【感想・ネタバレ】昭和天皇実録 その表と裏1のレビュー

あらすじ

2014年8月に宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者の満を持した試み。
著者は『昭和天皇実録』を、これまで民間に明らかにされなかった国家所蔵の記録を用いたものである点で極めて重要な文書としながらも、その記述にはさまざまな意図が隠されており、『昭和天皇実録』を真に意味あるものにするためには、 眼光紙背に徹した読解が必要だと言う。そこで著者は『昭和天皇実録』を歴史を追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への圧倒的な識見により拡充し、 これまでの歴史研究の成果と突き合わせてゆく。
本書は『昭和天皇実録』をテーマとしつつ、昭和史の新たなスタンダードを確定する画期的な一冊である。第1巻では昭和天皇の戦争体験を詳細に検証する。

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Posted by ブクログ

昭和天皇の御世というのは、結局は、日中戦争から太平洋戦争までの戦争がそのハイライトということだろうか。
保阪氏の手になる昭和天皇実録の解説書の第1巻は「太平洋戦争の時代」と名付けられ、開戦に至る過程と戦争中のことに焦点が当てられている。
本書では、昭和天皇実録の位置付けや執筆者の意図の読み方なども解説されていて興味深かったが、一番印象に残ったのは、「昭和天皇は非戦主義者でも好戦主義者でもない。自らに課した第一の役割は、皇統を守ることにあり、そのために必要とあらば戦争も受けいれると考えてきた。それが昭和天皇の実像ではないだろうか。」という著者の指摘だった。

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2015年09月28日

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