あらすじ
ドイツで「インダストリー4.0」のコンセプトづくりに参画したローランド・ベルガーの日本共同代表が執筆。いま日本で最も詳しい著者による本格的解説書です。ボッシュ、シーメンス、ロールス・ロイス、BMW、ABB、SAPなどの欧州企業に加え、トヨタ、オムロン、ミスミ、クボタ、由紀精密など日本の先進事例を多数紹介!
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Posted by ブクログ
【ココメモポイント】
・これまでとの大きな違い
1.取り組みのスケール、対象範囲の広さ
2.取り組みの頻度
3.長期ロードマップと非競争領域の存在
P.19
・モジュール化
あらかじめ作っておいたモジュールをレゴブロックのように組み合わせる
P.28
・カルロスゴーン氏が日産自動車社長就任時からスタートさせたクロスファンクショナルチーム(CFT)も部門をまたいだ見える化を行っていた
P.205
・顧客起点で見える化を追求
活動と成果の見える化
1。会社の収益
2。お客様の嬉しさ
3。企画活動の巧みさ
4。オペレーションの効率性
挑戦の見える化
1。能力やリソースの極大活用
2。会社収益とお客様の嬉しさの高次元での両立
3。高頻度のPDCAによる成果の段違いの加速
P.209
・4。0のデジタル化された時代には階層が減り、よりフラットな組織や個人が縦横無尽につながるという状況が理想
P.240
Posted by ブクログ
欧州系戦略コンサルティングファームのローランドベルガー日本代表によるドイツの製造業革新プログラム「インダストリー4.0」の解説書。
本書によると、IoTの世界観をベースにした「インダストリー4.0」は以下の3つのキーワードで表現される。
・つながる(複数の企業間に跨るようなバリューチェーン全体をシステムで連動させることによる品質向上・コストダウン、バーチャル工場で試作を即座に実行し手戻りをなくしものづくりの時間を大幅に短縮)
・代替する(再生可能エネルギーを柔軟に組み込んだ送電グリッド、工場建設をバーチャル上でシミュレーションし投資コストを最小化)
・創造する(ビッグデータ解析による精度の高い需要予測やニーズ発掘)
同様の動きはアメリカでもGE等のプレーヤーが主導する「インダストリアル・インターネット」という形で見られるが、そちらがビッグデータ解析による「創造する」点に力点を置いているのに対して、製造業の強いドイツでは製造プロセスに影響を与える他の2つのキーワードが組み込まれている点に「インダストリー4.0」のポイントがあるとされる。
私見では、ドイツ政府も積極的に関与する「インダストリー4.0」の流れは、90年代~00年代のネットビジネスの台頭の中でアメリカに完全に主導権を握られた欧州の危機感というものが強く表れていると感じる。例えば、個人情報/パーソナルデータの利活用において、欧州司法裁判所は当該データの越境移転に係る「セーフハーバー」協定の無効判決を下したが、こうした形でデータ取り扱いのイニシアティブを何とか取り戻したいという動きは各所で見られている。
それはさておき、本書ではドイツでの具体的な事例も紹介され、「インダストリー4.0」の概略をまず最初に掴むのには適した一冊だと思う。
Posted by ブクログ
インダストリー4.0の本質
「異次元の見える化」
①需要連鎖の見える化
:サプライヤー、自社工場、顧客までのサプライチェーン→非効率の撲滅
②価値創出連携の見える化
:各部署の能力とリソースの棚卸から役割分担→連携革新による付加価値創造
③将来ニーズの見える化
:ボトムアップと俯瞰による先読み→モジュールによる将来ニーズの織り込み
「圧倒的な機動力」
:PDCAを高頻度に回していく
現場で必要になる資質
1.全体を体系的にとらえる。
2.強い意志をもって動く
3.失敗を糧にする。
4.異なる価値観を学ぶ。
5.好きなことから始めてみる。
6.社会・国とオープンに向き合う。