思春期の子どもを主人公とした青春ミステリ。「ボトルネック」と同じように非常に残酷な話である。
 主人公は中学一年生の女の子である越乃ハルカ。彼女は、実の母親ではない母と母の連れ子であるサトルと同居している。実の父親は,会社のお金に手を付け,バレそうになると借金を残して失踪した。この設定だけでも,ご飯が3杯くらい食べれそうな,絵に書いたような辛い話である。
 ハルカが辛い生活を送る舞台は家庭だけではない。学校生活も相当辛いものが予想される。米澤穂信が描く子どもの世界はとても残酷でつらいものである。子どもの世界特有のルール,ヒエラルキー。子どもの世界で「ある程度の地位」を保つために必要なこと…。子どもの頃に,いじめなどに合い,つらい生活をおくったことがある大人にとって,この辺りは非常に共感してしまう。
 地方都市である坂牧市という過疎化が進む土地で,よそ者として生活しなければならない主人公,越乃ハルカの生活は息が詰まるようである。しかし,越乃ハルカは,上手く立ち回ろうと必死に努力をする。これが実に痛々しい。ハルカの生活の助けになっている人物は二人。まるで天使のように,理想的な人物として描かれている母親と,心を許せる友達として描かれている在原リンカである。
 「リカーシブル」は,単なる青春小説ではなく,ミステリであり、そこには謎が存在する。その謎は,「ハルカの弟であるサトルが未来を知っているのはなぜか。」というものである。この謎に,坂牧市に伝わるタマナヒメの物語が絡んでくる。
 「サトル」の未来視とタマナヒメの物語の真相は,サトルに、3歳時の体験を思い出させるために,坂牧市全体でサトルの3歳のときの体験を追体験させているというものだった。
 ハルカは,ハルカを支えていた二人の人物,ハルカの母親である雪里ヨシエとリンカから裏切られる。ヨシエはサトルを坂牧市に売り,リンカは黒幕的な存在である現代のタマナヒメだった。
 タマナヒメの存在というややオカルト・SF的な設定が絡んでいるが,話全体としては十分にのめり込める。しかし,ミステリとしてはやや弱い気がする。真相はそこそこ驚けるのだが,伏線が回収しきれていない。
 「リカーシブル」を読んで,一番心が震えたのは,ハルカの母が,離婚を決意し,そのことをハルカに伝えるシーン。それまで天使のような人物として描かれていたハルカの母親から,雪里ヨシエというただの他人になり,「ちゃんと中学を出るまでは面倒を見るからね。」と言うシーンはあまりに残酷である。
 「生活が苦しい雪里さんとしては破格の好条件だよね」とハルカが納得するシーンは読んでいて苦しくなるくらい。
 「卒業まで3年。家族から居候になって,いまでも割と小さくなっていたつもりだけど,さらに頭をひっこめて3年過ごして,その後は特に予定無し,か。」,「いまボンヤリと流されたら,取り返しのつかないことを決められてしまう。」と続くこの部分は,最高に残酷だと思う。恐怖すら感じる。
 ミステリとしてより,米澤穂信らしい残酷さがたまらない作品だった。ミステリとしてやや物足りない部分があるのは間違いない。しかし,こういう否応無しに心に残る作品には★5をつけたい。ずっと忘れない作品になりそうだ。

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2025年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クラスメート、三浦先生はよそ者だから死んじゃったほうがいいとか言っててかなり嫌だった(親御さんたちが言ってたのを真似しただけなのかもしれないけど主人公みたいに自分で考えて欲しい)
主人公がいい方向に終わったからそこだけは良かったけど、街はめちゃくちゃ嫌

サトルくんはハルカのことすごく好きなんだろうな〜ってなった
ハルカに笑われるわよで癇癪がおさまるのがかわいい

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2024年11月22日

ネタバレ 購入済み

これからの二人が心配…

ハッピーエンドじゃないトゥルーエンドって感じ。

ひぐらしやゲ謎のような独特な田舎文化や価値観によって起きる事件の話だった。これからの二人は、味方がいない中、暮らしていかなきゃいけないと思うと、悲しくなる…

#切ない

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2024年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

