あらすじ
皇帝ナポレオンを告発する小冊子を書き続ける新聞記者のモンデール。ナポレオンに逮捕され従軍記者として戦場へ行き、ナポレオンの辿る運命を目撃する。名戦アウステルリッツからロシア戦役、ワーテルローの決戦へ――。フランスの幸せとは? ナポレオンとモンデールの対峙は? マダム・タリアンの秘める陰謀とは? 壮大なスケールと多角的な視点でナポレオンの全貌を描ききった、著者畢生の大河巨編。
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Posted by ブクログ
最後の最後にナポレオンは実はいいやつで、みたいな描写になっていく。あれだけこきおろしていたのに、最後の最後で主人公の見方が変っていくのだ。
長い長いお話が終わった。
大河ドラマ的感覚だった。
Posted by ブクログ
常勝ナポレオンが大敗を記したロシア遠征は壮絶だ。上巻のエジプト戦記のくだりもすさまじいものがあるが、こちらはまた別の意味ですさまじい。兵士としての誇りを失い、盗賊に成り下がった先には救いようの無い地獄が待っていた。片腕と凍傷で足の指を失いならがも数年後に生きて帰還をし、パリで物乞いをする傷痍兵の話に引き込まれる。
英雄ナポレオンを描くことよりは人間臭さを前面に出したつくりになっている。エルバ島がら脱出後、人民の熱狂的な支持を得てナポレオン最後の戦い、ワーテルロー決戦へ、常勝ナポレオンの神通力は通じるのだろうか。勝敗に関係なくナポレオンは人の心を捕まえて放さない。