あらすじ
芥川竜之介は、小説の他に、随筆、回想、小文も多く残している。芥川は、随筆を「清閑の所産を誇っていた文芸」として特に愛好した。古今東西にわたる深い学識、郷里(現・墨田区向島)への想い、交友を大事にした人柄など、芥川の素顔を良く伝えている。多岐にわたる珠玉の随筆を精選して初めてまとめる。詳細な注解を付した。
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古今東西にわたる深い学識に根ざした鋭い 批評、気品に富む機知とユーモア、友人に 対する優し過ぎる感情、創作に賭ける決 意、郷里への想い…。厳しく完成された小 説の奥に秘められた、芥川竜之介の柔らか な素顔を垣間見せる随筆を、精選してまと める。
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先日、森鷗外の随筆集を読んで、ふと棚に芥川龍之介の随筆集が並んでいるのに気付いた。
買った記憶も、読んだ記憶も、ない(笑)
芥川は、随筆を書く姿勢に「清閑であること」を挙げていて、なるほどと笑った。
読む側も、急いで筋を追うというよりは、ゆっくり一話ずつ読むのが良いように思う。
個人的にはII章にお気に入りが多い。
「不朽」には、限りある命と知って長生きしようと思うのは人それぞれの分別で、芸術上の作品もいつかは亡ぶに違いないが、なるべく長持ちのする作品を作ろうと思うのは、我々の随意だと言う。
いつかは消えると分かっていながら、生み出し、また消えないことを願うのは、夢のようだなと思う。
「告白」では、自分自身の恥部を晒け出すことへの嫌悪を述べている。芥川らしい。
お金があるなら、ストリンドベリイの『痴人の告白』のような作品は出さなかったとある。
芥川が『言海』を読んでいて、有名な猫の項目にちょっとした皮肉を言う。
猫が窃盗の性あり、なら、犬は風俗壊乱だし、燕は家宅侵入だし、蛇は脅迫、蝶は浮浪の性ありと言えるな、と(笑)
一方で夏目漱石に関わる話からは、尊敬の念がよく感じられる。
ヴィジュアライズされる言葉の用い方、とあって、私も『門』の一文を思い出した。
そのように描き得る眼を持つ作家のすごさと、そして、それを今、文字として私の中を貫くことの出来るしあわせを感じた。
Posted by ブクログ
岩波文庫の字は小さくて読みにくいと思ってたけど、新しい本は活字が大きめで読みやすかった。芥川のエッセイは、こんなにまとめて読んだことなかった。