あらすじ
『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』を生んだ日本初の作家エージェント経営者が語る!新しいビジネスを生み出すための哲学とノウハウ出版・コンテンツ業界の未来はここに描かれている。
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Posted by ブクログ
〈印象的な文章〉
○情報収集→仮説ではなく、仮説→情報収集→仮説の再構築→実行→検証(27ページ)
仮説:女性読者が増えると宇宙兄弟がヒットし始める。自分がオシャレと認める美容師さんから、マンガを勧められると、きっと読んでくれるだろう。やりたいことを決めて、それから情報を集める
○いい作品とは、新しい定義を生み出す事ができるもの(40ページ)
○ お金の形態や時間の感覚が変わり、めんどくさいの感覚も変わってきている。めったに変わらなかった感覚が、10年ほどで大きく変化するような時代です。(75ページ)
○ 「人間はどういうときに、どういうふうに感じて、どういうふうに行動するんだろうか」ということを突き詰めていき、人に喜んでもらえるサービスを提供すれば、企業は必ず生き残ります。(80ページ)
○おもしろさは、親近感×質の絶対値の掛け算(103ページ)
○最強の素人でありたい(138ページ)
○100%の自信を持ったコビトを脳内で増やしていく(177ページ)
○悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意思によるものである。幸福論より。
○自分の感覚を信頼しないで、客観視させてくれるデータや、アドバイスをくれる人がそばにいてくれることが重要(199ページ)
○嫌なことほど、とにかくすぐにやる(210ページ)
○友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする。ドイツの詩人 シラー
〈感想〉
新しいことを始めて成功させる人は、度胸があって頭が良い人だと思っていた。しかし、筆者はそれだけではない。純粋な楽しさを追求している人だと思う。自分は起業しようと思える仕事はないので、羨ましい。
ただ楽しさだけではない。読者に媚びるのではなく、読者に届いたり共感させる仕組み、時代を読む力がある人だと思う。自分を律する努力をしているのも、人間的な魅力がある。真似させてもらう。
〈読んだきっかけ〉
宇宙兄弟のネタバレ を書いてます、、、
コテンラジオに出演していて存在を知った。中2でアパルトヘイトを肌で実感し、また、島崎藤村の沈黙が好きすぎて劇にするという、自分とは違う境遇。
宇宙兄弟のヒビトは、当初はクレーターに落ちてもすぐに復帰する予定だった。しかし、ヒビトがどうやったら恐怖を感じるかを考え、酸素ベンベに穴を開けた。ヒビトが助かる方法を宇宙関連の人に相談したらしい。
未知への恐怖とワクワクは、表裏一体。だから、この人物は何に恐怖するかを考えているらしい。
確かに、ヒビトのその後の展開が気になって、ページを捲る手が止まらなかった。
その発想凄すぎる!
Posted by ブクログ
「世の中を変えるのは、仕組みではなく、人々の心。物語を作ることは、その心を豊かにするために働きかけることなのです。」という言葉に納得して、感動した。
Posted by ブクログ
ひと一人の信念がここに
敏腕編集者が書いた仕事論.とくに著者が考えているインターネット時代の人々の嗜好変化,編集者の在り方のあたりはとても刺激になった.彼が考えていることであったり,これまでの経験から学んだことがひとつひとつ紹介されているのだが,誇張もないし出し惜しみもしていないように思って好感触だった.
他書からの引用だったけど,人が死んだときの悲しさはその人と会っているときの自分を喪失するからだという考えは面白いなと思う.
成果主義であったり,人とのつながりを重視していたりといまどきのニーズを示すが,今の若い人ってそういう考えをもって生きていると思うし,彼自身もそれらを大事にする人なんだなと思う.
Posted by ブクログ
タイトルのイメージとは違い、非常に理解しやすい構成になっていた。
ビジネスという目線で、ハッとさせられることが多かった。
「親近感を作る」「短期的な成果に左右されない」「トムソーヤになる」は、心に刺さった。
Posted by ブクログ
元講談社社員で現在作家エージェント会社コルクを経営されている佐渡島さんが編集という仕事を通して見てきた出版業界での出来事や、立てた仮説について書かれている。現実で常識とされていることに対して感じる違和感の正体が、佐渡島さんの視点で言語化されているように感じられ気づくことが多く、とても学びのある本であった。まず、仮説を立てる際にやりがちなのが、情報を先に集めてから仮説を立てるという順番であるが、それをやると思考停止に陥る場合が多いそうだ。そのため、まずは日常生活で集まってくる情報や自分の中の価値観を元に先に仮説を立てるということである。また、佐渡島さんが考える仮説の元として、「全体的」というワードがある。これは、インターネットの普及によってすべてのことが可視化されることから、本という作品一つをプロダクトとするのではなく、その周りに付随する情報をすべて含めてサービスとする考え方だそうだ。10年後の世界がどうなるかはわからないが、出版業界を作家の世界観を公にしていくようなシステムにするという考え方は面白いと感じた。他には、佐渡島さんが出版業界に務めたり、歩んできた人生の中でしてきた努力や考え方についても書かれていた。例えば、努力を続けるには自分に刺激を与えてくれる環境に身を置き続けるしかないという考え方もとても鋭くて客観的な意見に感じられた。他にも、佐渡島さんならではの工夫の仕方や自信を持つための方法、実際に成長してきた作家さんの姿なども書かれている。最後に、現実を変えるために倒す一枚目のドミノは一人の熱狂であると書かれている。2枚目が仮説を立てること。3枚目は周囲の人が倒すのだそうだ。この本自体が佐渡島さんが会社を立てたり仕事を楽しんだりして熱狂し作られた仮説が書いてあるのだと思う。個人的には、佐渡島さん(この本)の魅力は、仮説を客観的に披露しており、考え方を押し付けるような感じのない謙虚さだと思った。
Posted by ブクログ
「きっかけ」
仮説思考について本を調べている中で見つけた。
就活では仮説を持とうと言いつつ、仮説とは何かどう身につければいいのかという質問に明確に答えられないことが多くヒントを探していた。
「まとめ」
内容は近年流行っている嫌われる勇気のような心理学及びそれを実践するための具体的なテクニックとしてのデザイン思考を踏襲しているイメージだが豊富な例えや文章の熱さにより非常に読みやすかった。
・仮説とは定義づけである。不確実性のたかく変化の早い世の中に置いて個人の「こうしたい」という明確な定義に基づく行動こそ幸福感をもたらし社会にも価値をもたらす。
・自分の自信、習慣、経験を定義づけすることが毎日を有意義にする。特に自信については「成功してきた自分」ではなく、「成功するような努力を毎日続けてきた自分」のような認識にすることで再現性を持たせることができる。
「学び」
・悩みや劣等感が対人関係で生まれていること、個人のやりたいことに人・モノ・カネ・情報が集まるという流れはインターネットが生活に浸透するこれからの社会において必要な考え方になると思う。
・ただ盲目的になるのではなく、基礎を大切にし適切な努力を続ける。改めてイチローリスペクト