あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
ここで読者は「彼方(あなた)」の世界に住む、もう一人の「貴方(あなた)」に出会う。ノルマンディ地方の美しい風景の中で静かに辿る「『フェカンにて』」。経済のグローバル化のただ中で、途方に暮れる一夫婦を描く「慈善」など、語りの常識を易々と覆し、変容する現実を再定義する11の物語。長く電子書籍化困難といわれた幻の作品集、遂に配信! ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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Posted by ブクログ
様々な技法で小説、文章というか、本というメディアを
分解、再構成している、そんな短編集。
老いのために少しずつ体が崩れる世界の青年。
ただ、その小説のページ下部には短いエッセイが
挿絵の代わりについている作品。
一文だけの作品。
親子の人生をインタビュー形式で作り上げる作品 等々
だが、この短編で最もコアなのは主人公が自殺する小説を
書こうとしている小説家の作品だろう。
おそらくは著者自身(平野)が投影された「大野」が
主人公だが、その「大野」が、さらに自分の小説の
主人公をみつめるため、実に不思議な感覚に陥る。
さらにテーマは死である。
死とは何か。小説にとっての。自分にとっての。
小説とは何か。「大野」にとっての。実際の著者にとっての。
多次元に見つめ表現しようとする。
色々と興味深いが、面白いかと言えば、人それぞれだろう