あらすじ
時代を切り開いてきた人の半生をたどり、思いや夢に迫るNHKBSの番組「100年インタビュー」の単行本化。今回は元国連難民高等弁務官で、現在国際協力機構特別顧問の緒方貞子さんのお話。父は外交官、曽祖父は犬養毅元首相という家に生まれ、アメリカや中国で幼少期を過ごす。大学卒業後、二度のアメリカ留学を果たし、結婚後は夫の仕事で大阪、ロンドンに住み、子育てをしながら、国際基督教大学の非常勤講師に。市川房枝の働きかけで国連公使として総会へ出席。その後、多国間外交の経験を積む。1991年、それまでヨーロッパの男性政治家が就いていた国連難民高等弁務官に初の女性、初の学者出身者で就任。冷戦集結後の宗教や民族間の対立が激化した10年間、世界中の難民支援を指揮した。その後、国際協力機構理事長として復興支援に尽力。前例のない難局を乗り越えてきた日々に貫いてきた信念、平和を築く哲学、国際社会での日本の役割を語る。
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Posted by ブクログ
国連難民高等弁務官、国際協力機構理事長を務められた緒方貞子さんのインタビュー本。確か何かの雑誌で紹介されていたのを見て読んでみました。
ひいおじいさんが犬養毅元首相、父親が外交官という元々、国際、政治のサラブレッドのようですが、お二人の子育ても頑張り、ガッツとパワーで重役も務められたということが分かりました。
イラク・クルド難民支援、ボスニア紛争などの経験談は私には予備知識が無いので内容的に難しかったけれど、危険にさらされた中で大きな決断を強いられ、それを実行した強さを読み取ることが出来ました。
本のタイトル「共に生きるということ」にあるように、国際社会では人に依存しないでは生き延びれないと。
最後にある「100年後のみなさんへ」のメッセージは緒方さんだからこそのメッセージでしっかりと受け止めて、「いい考え方、いい試み、多様な幸せのあり方」を考えていきたいと思った。