あらすじ
「日米安保条約があるから、アメリカは日本を守ってくれる」は幻想だった! 集団的自衛権の議論にも一石を投じる衝撃の事実。
日米関係を長年、取材してきた著者は、40年以上前のアメリカ政府機密文書に記された、こんな文言を発見した。
「米軍は日本本土を防衛するために駐留しているわけではなく(それは日本自身の責任である)、韓国、台湾、および東南アジアの戦略的防衛のために駐留している」
こうしたアメリカの政策は今も継続されている。2015年4月に発表された日米の政府間文書「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」には、日本の防衛は日本の「責任」という記述が書き込まれているのだ。しかし、ガイドライン日本語版からは「責任」という重要なキーワードが消えていた。誰が、何のために、作為的な翻訳をしたのか。
日米関係の転換点となった沖縄返還へさかのぼり、機密文書をもとに日米同盟の裏側と、そのあやうい現状を暴く。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本を読んで、まず衝撃としか思えない。
一般論としてこの本だけで全て判断するのは正論とは言い難いが、私は20数年間生きてきて、いかに普段の生活の中で触れるメディアの情報を得るがまま、鵜呑みにしてたんだと実感した。
特に、異なる言語を通すことによって、翻訳の仕方、異文化のニュアンスの解釈で、さらに紆余曲折している可能性があることを受け止める必要がある。
特に、アメリカは日本を守ってくれるという錯覚。
『英語版ガイドラインでは、日本が武力攻撃を受けた場合、作戦の実施は自衛隊が主たる責任を持つとしている。が、日本語版ガイドラインでは、責任を省略して翻訳せず、あいまいな作為的翻訳をしていた。』
とあるように、実際に国と国の文書間でも、このような事実が見受けられ、日本では日本の解釈が全てと認識していくのは疑義があり、自分でもしっかりと真実を追求する必要があるのではないかと感じた。
Posted by ブクログ
最初の3章だけでも読む価値ある。新しいガイドラインでは意図的かどうかは別にして誤った翻訳によりアメリカが日本を守る態勢が後退している現状が隠されている。米軍は日本防衛のためでなく自国の世界戦略のために駐留している、そのために日本を守ることはある、こんな考えてみれば当たり前のことを本書は米国の文書を繙いてそれを証明した。集団的自衛権を行使できるようになることにより日米同盟の片務性を解消して日米同盟を強化して抑止力を高めようなど…
後半は沖縄の返還、繊維問題、尖閣諸島と今の日米同盟に関わる歴史を解説。尖閣諸島について米国のスタンスがわかる。
Posted by ブクログ
明日は米側にとっては「リメンバー・パールハーバー」の日。そのアメリカが日本を守ってくれていると日本人は今でも信じています。でも実際はそうではないらしい。このことに関してマスコミは大々的に大問題として取り上げてきたのか、私は詳しくは知らない。大方の日本人はやはり、沖縄をメインに日本の各所にある米軍基地に配備された飛行機や軍隊によって私たちは守られているのだから、米側への”思いやり予算”は仕方ないものと考えています。日本の政府もアメリカが日本を守ってくれると信じているのか、それともいつもの隠蔽か騙しか?
Posted by ブクログ
先ずは自分の身は、自分で守る。自分1人では、弱いから、力のある親分にすがる。でも、親分にすがれば、金か血を求められるのは、古代より当然のこと。平和ぼけした日本人は、アメリカが、そんな御人好しの紳士の国でないことを肝に銘じなければならない。
Posted by ブクログ
公表された米国外交文書を紐解けば、日米安保条約に基づく本邦防衛は一義的に本邦の自助努力によるものへと変化しており、駐留米軍の役割は基本的に兵站のみ、その防衛対象は韓国、台湾等の東(南)アジア(除く日本)となっている、との指摘。
従って安保ただ乗り論は的外れだし、米軍駐留費用負担も根拠がないことになる。
問題は、それを前提とした国のかじ取りができる胆力を持った政治家がいるかどうかだろう。