あらすじ
月の無い夜に人里を襲い、一晩で全てを喰らう超悪党集団『百足』。またひとつ『百足』の牙が人里に向いた時、『百手無双流』の使い手・馬頭丸が駆る。1人VS100人!!! 常時死闘バイオレンス活劇、開幕!!
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Posted by ブクログ
駆け抜けるように敵が死ぬ! いわば「敵が多ければその分すぐ死んでも話が保つ」という物凄い割り切り。ノンストップ気持ちいいアクション描写で無双の連続だ。主人公側には好感を持たせ、百足側は見た目と武器だけでキャラを立てる苦心もしのばれる。
Posted by ブクログ
激しく、烈しい
月並みな言い方だが、最初からクライマックス、過程もクライマックス、恐らく、最後までクライマックス
自分の限界など知ったこっちゃない、とばかりの全力で描かれている作品が、この『百足』
タイトルと表紙だけ見ると、妖怪退治モノと勘違いされてしまいそうだ
まぁ、あながち、間違っちゃいない。主役・馬頭丸が相手取らなきゃならないのは、人を人とも思わずに蹂躙する外道ども
悪人とは言え、次から次へと、ほぼ一瞬、一撃でブチ殺されていく
爽快感がある一方で、グロさもMAX
脳天は割られ、顔面は陥没させられ、首がスッ飛び、胴に穴がブチ開けられる
スプラッタ表現がダメな人はアウトだろうな
一話ごとの終わりに、残り〇〇人と表記されている点も結構、エグい
『ケルベロス』や『ハーベストマーチ』も結構、エグい表現が多い少年漫画だったが、フクイ先生、充電期間中に一皮剥けたのか、更に画力と表現力を底上げしている。前作で先生の圧に慣れているファンですら、一瞬でも気を抜き、次の展開への対応を誤ると降り落とされるだろう
一対一でなく、一対多数、乱戦の面白さが、ものの見事に描かれている
その魅力を支えているのが、馬頭丸が会得した武技・百手無双流の極意だろう
常に、次の一瞬を100パターン予想し、一本だけの己の生き筋を掴む
空手、プロレス、キックボクシング、中国武術、剣道ですら、複数に囲まれた時、必要となるのは、どれだけ、相手の動きを先読みできるか、自分の攻撃パターンを増やせるか、だ。同じと断言していいか、は自信がないが、将棋の勝ち筋に通じるものもあるだろう
また、馬頭丸の主人公性にも、フクイ先生らしさが見える
先生の作品の主人公は、こう言っちゃなんだが、ワンパターンだ。ともかく、強い。腕っ節とかもそうだけど、自分が守りたい人を守るためなら、持っている力を100%の出力で奮う事を躊躇わない、ブレーキを踏まない心の強さがある。そんな主人公が活躍する少年漫画に惹かれない漫画読みがいるだろうか、いや、いまい
フクイ先生に、『忍のBAN』が現在、大好評連載中の石沢庸介先生に近い匂いを感じた漫画読みは、私以外にも多かろう
加えて、残酷な話の中に、ラブコメ要素も構わず、投入してくるトコも、フクイ先生らしい
この『百足』のヒロイン、お泉も巨乳だ。フクイ先生、そんなにオッパイが大きい美少女が好きですかっっ
また、お泉以外にも、上玉は多い。そんな悪女も、馬頭丸に倒されるのかと思うと、残念だな、と思う反面、どこか興奮している自分もいる
巻末とカバー下のオマケ漫画が本編に負けないくらい、面白いのもフクイ作品の特徴だ
まだまだ、実力者や腹の内が読めないキャラも控えていそうで、これからの展開が楽しみ
どの回も迫力大だが、個人的に推しなのは第四幕~鬼退治~だ。計算された連携プレーを、圧倒的な技と、死と紙一重の緊張感でこそ発揮できる度胸で突破する、滾らない方がおかしい
この台詞を引用に選んだのは、馬頭丸の愚直な男らしさを、どストレートに表現しているから。受けた恩をしっかり返してこそ、男の価値は上がるもんだ
なんかいろいろ惜しい作品。
激強な主人公が、個性豊かな100人の敵を相手に百人組手(殺し合い)するという設定は、シンプルだがキャッチ―で面白い。だが本作は、とにもかくにも荒い。展開は駆け足過ぎて個性ある敵に思い入れを抱く暇も無いし、絵は全体的に雑っぽいし、ストーリーはたった3巻で終わっているので戦い以外の話はほとんど描かれていない(主人公の過去が数ページ入っている程度)。
このネタで、ストーリー展開をしっかり作り、絵を丁寧に描いて迫力のある戦闘を描き、数巻に渡って話を展開させて漫画のクオリティを上げていれば、けっこうな名作になったと思う。せっかくのネタをこのように雑に扱ってしまうのは非常に惜しい。