あらすじ
目も見えず、耳も聞こえない「盲ろう者」でありながら昨秋、東大教授となった福島智氏。9歳で失明してから、18歳で耳が聞こえなくなり、「指点字」という独自の会話法を編み出すまでの苦難の日々を、母親である令子さんが初めて綴った感動の子育て、闘病記。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
9歳で失明18歳で失聴の福島智さんの母、令子さんが綴った一冊。
タイトルは指点字で初めて伝えた言葉だったのですね。
眼の色がおかしいと訴えても相手にせず20日近く経って驚いて他院に受診させる開業医。
神大病院では、母親に説明もせず無断で小さい手術を重ねる若い主治医。「ごちゃごちゃ言わんといてください」と呼び出し圧をかける医師がイニシャルで書かれています。関係者は苦虫を噛みつぶした気になったに違いないが母親の思いを考えると胸がつまる。
同級生にげんこつで叩かれたり重いかばんを投げつけられたり、他人から目を傷つけられることも重なり受け入れがたい。
西洋医学の薬は効かず副作用に苦しむ、独特の治療法O方式はすさまじい厳さ。
次々と襲いかかる困難に読むだけで苦しくなる。
智さんが高3で上京が決まった時に、お父さんが初めて自ら点字を打ち手紙を書いたのには感激した。
入院の多い智さんに寄り添うのは主に母親で、教師を務めながら2人のきょうだい児と家を守る父親だが智さんに思いを伝えられたのは強い絆になったと思う。
智さんご本人の言葉も読んでみたい。遅ればせながら映画化も知ったのでそちらも。
到底真似できないけれど、母令子さんのメッセージを胸に刻みたい。
「どんな時も明るい発想を。その方がまわりも元気になり、希望が持てる。すべての事柄を肯定的にとらえ善意に解釈を」