【感想・ネタバレ】久坂玄瑞の妻のレビュー

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Posted by ブクログ

久坂玄瑞は幕末の長州藩士であり、吉田松陰の義弟としても知られる
いわゆる尊皇攘夷…すなわち天皇を尊び、外敵を排除せんとする思想に立っていた
昭和17年の日本ではニーズがあったのだろう
しかし実際のところ、彼は幕府との軋轢がもとで朝敵にされた
おまけに久坂の死後、長州藩は下関戦争の敗北を経て開国派に転
倒幕のためにイギリスの力を借りることとなるのだった
そのあたりは小説の中であいまいだ
ある意味、史実は繰り返されることになるのだが…

「久坂玄瑞の妻」とは、つまり吉田松陰の妹のこと
先にも書いたように、これは昭和17年、太平洋戦争の初期に出版されたもので
おそらくは戦時下の妻、および未亡人たちに
その心得を与えようというテーマのもと、企画されたと思われる
中身はそれほど堅苦しいものじゃないが
それでもまあ、大河ドラマがなければ再刊されることはなかっただろう
ただ、解説が興味深いことを書いていて
なんでも、戦時中にこの小説を読み
深い感銘を受けて、ペンネームに久坂姓を取り入れたのが
夭折の女流作家・久坂葉子なんだとか

愚直なまでに自らの信念を貫き通す
そんな生き方にこそ憧れた人々にとって
終戦直後の日本が生きづらいところであったのは
想像に難くないけれども

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2015年04月06日

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