【感想・ネタバレ】日本男色物語 奈良時代の貴族から明治の文豪までのレビュー

あらすじ

学校では教えてくれない「男の絆」の歴史を紐解く。

かつての日本で「男色」は特別なことではなく日常だった。僧侶と稚児、将軍と小姓、武士と家臣、庶民と男娼、貴公子と貴公子…、
日本史上ではさまざまな身分の人たちが、それぞれの立場で男色を楽しんだ歴史がある。

本書は、奈良時代から明治時代まで、史料に残された男色がらみのエピソードを抽出した。
同性愛に対する偏見や差別がなかった時代の「男同士の恋愛」を、あますことなく紹介する。


<目次>

第1章 王朝絵巻の男と男

●平安時代のモテ男・光源氏が寝床で少年を愛撫?
●藤原摂関家のエリート・藤原頼長の道ならぬ恋
●「男色の起源は空海」という俗説
●出家した恋人を追いかけて出家した貴族・・・など

第2章 男色天国となった武家社会

●男色禁止を誓った僧侶がいた!?
●稚児をめぐって寺院同士が大ゲンカ
●日朝貿易の使者が見た日本の男色文化
●将軍・足利義教が愛した男は30歳過ぎだった!?・・・など

第3章 戦国時代の衆道──御屋形様と小姓の関係

●戦国武将のステータスとなった少年愛
●甲斐の虎・武田信玄が男の恋人に送った手紙とは?
●男色戦術「桂男の術」とは
●あの独眼竜政宗にも男の恋人がいた! ・・・など

第4章 庶民も男色を楽しんだ江戸時代

●陰間遊びの手引き本「役者評判記」が続々と出版
●嫌な客を相手にする陰間の憂鬱
●夫の男色に抗議して自害したお姫様
●男の恋人と旅行に出かけた俳聖・松尾芭蕉
●ユニセックスの絵師・鈴木春信・・・など

第5章 タブーとなった明治以降の男色の風習

●近代に流行した学生同士の恋愛
●明治の文豪たちが記した男色の思い出
●男色を悪習とする風潮の萌芽・・・など

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Posted by ブクログ

日本史を縦切りに、男色に関する記録(推測含む)だけをまとめたもの。1ターム2~4頁と短く、切れ切れに好きなところから読めるのが良い。
事実として把握でき、為に内容が濃くなるのはやはり平安貴族の日記辺りから……
日本の男色文化は基本的には少年愛(そして少年は女装している)で、これが明治期まで連綿と続いていたわけで、今の男の娘ブームは別に一過性のものではなく日本人の中に延々と刻み込まれてきた風俗のひとつなんだなーと思いながら読んだ。
男色がタブーだった昭和期が異常だったんだ……(茫然)

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2016年06月30日

Posted by ブクログ

昔は男色が多かったんだなと実感。徳川家にもいたのは驚き。
明治に妙な性思想が入ってこなければ今のような同性愛の問題はなかったかもと思わせられる

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2015年12月18日

Posted by ブクログ

<目次>
第1章 男色の起源を探る~王朝絵巻の男と男
第2章 男色天国となった中世日本~武家社会の男模様
第3章 戦国時代の衆道~御屋形様と小姓の関係
第4章 庶民も男色を楽しんだ江戸時代
第5章 タブーとなった明治以降の男色

<内容>
この本の通りなら、あの内容もこの内容もすべて男色となる。古文献が多く載せられているが、そう読むのかはやや疑問もある。ただ、教科書レベルのあの人もこの武将もこの作家も「男色」があるのなら、日本の歴史は「男色」の歴史となってしまうが、どうなんだろう?著者は「日本の文化」としているが…

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2015年11月10日

Posted by ブクログ

西洋化が進められる前の日本の恋愛模様。男女の区別はなかったよう。具体的なエピソードの紹介が続く。
ところどころ、変換間違いや記述間違いがあるのが気になった。

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2015年07月12日

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