因習のある地域でのミステリーで全体的に薄暗い雰囲気
未来予知でSFめいた要素があるのかと思いきや、町全体の大勢が関わった仕掛けで狂信的な怖さが出ていてよかった

主人公だけでなくリンカの複雑な心境ももっと深ぼりしてほしい

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2024年01月13日

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ネタバレ

昭和の香りがするミステリー作品でした。
それにしても、ハルカのような賢い少女が
お金の心配なく、ちゃんと大学まで進学できることを祈るばかりです。
ハルカのお父さんなのに、どうして横領しちゃったのか…それとも冤罪か…
冤罪はれて、戻ってきて欲しい、です。
お母さんも、優しいお母さんと読み進んでいったけど…

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2023年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々の米澤穂信作品。
田舎特有の息苦しさとそれに立ち向かう少女の成長物語であった。序盤は都会から越してきた血の繋がらない母親・弟の関係性が中心だったが段々と、得体の知れないものが迫っていくサスペンス要素が強くなっていくところが面白かったです。
黒幕については登場人物が少ないからか、直ぐに見当はついたもののその予想をおおきく上回る所がとても良かったです。まさか、町ぐるみで、しかも母親を巻き込んでまで彼の記憶を呼び戻そうとしていたという事への衝撃やそこまでして水野報告を手に入れたいのかと驚きが隠せなかった。それが当たり前に行われている所が、それによって人を追い詰めることが出来てしまうというのがとても恐怖を感じました。

そしてもうひとつの要素として血の繋がらない姉弟の絆も軸となっている。最初はどこかぎこちなくお互いに「バカ」呼ばわりしていたのが、サトルの秘密が明らかになっていくとともに彼の事を見直し、一人の「姉」として彼を護ろうとする所がとてもグッときました。
米澤穂信作品はダークな世界観が特徴的で今回もそれに近いものであるが、最後のシーンは希望を持たせる結末になっていたところも良かったです。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
越野ハルカ:黒沢ともよ
越野サトル:種崎敦美
越野ヨシエ:茅野愛衣
在原リンカ:早見沙織
三浦孝道:福山潤
宮地ユウコ:佐藤聡美

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2022年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中学一年生にして、主人公ハルカが頭良すぎた…!(笑。
脳裏を『君のような勘のいいガキは嫌いだよ』って台詞が過ぎりましたよ(そっちの元ネタはあんまり詳しくないのに済みません!
対するリンカも一目置かざるを得ない存在感。
ホラー方面をほんのり期待したけど、やっぱりこれは青春ミステリ…かな?
さほど明るく爽やかではないけれど。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「小市民シリーズ」を少しだけ読んで、作者がどういうミステリーを書かれるのかが気になって、本作を見つけた。

読み始めからずっと「いやーな感じ」がまとわりつく。
引越した町に根付く伝承。その伝承を基に起きる奇怪なもろもろ。

友達も町の人もママも、全てが嘘くさいと思うのに、何がどうなっているのか、が見えてこない。
途中で辞めようかと思ったけれど、結論が知りたくてなんとか最後まで。

ミステリーになるのかな?
私個人の気持ち的にはホラーで、すっきりしないまま。

生きていかなければならないとしても、ママとの家に帰るのはどうなんだろう?

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2024年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あえて王道の展開から外したなぁ、という感じの終わり方だった。リアルっぽい雰囲気の作品によくありがちな、フィクションほど吹っ切れてないせいで感じる不完全燃焼感がどうしても気になる。

途中(半分越えたあたり)は面白かった。
やや閉鎖的で退廃の香りがする街での謎の風習、それを調べていた人が危険な目にあって、超常ホラーか?!とワクワクした。
あと個人的には、お母さん……お母さんがものすごく引っかかった。エンディング後あんなんいる家に帰らなきゃいけないの……?

古典部シリーズからの流れで他のも読んでみたい!と買ったうちの1本目だけど、正直女子中学生視点書くの向いてないかな……と思った。奉太郎がすごい合ってたから、余計におじさんの考えるちょっと大人びた女子中学生って感じが気になった。地の文が特に。

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2023年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

え?そこで終わっちゃうの?と、盛り上がりに欠ける終わり方で残念だった。
入院中の先生が、見舞いにやってきたハルカに、自分が調べあげたことを伝える場面が一番面白かった。サトルは予知能力などなく、3歳くらいの朧気な記憶を講(町の集まり)による当時の町並み再現などで時折思い出しているだけだった。
サトルは誘拐されはしたが、ハルカが教授のMDを取引したばかりに(?)、そのまま静かに終わった。

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2023年03月22日

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